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心地よさとリフレッシュ効果が期待できる、静寂なウォーキングの魅力とは?

もう随分前から、ヘッドフォンをつけて何かを聴きながらウォーキングする人が多いが…….
新たなトレンドは「サイレントウォーキング」らしい。

テクノロジーの類いをいっさい使わず、周囲の物理的環境に浸りながら1人静かに歩くウォーキングだ。

いつもの散歩をサイレントウォーキングに変えるだけで、メンタルヘルスにいくつかの効果がもたらされると、サイレントウォーキング推奨派は力説している。

しかし、1つ疑問が残る。サイレントウォーキングの効果には科学的な根拠があるのだろうか。
ウォーキングはもともと健康に良いとされる生活習慣のひとつだけど、
何も聴かずに静かに歩くと、どのくらいのプラス効果が得られるのだろうか?

「静寂は脳の発達を促す可能性がある」
脳の構造と機能に関する科学誌『Brain Structure and Function』で2013年に発表された研究報告では、マウスを使った実験の結果、静寂がニューロン新生(新たな脳細胞の生成)を促す触媒的な作用をもつ可能性があることがわかった。

研究チームが、マウスを異なる聴環境にさらす実験を行ったところ、静かな環境では、ニューロン新生に欠かせない前駆細胞の生成が増加したことを発見した。前駆細胞は徐々に分化し、新しいニューロンをつくり出すが、それが特に活発になったのが、静寂を体験した数日後だったらしい。

サイレントウォーキングそのものは、静寂の神経学的効果とウォーキングがもともと備えている「知的鋭敏さの向上」という効果を一体化し、脳のためのオールラウンドなトレーニングにしているのかもしれない。

「自然に触れる機会が増えると幸福感が向上する」
頻繁にサイレントウォーキングに出かける人は、静かで穏やかな場所を選ぶことが多い。にぎやかな町中や混雑した公園を避け、自然に囲まれ、心安らかになれる環境に足を運ぶのだ。これはメンタルヘルスにとってとても効果的。

科学誌『サイエンス』で2022年に発表された報告では、61カ国から集められた300件を超える研究活動のデータを分析。それによると、自然と触れ合うことで私たちの人生は、200以上の非物質的な方法で豊かさが増すという。研究では、自然がもたらすそうした恩恵を、16の特有の関連性に集約。人はそれらを通じて、自然から目に見えない恩恵を享受しているとされた。

例えば、
・人との結びつき…..共通の自然体験をもつと、他者との関係がいっそう強固になる。
・直感…..自然に触れると、内在的な体験と感覚的体験の質が高まる。スピリチュアルな、もしくは宗教的な意義をともなうことが多い。
・満足….自然に囲まれると、満ち足りた気持ちと、人生全般の充足感が高くなる。
・変容….自然は、気分と視野の変化を促し、姿勢や行動に影響を与える。

サイレントウォーキングは、スマートフォンを携帯しないという条件を満たせば、どこでもできる。

サイレントウォーキングを日々の習慣に取り入れることで、より知的に鋭敏で、心配ごとの少ない人生に向かう前向きな一歩を踏み出せるかもしれない。

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