確証よりももっと、何か

確かなものが欲しい
僕の中でぶれない、塔みたいな何か
抱きついた時に安心する巨木みたいな
何か。

泣いた時に、苦しい時に頼るのはいつだって人で
その原因もやっぱり、人だった
君のせいなんて言えるはずもなくて
夜中声を殺した
夏も、重い羽毛布団だった

大丈夫はいつだって表面を撫でて削るだけのものだ
研磨剤入ってるんだよ、浮き出た模様が消えるのは痛いからだよ

君の知らない白。綺麗なんて残酷ね

大丈夫よりも
もっと確実なものが欲しくて
もっと支えになるものが欲しくて
君のキスなんてどうだっていいのに
どうして今晩も僕は君に抱かれているんだろう

もっとゼラチンいれとけばよかったのかな
きっと私の心は砂団子より汚くて脆いの
呼んだのは君でしょう?

(行かないで、行かないで、行かないで)

膝を抱いたら
君の場所なんて無くなった
そう言って
壊す
ショウドウ
蠢く
何か
ナニカ

確証

君の中に
私の中に
あったはずの
座標
指標
名前
全部

確信に変えて
コンパスは回り続ける


回り続ける。

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