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派閥解散⇒独裁政治!? 民主主義についての至極まっとうな意見


問:自民党の派閥解散は正しい施策だと思いますか?

答:総理大臣独裁への道である




ここしばらく騒がれている自民党の派閥問題について、ずっともやもやしていましたが、明確に回答を示している動画があったので、その内容をご紹介します。

≪動画内容≫

1. 有権者一人の声は1億分の1の声でしかない
  ・声を大きくしなければ主張が通らない

2. 中間組織を作ってそこで議論をし、「集団の共通意見」として上に上げることで声が拡大される

3. 自民党の議員だけでも400人いる(国会議員は700人)
  ・1人の意見は400分の1 誤差の範囲
  ・意見を通したいなら連携して集団で上に行くしかない
   →その集団が派閥である

4. 集団(派閥)がなくなったらどうなるか
  ・強大な権力を持つ総理大臣と、権力のない400分の1(誤差レベルの議員ばかり)になる
   →権力者の意見 vs 誤差レベルの意見 という構図になる

5. 議論が成り立たなくなり、民主制政治ではなくなる
  ・誰も総理大臣に逆らえなくなり、圧倒的独裁力となる


派閥問題の本質と派閥の機能


自民党の派閥内で不正な金銭の扱い=裏金があったことが今回の問題の発端です。
裏金」が問題の本質だったのです。

しかし現在では、なぜか「全ては派閥が存在していることが原因」だから「派閥を解体しよう!」という動きになっているようです。

しかしこの論理、本当に正しいでしょうか?

裏金とは本質的に脱税であり、これは違法行為です。
それを集団(派閥ぐるみ)でやっていた疑惑が持たれたということ。

派閥内で裏金づくりがあったり、「そのお金は帳簿につけなくていいよ(意訳:裏金にできるよ)」という話が回っていたことは事実のようですが、
安倍首相時代には、安倍派の議員に対して、そうした裏金の禁止令が出ていたが、安倍退陣後に復活したという話が、複数筋から出ています。

≪POINT≫

  • 安倍派は裏金禁止令を守っていた期間も派閥として存在し、機能していた

  • 裏金に関わらず、派閥は存在できる

  • よって、派閥が存在していても、裏金を禁止できる

裏金防止策を施すことはできるわけです。


派閥の利点と機能


派閥には上記で紹介した「所属する個別議員の意見を集約し拡大する」という大きな利点があります。
個別議員の意見の後ろには、当然、有権者の意見があります。
派閥をなくすことは、有権者からの意見の吸い上げ・少数意見を議会に届けるという利点を失うことになります。

また、総理の独裁を阻む機能をも有しています。
その理由は上記の4、5のとおりです。
さらに、複数の派閥があることで首相を輩出した派閥への牽制が可能になり、この独裁防止機能が増大します。

この利点と機能を失うことは、民主主義政治にとって大きな痛手であり、独裁政治への扉を開くことでもあります。

≪point≫

  • 派閥(集団)は各議員の意見を吸い上げ、上層部に届ける機能を持つ=総理(権力者) 対 議員集団(数の圧力)の構図をつくる

  • 派閥(集団)なしでは、総理(権力者)  対  個別議員(権力のない個人)の構図になる

  • 派閥(集団)なしの政治は、権力者の意志だけが通る政治となり、独裁となる

総理独裁となれば、LGBT法案可決時のように党議拘束を使わなくとも、総理の独断で重要法案を通し、好き勝手な政治を行うことが可能です。
「聞く(だけの)力」すら要りません。
日本版・習近平の誕生です。

反安倍派がよく言っていた「総理独裁」が実現するわけですね。
しかし、安倍さんはもういません。
では、派閥がなくなって独裁ができる次の総理は誰になるでしょうか?

歴史上には英雄的な独裁者も存在しますが、ごく少数例でしかありません。

脱税への怒りは独裁とバーターになり得るか


「議員の脱税問題」は確かに大きな社会問題です。
しかし、それは果たして国の政治体制の根本と引き換えにするほどの巨大な問題でしょうか?

保守界隈、特に安倍支持者の間では、官僚に対して首相の権力が弱すぎることの懸念がくすぶっていました。

一方で、一般国民による不正収入への強い怒りがあります。
これは長年にわたる不況もに耐え続ける国民側の、年間数千万という議員収入を得ていながら、さらに裏金で私服を肥やしていた「汚い上級国民」に対する激しい怒りです。

それは正当な怒りであり、許してはならないことです。

しかし、その怒りに任せて、民主主義を手放してよいのでしょうか?
民主主義の破壊は、国を根元から変えます。

≪ポイント≫

  • 独裁制になれば、たった一人の権力者の気分一つで、万単位の国民の生死が決定する

  • 英雄的な独裁者も存在するが、歴史上のごく少数例でしかない


菅・小泉の存在


三橋氏は、この派閥解散の背景には菅と小泉がいると言っています。
菅と小泉は連携させるのが嫌い。
つまり独裁や強権が大好きなんですね。

そして、菅・小泉はグローバル企業との親和性が非常に高い(この二人だけではありませんが)。


元総理の強権体質


ここで、なぜ菅政権が超短命で終わったのか、もう一度思い出してみてはいかがでしょうか?
みなさん、菅総理を支持しませんでしたよね?

安倍政治から菅政治になったときのあの激しく裏切られた感、私はまだ忘れていないのですが、国民の多くはもう忘れてしまっているようです。

もう一つ。
菅さんは、官僚には強いと言われていましたが、要するに強権体質なんですよね。
「日本の農業をつぶしてはならない」と進言した官僚の首を切った話は有名です。

これが議員の間でもいま一つ支持されなかった要因ではないかと考えているのですが、いかがでしょうか。

意見を取りまとめる教育は?


それにしても、「集団で意見を取りまとめる」というのは私が子供の時代には当たり前のことだったのですが、現代日本ではそういった教育はされていないのでしょうか?

個別の意見を聞くことや、多様な意見を尊重する、という教育はされているようですが、
意見を尊重するだけで終わっていないか?と危惧しています。

「意見をまとめる」「まとめた意見を伝える」ことの大切さを、学校現場ではちゃんと教えているのでしょうか?

教えていないから、短絡的に「派閥をつぶせ―」で大衆が一致団結するんじゃないかと疑ってしまうわけですが・・・


とはいえ、理性のある人なら、今回の話はちゃんと分かっていただけると信じています。

ついでにこちらもご視聴ください

※とてもわかりやすいWHOとIHRの問題点


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