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猫のシェディング対策

 少し間が空いてしまいましたが、猫のシェディング対策として私がおすすめする方法を、予防と症状が出た場合の対応の二つに分けて記載します。
 猫の新型コロナ症状やシェディング症状がどんなものかは前回の記事に書いていますので、ご参照ください。
 原因不明の猫の不調に悩んでいる方の参考になれば幸いです。


猫のシェディングの予防法

 コロナウイルスもシェディングも、基本的に家の外から持ち込まれます。
 ですから屋外に出ている猫の場合、どこへ行ってどんな人と接触するか分からないため予防は難しいのですが、室内飼いの場合は、人間が気を付けることでかなりシェディングを防げます。

室内飼い猫向け 七つのシェディング予防

  1. 猫をできるだけ屋外(または自宅敷地外)へ出さない

  2. 猫の免疫力を高める

    • 猫用乳酸菌サプリなどを与える(その猫に相性の良いものを選ぶ)

    • ブラッシングやマッサージなどのボディケアをこまめに行う

  3. 人間(飼い主とその家族)は外出着と室内着を分け、猫が普段いる部屋に外出着を持ち込まない。バッグ、帽子等も同様。

  4. 人間は、外出時は髪をまとめ、帽子をかぶって、頭髪にウイルスやシェディングの残留物が付着しないようにする。

  5. 人間は外出から帰宅したら、猫と接触する前にすぐに着替えをし、手洗い、うがい、洗面をする。(私は洗面の際に眼鏡も洗います)

  6. 買い物袋等は猫のいる場所に持ちこまない。購入品は念のため3~7日放置してから使用する。

  7. 外出した日は必ず入浴し、洗髪するように心がける

 これを毎日全て行うのは難しいかもしれませんが、普段から気を配るだけでもかなり違います。
 特にマッサージは血行をよくしますし、日常的に飼い主との触れ合いがある猫は長命になるというデータがあることは有名ですよね。

 昨年、うちの猫は食事も食べられなくなって体重が半分ほどになってしまい、その際にはいろいろと覚悟をしたほどでしたが、こうした対策をするようになってからは症状をぶり返すことがなくなって、かなり元気になっています。

屋外へ出る猫の場合

 シェディング予防のためには室内飼いにすることをお勧めしますが、どうしても外に出たがる猫もいるかと思います。

 屋外に出る猫の場合、猫自身の体にウイルスやシェデイングの原因物質が付いていることが考えられます。
 猫が家に戻ったら、ぬらして絞ったタオルで足裏と全身を拭いてあげると、ある程度の予防になるのではないかと思います。

 また、犬の場合も同じように、散歩から戻ったら体を拭いてあげるようにするといいのではなでしょうか。
 ブラッシング(マッサージ)や犬用乳酸菌なども免疫アップ効果があると思います。

予防的にイベルメクチンを与える

 ここでは寄生虫予防に使うときのイベルメクチンの与え方を参考にして、予防的にイベルメクチンを与える方法をご紹介します。
 猫にも個体差があります。特に子猫に薬を与えるときは十分に注意をしてください。

<投与量>

  • 猫の体重1kgにつき24μg(体重4kgの猫で約0.1mg(0.096mg))を月に1回与える

 よくイベルメクチンはほとんど副作用がないと言わますが、猫や犬の場合、イベルメクチンを大量に飲ませると、下に挙げたような副作用を起こします。
 自宅で飲ませる場合、特に人間用を細かく割って使用しなくてはならない場合は、与える量に注意してください。

 ※人間用の薬量自体が多く、割って与えるとしても計量が難しかったり、薬に使われている添加剤が猫・犬に合わないことも考えられます。猫用、犬用のイベルメクチンを購入しておくことをお勧めします。

<副作用>

 以下の症状が出た場合、すぐにイベルメクチンの投与を中止して、信頼できる動物病院へ連れて行ってください。
 運動失調とは、歩いたり走ったりがうまくできなくなったり、ふらつきがあったりと、体を動かすときのバランスが取れなくなることを言います。

イベルメクチン中毒症
ほとんどの猫は高用量のイベルメクチンにうまく対処しますが、2.5 mg/kg を超えると通常の健康な猫でも臨床症状が見られることがあります。 運動失調、散瞳、嘔吐の臨床症状が見られる一方、5 mg/kg を超える高用量では、震え、失明、発作、呼吸不全、昏睡が見られることがあります。

猫におけるイベルメクチンの毒性 | VETgirl 獣医継続教育ブログ/

副作用
運動失調、行動障害、脱力、元気消失
振戦
散瞳、失明
流涎
下痢
昏睡、死亡
コリー種(MDR1遺伝子変異をもつ個体※)では特に副作用がおきやすい

薬物相互作用
高用量イベルメクチンとスピノサドの併用で重度の副作用が報告されている。

主な注意事項
犬糸状虫成虫が感染している状態で投与すると、ショックを起こすことがある。

3カ月未満の子犬への投与は避ける。
コリー種(MDR1遺伝子変異をもつ個体)では遺伝的に副作用が起きやすいため、注意が必要である。

ペットのお薬ノート イベルメクチン

ボーダーコリーやシェットランドシープドッグ、オーストラリアンシェパードなどは特に注意

猫のシェデイング症状の対策

 もしシェディング症状が出てしまったら、次のことを試してみてください。
 ※病院で他の病気ではないことを確認してもらうことも大切です。

  1. マッサージやブラッシングで血行をよくする

  2. 食べやすく消化しやすい餌を用意する(カリカリは粒を砕く、ウェットフードは乳酸菌入りを選ぶなど)

  3. 食事を摂らない場合、ミキサー等でペースト食を用意してみる

  4. 十分な水を用意する(シェディングを受けると、大量に水を飲むようです。毒素を排泄するため?)

  5. イベルメクチンを飲ませる

    • 猫の体重1kgにつき200~300μg(体重4kgの猫で1mg)を1回与え、1週間ほど様子を見る

    • 症状によって、再度飲ませる(治っていたら不要)

    • 上記のとおり、大量に飲ませると副作用が出るので量と頻度に注意してください

  6. お灸をする(haumeaさんより情報をお寄せいただきました)

 haumeaさんのお話では、飼っておられる猫さんが血栓を排泄した後に、日をあけて二回ほど、腰骨のあたりにお灸をしたところ、元気を取り戻したとのことです。

膀胱炎かもしれませんと言われたが 熱はないので それも どうかと思った。抗生物質が処方され帰宅した。
それから 2日後 15cmぐらいの長さの血栓が 吸収パッドの上にあった。
おしっこをしたときに出てきたらしかった。が その長さに 驚いた。
そして 寒そうにしているので 仕事で使っているお灸を 二日ぐらい してあげた。
すると その後 食欲が増し、具合の悪い時は 足腰もふらついていたのに
走り回って おしっこをしたのを知らせたり 台所のテーブルの上にもジャンプできるようになった。毛艶も良くなり 毛量も増え あの具合の悪かった時が 嘘のように 活発になった。

猫の血尿と血栓

 意外と猫はお灸が好きなようです。
 個人的見解ですが、猫は植物の毒に弱いイメージがあります。様子を見ながら、安全に配慮してやってあげるといいかなと思います。

 高齢猫にマッサージとお灸の施術をしている動物病院の動画と、ペットのお灸について書いているブログがありましたので、こちらもご紹介します。

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