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&THINGS MAGAZINE #05:LOVE YOURSELF 困難を笑いに

(3月9日水曜付 ワインズアンドシングスのメルマガの転載です)

昨日、3月8日は国際女性デーでした。
「国際女性デー」は1908年3月8日ニューヨークで起こった女性の参政権をめぐるデモをきっかけとし、1975年に国連が女性の十全かつ平等な社会参加の環境を整備するよう、加盟国に対し呼びかける記念日として制定(via Wikipedia)されました。

日本はジェンダーギャップ指数(政治、教育、健康の4つの分野から男女格差を測るもので1が完全平等、0が完全不平等)がとても低い国で、153カ国中121位。特に経済(男女賃金の格差はOECD諸国で2番目に大きく)、政治(女性国会議員は1割にも満たない、191カ国中166位)に関しては改善が必須であるとされているレベル。2021年は東京オリンピック大会組織委員会長の森喜朗の女性差別発言が国際的に非難されましたが、個人的にはジェンダー問題に対する国内外の温度差を露わにしただけだと感じざるを得ませんでした。日本でジェンダーを言及すると、森さんのように「男は女に気を使え」と言っていると間違える人が多くいますがそうではなく、お互いに尊重しあって対等でありましょう、というだけの話。属性を個性と履き違えてはいけない、ただそれだけなのです。

日本が抱える社会的問題はジェンダーだけではもちろんありませんが、どうしても「臭いものには蓋を」という風潮が根底にあり、同調圧力が蔓延る教育に責任があると感じます。私は私が大好きだ〜!という自己肯定感を身につけてこそ、私たちはストレスから解放され本当の意味で自由に生きられるんだと思うのですが、なかなか難しいですね。LOVE YOURSELF。

ということで!今日は女性が強いと言われるアメリカにおいても男性優位とされるスタンドアップ・コメディ界で燦然とその存在感を放つ、超個人的おすすめ女性コメディアンをご紹介〜!

Amy Schumer エイミー・シューマー

まずは、ニューヨークアッパーイースト出身のエイミー・シューマー!ぽっちゃり体型を生かした芸風でスタンドアップのみならずドラマや映画に出演したり脚本を書いたりと、とにかく多才なエイミー。彼女が製作した2018年公開の映画「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」はホント最高。自分の体型に大きなコンプレックスを抱えている女の子が頭部強打のショックで目が覚めたらなんとモデル体型になっていると錯覚してしまうというストーリーで、一切変わらぬぽっちゃり体型で自信満々に振る舞うエイミーがめちゃくちゃ可愛い。コンプレックスというものは悪でしかないのだと思い知らされる、思春期の男女全員に観て欲しい映画です。LOVE YOURSELF。


Tiffany Haddish ティファニー・ハディッシュ

お次は、大好き〜!ロサンゼルスのゲットー、サウスセントラル出身のティファニー・ハディッシュ!自らのコメディシリーズをホストしたり映画に出演したりと活動の場がとっても広いティファニー。2017年に超人気番組「サタデーナイトライブ」でアフリカ系アメリカ人コメディエンヌとして史上初となるホストに抜擢され、黒人女性として人種・ジェンダーアイコンとしても存在感のある彼女、3歳の時に実の父蒸発、9歳で義理の父親が一家殺害を企て車のブレーキに細工をして母が交通事故に遭い統合失調症を発症、精神にトラブルを抱えた母による虐待が始まり、12歳から児童養護施設で暮らすことに。15歳で祖母に引き取られ4人の妹弟たちと再会してのちコメディの世界にハマっていくのですが、彼女の初期のネタはこの壮絶な過去を完全に笑いに変えちゃってるんです。当時のことを彼女は「笑いは痛みを開放する方法だった」と語っていて…それがもう😭泣き笑いの境地。


Hannah Gatsby ハンナ・ギャッツビー

そして、オーストラリア出身のハンナ・ギャッツビー。2018年のNetflixコメディシリーズ「Nanette」で一躍有名になったハンナ。「オーストラリアのバイブルベルト(キリスト教篤信地帯)」と呼ばれるタスマニアでレズビアンとして育った彼女のトラウマや、LGBTコミュニティに馴染めなかったことがコメディエンヌとしての自身の精神にどう影響したかを自意識的に深く掘り下げ、同性愛嫌悪、性差別、精神病、暴行など暗いテーマを笑いに変え、アメリカコメディ界の奇才デイブ・シャペルも大絶賛。ティファニーもそうだけれど、挫折やトラウマは立ち上がる武器になるということを彼女たちは体現してくれます。

Ali Wong アリ・ウォン

最後は、私が個人的に最も好きなコメディエンヌ、サンフランシスコ出身のアリ・ウォン!もう大好きすぎる彼女のコメディ・シリーズはぶっちゃけ下ネタ万歳ですが女性として、そしてアジア系としてのジェンダー・人種ネタをシニカルにそして超絶真面目に笑いに変えています。Netflixで公開された最初の2作はどちらも妊娠中の大きなお腹にボディラインが目立つミニのドレスで出産・育児ネタも炸裂。ハーバード・ビジネススクール卒の日系の旦那(ジャスティン・ハクタ)を堕としたネタとかも最高に面白い。私生活では脚本家・女優としても活躍する彼女は(同じ大学を卒業してるとは思えないほど)多才で賢い。自分もスタンドアップコメディアンになりたいと、彼女のシリーズを見て本気で思ったほどです。最近新しいシリーズ「Don Wong」がリリースされました。必見。

ちなみに彼女について書いたnoteはこちら。
https://note.com/mitzistical/n/n23bed981c9b5


困難を笑いに変えることができる人は、本当にすごい。自分もそうありたいと彼女たちをみて真剣に思うのです。

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