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『さようならウサギ』ジョン・アップダイク

20世紀後半のアメリカを代表する作家の一人であるアップダイク。
『さようならウサギ』は、彼がウサギこと、ハリー・アームストロングを主人公として描いてきたウサギ四部作の最終作品です。

本作では、1980年代後半のアメリカを背景に、1980年代後半のアメリカを背景に、ウサギは50代になって孫が生まれています。ただ、心臓の持病を抱えながら社長業を引退して余暇を過ごしています。

本作も含めて、ウサギ四部作は、アメリカという国の1950-90年の状況とそんな中で過ごす中産階級の人々の日常生活をある程度理解できる小説です。

ウサギは20代だった頃から最後の最後まで、家庭にトラブルを持ち、心に何かを抱えて妻や子供たち家族にも迷惑をかけ続けてきました。決して立派な人間とは言えませんが、いつまでも不完全ながらもなんとか生きている姿が読者の心を打つきっかけを作っているような気がします。




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