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カテゴリ分け不可のワイン

ワイン名:フリッシュ 2020 シャトー・レスティニャック
生産地:フランス・南西地方(ベルジュラック)
タイプ:赤白
品種:ソーヴィニヨン、セミヨン、ミュスカデル、マルベック、ペリゴール、ユニ・ブラン、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ
価格(税抜):¥4,900

このワインにおいてまず注目すべきは、その品種構成。白ブドウも黒ブドウも一緒くたにしているところ。

「フリッシュ」とはフランス語で「放棄する」という意味で、耕作放棄になっていた区画のブドウを白黒問わず全て一緒に醸造。このような作り方を混植混醸(フィールドブレンド)と言います。

またナチュラルワインの世界においては、白ブドウを黒ブドウをそれぞれ白ワイン、赤ワインに仕立て、それらをブレンドすることによって一本のワインに仕立てるということも珍しくありません。

というよりも、これまでになかった赤ワインでも白ワインでも、ロゼワインでもないカテゴリーのワインが、近年増えてきており一般化されつつあります。

根底にある考え方は、収穫したブドウをどうにか無駄にせず、手を変え品を変え、何とかして一本のワインとしてリリースしようということ。そのためにはこれまでの概念やAOPなどの法令を無視し、自由な発想が重要視されます。

さてこのワインですが、色調はこのように透き通っており、既存のワインのカテゴリに無理やり組み込むとすれば、濃い色調のロゼといったところ。

濃密なバラのような香りが立ち込め、色調からは想像できないような凝縮感のある味わい。しかし濃密ながら抜けがよく、一般的な赤ワインとはまた異なる味わいが魅力的です。

一般的なワインの場合、どこの土地のものかや品種構成から味わいを想像し、実際口にするのはその答え合わせのような部分がありますが、ナチュラルワインにおいてはそういったデータからは想像できないような味に仕上がることが多いのが面白いところ。

ワインを知っている人はそのギャップに面食らうこともあるかもしれませんが、先入観を取り払って目の前の一本と対峙してみることで、新しい世界が広がります。



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