なぜ4歳の息子は「可愛い」を好むのか

「もし息子が女の子になりたいと言ったらどうする?」と妻に聞かれたので、

「全力で息子を応援する」

と答えた。そんなもん、完全に息子個人のことであって、親を含めた他人がとやかく言うことではない。

だから本来は「好きにしたまえ」で終わりの話なのだけど、きっと周囲の風当たりは何かときついだろうから、それを中和するくらいにはサポートする。あと親としてではなく1人の人間として、近くにそういう変わったタイプの人間がいるのは面白そう、と素直に思う。

息子は赤やピンクが大好きで、青や緑は好まない。先日も赤い靴を買ってあげたらたいそう喜んでいた。でも女の子っぽいものが好きかというとそうでもなく、興味を持つのは乗り物や恐竜など男の子っぽいものの方が多い。色は単に暖色系が好みなだけ。

それでいて、可愛いものもちゃんと好きで、赤とピンクの傘も「可愛いねえ」と気に入っているし、女の子が持っている可愛い人形にも興味を示す。

要は「男の子は格好いい、女の子は可愛いがいい」みたいな価値観がなくて、格好いいも可愛いも、全部いいと思っている。

保育所では時折、友達たちが「男の子(女の子)なのに」と言うようになってきているようで、息子はそのたび間に入って「別にいいんだよ!」と反論しているそう。ヒーローごっこで男の子と遊びつつ、活発でボーイッシュな女の子も、お姫様大好きな女の子も、みんないいよね!と肯定していく。

何でこうなったかなと考えてみると、答えは単純明快。親である私と妻が、「男の子だからこうしなさい」みたいなことを言わないから。格好いいものに興味を持ったら「格好いいね」と言い、可愛いものを身に着けたら「可愛いね」と言う。性別というカテゴリでもって、息子の感性を否定しない。

別にジェンダー問題がどうとか思ってのことではなく、価値観や感性も「完全に息子個人のことであって、親を含めた他人がとやかく言うことではない」と思うから。

このまま行くとそう遠くない将来、「男なのに赤い傘さしてる!」と言われるなどの性別カテゴライズの苦労が出てくると思うけれど、そういう苦労を回避するために息子の感性を潰すのはもったいない。「可愛いのでもいいよね!」と怒る息子に、「そのとおり」と迷わず答え続ける親でありたい。

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