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Hasselblad 500CMで撮る朝焼け

いつも見ていただき、ありがとうございます。

今年の梅雨は、豪雨が多いですね。
小雨だと撮影に問題ないですが、さすがに豪雨はいただけません。

以前、「極太の龍の腹が朝焼けする時」で朝焼け空を紹介しました。

この時、余りにも綺麗だったので、フイルムでも撮影しました。
ここ1年で、フイルムは2倍に高騰しました。
フイルム写真の世界は、超インフレ状態です。
フイルム1本2000円...厳しすぎます(T^T)
貴重なフイルム(貴重なお小遣い)のため、最近は滅多なことでは撮影しなくなりました。

さて、愚痴はこれくらいにして、今回は撮影時に注意したところ、出来上がりを見て感じたところを説明しながら、全12枚を紹介します。
あと、撮影機材についても触れます。



撮影

今回は、富士クローム Velvia 100 というリバーサル(ポジ)フイルムで撮影しています。
通常使うネガフイルムは、色が反転していますが、リバーサルフイルムは、色が反転せず、フイルムは見たままの色になります。

1枚目
撮影したカメラ(Hasselblad 500CM)に内蔵露出計がないため、外部露出計で露出を計っています。
露出計で反射露出を計っているので、明るいところ、暗いところ、撮りたいところの3カ所を測って、色による補正の加減を考えて撮影してます。
下の雲海(ガス?)を撮りたいので明るくしたいが、上空の雲の色を出したいので暗めに撮りたい、うーんどうしようと悩むジレンマの一枚です。
フイルムだから撮影時に確認できないので、経験でと言いたいところですが、カンで雲よりに補正してますw
もう少し明るく撮ってもよかったかな。

2枚目
下の雲海(ガス?)が少なくなって、海面が赤く反射して美しい光景になりましした。
海面が明るいので、空の雲の色が出る露出にしました。
結果的に1枚目と同じ露出なんですけどねw
海面の赤い反射と造船所のシルエットがいい具合です(^^)


3枚目
もしかして、2枚目は雲が白飛びしているかもしれないと思って、暗めに(-0.5EV)撮影しました。
暗いですね。この写真。失敗です _| ̄|○

現像して初めて分かるフイルムの醍醐味(?)ですw

4枚目
朝日が昇ってきました。
光が直接レンズに入ってくる状況は難しい。
白く飛び気味になるか、周囲が暗く朝日だけ輝いているかのどちらかの写真になる可能性が高くなります。
上空の雲の質感は残したいので、太陽から少し離れたところで露出を合わせるというセオリーに従って、山の上あたりに露出を合わせました。
思ったより、色が出ていたので成功です(^^)

5枚目
朝日の光が強くなりました。手前には雲海(ガス?)が流れ込んできました。4枚目と全く同じ構図ですが、人工物(造船所)が隠れるだけで雰囲気が変わり、朝日の存在感が強調される1枚になりました。

6枚目
失敗です。
暗い。。。
白く飛ばないように&太陽の形が分かるようにと、過度に意識してしまった結果、アンダーです。
リバーサル(ポジ)フイルムは、露出を外すと救えません...


7枚目
日が昇って、空と海・陸の露出差が大きくなりました。
空重視でいくか、海重視でいくかで迷いながら撮ってます。
構図は海、露出は空となり、中途半端な失敗写真になりました。
NDハーフフィルターを使ってもよかったかも。

8枚目
西の空の繊細な色の美しさを撮った1枚です。
出来上がった写真を見て、もう少しカメラを上に振って撮ればよかったと思いました。手前の木々の黒が多すぎです。
撮影時は肉眼では木の濃淡が見えていたので、撮れてると思っていましたが、ダメでした。
人間の目は、フイルムの2倍以上の明暗が見えることを、意識するべきでした。

9枚目
空が明るすぎて、色がキレイに出てません。
下半分が、黒く潰れて無駄な空間になってます。
ハーフNDフィルター必須の状況ですが使ってませんでした。
失敗です。
リバーサルフイルムは、明るく撮ると発色が悪くなるので、気を使います。
特に、日の出の時は、刻々と露出が変わるので大変です。
露出を計って、撮影した瞬間に太陽が雲から出てくると、やっちまった感がありますw

10枚目
雲の色がイイ感じになってきたので、7枚目と同じ構図で撮影しました。
7枚目と同じ失敗をしています。さらに悪いことにアンダー。
デジカメだと7枚目撮影をプレビューで見て、再撮影の時は修正できるのですが、フイルムは現場ではわかりません。
撮影するときは、自分の頭の中で写真イメージを想像しますが、イメージと実際の写真の間にズレがあると、このような結果になってしまいます。

11枚目
エッジが出ていて、ライン状の雲が強調されてます。
8枚目より数分後なのですが、光は重要ですね。
構図的に、8枚目と同じ失敗をしています。
ハーフNDを使うべき状況でした。

12枚目
12枚撮りのフイルムなので、最後のショットです。
雲の表情、立体感、色ものっていてよかった。

下の写真は、ほぼ同じ時刻にEOD-R5で撮影したものです。
これは好みの問題でしょうが、リバーサルフイルムで撮った方が表情豊かで好きです。

EOS-R5で撮影



機材紹介

カメラ本体 HASSELBLAD 500C/M
 スエーデン製の中判カメラです。
 分類的には、一眼レフカメラでレンズ交換可能です。
 Vマウントシステムと呼ばれています。

 私の愛機の個体番号は、10EI24636
 個体番号には意味があって、機種、製造年がわかります。
   10:500C/M  ※1990年代以降から機種番号が付いている
   EI:1994年製  
 VHPICTURES のアルファベットが 1234567890 に対応してます。
ちなみに、禁断のヤフオクで安く入手しました。調子もよくてアタリでした(^^)
 
 フォーカス用のマットは、アキュートマットD 42219 に交換してます。
 アキュートマットは明るくていいですが、標準のマットと比べて、若干ピントの山が掴みにくい。でも、明るいは正義ですw
上から覗き込むファインダー(ウエストレベル・ファインダー)です。
レンズから入った光を鏡1枚を通して見みます。フォーカススクリーンに映し出されるのは、左右反転した世界ですので覗き見るだけでも楽しめます。


ファインダーを覗くと左右反転の世界

 アルカスイスの三脚プレートを付けています。
 EOS-R5もアルカスイスにしていますので、三脚ワークは楽ちんです。 
 あとは、水平儀を着けていますが、何故か撮影すると傾くことが多いのです。

フイルムマガジン A12
 6×6cmの12枚撮りです。
 フイルムは、中判(ブローニー判)の120が使用できます。
 マガジンは幾つか所有してますが、1971年製の古いもので撮影しました。フイルムマガジン方式は、フイルムを使いきっていなくても、マガジン交換でカラーフイルムからモノクロフイルムに変更できるので、何かと便利です。
 フイルムマガジンは、A16(長方形16枚撮り)、A24(24枚撮り)とありますが、フイルムの入手性の問題とスクエアの写真が好きなので、A12のみしか持ってません。

レンズ Sonnar 150mm f4
 中判の標準レンズは80mmですので、150mmは中望遠です。
 Planar 80mm f2.8で撮影しても良かったのですが、見せたいところを、ドンと撮りたかったので、150mmを選択です。

露出計
 
Hasselblad500C/Mは、内蔵露出計はついてません。
 外部露出計で測ることになります。

 風景撮影なので、セコニックのL-478Dにビューファインダーをとりつけて、反射露出計として使ってます。


セコニックのL-478Dは、シャッタ速度と絞りの組み合わせに加え、EV値が表示されるので、私が使っている Cレンズと相性がイイのです。
露出計の計測結果のEV値を、レンズの赤い数字を赤三角に合わせるだけです。

EV値 14.5にセットされている


レンズには、シャッター速度と絞りの目盛もありますが、リングを回転させると、シャッター速度も絞りも一緒に回わります。
つまり、EV値固定(明るさ一定)で好きなシャッター速度、または好きな絞りを選べるのです。
露出計で、シャッター速度と絞りの組み合わせを読み取るか、EV値一つを読み取るかは、EV値のほうが思った以上に楽になります。

EV14.5の時のシャッタ速度と絞値


さいごに

フイルムで撮影すると、常に出来上がりはこんな感じになるだろうなぁと想像しながら撮ってます。
現場で撮影結果が見られないということは、思った以上に考えなければならず、出来上がりを想像しながら撮るので、おのずと撮影に集中します。
Hasselblad500C/Mのように、マニュアルフォーカスで内蔵露出計が無いカメラはメンドクサイですが、メンドクサイからこそ撮ること自体を楽しむことができます。
中判フイルム1本で12枚という少ない枚数ですが、1枚1枚に入魂できる最適な枚数だと思います。
そして、後日出来上がった写真で答え合わせして、今回の記事のように一喜一憂してます。
フイルムの楽しみ方ですw

最後まで見ていただき、ありがとうございました。

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