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学歴と仕事の関係3

前回までのお話

2013年、慶應の学歴を鼻にかけ、就活ナメてた私、どうにかこうにか学生食堂や社員食堂の運営会社に内定をいただく。ホッとしたのも束の間、立ち塞がったのは「慶應卒なのになぜ飲食業?」という母の反対意見。それを跳ね除けるべく、大学4年生の後半は飲食のアルバイトをすることに。失敗を重ねつつ、どうにか半年の経験を積み、2014年4月、私はようやく会社員となる…。

いよいよ会社員。OJT開始!

入社式から始まり、1週間ほどの集合研修を経て、新入社員は各営業所(社員食堂や学生食堂、病院や老人ホーム、ホテルなどの現場)に配属される。

当時、私達総合職は2ヶ月ずつ3箇所、仮配属という形でOJTを経験し、10月1日付で本配属されることになっていた。

もちろん会社は総合職だけでは回っていかないので、栄養士、調理師もたくさんいる。

ちなみに栄養士は2ヶ月のOJTを経て、6月1日付で本配属。調理師は4月第1週の集合研修を終えたらすぐに本配属となっていた。

仮配属1箇所目! ☆学生食堂☆

さて、私の最初の仮配属先はというと、千葉県の私立中高一貫校の学生食堂だった。栄養士、調理師の同期も1人ずつ一緒に配属となり、大変心強かった。仕事の内容はというと、お昼の給食の提供をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれない。配膳準備、食事提供、後片付けがメインである。

朝に食材が納品された際の検品、野菜の仕込み(包丁を握る手が危なっかしすぎたせいか、ほぼやらせてもらえなかった)、器に副菜を盛り付ける作業、提供時にお味噌汁やおかず、ご飯を盛って渡す作業、食器の洗浄などをやっていた。食材や食器は重いので、この研修が終わる頃には上半身がムキムキになっていた。久々に会った友人に「体型変わったね」と言われたほどだ。

この仮配属期間で印象的だったことがいくつかある。

一緒に配属された同期2人が、ともに勉強が苦手だと言っていたこと。パート主婦の方が休憩時間に煙草を吸っていたり、パチンコの話をしたりしていたこと。

栄養士の同期は、大学時代、一般の学部(栄養学科ではない学部)の講義を受けた際に、拍手をしたらみんなに単位をあげると言った先生がいて、「私達は管理栄養士の資格試験に向けて必死こいて勉強しているのに、ふざけるなと思った!」と憤慨していた。そんないい加減な方法で単位を出す先生は私も会ったことがなかったから、話を聞いてびっくりした。

仮配属2箇所目! ☆ホテル☆

6月1日からの2箇所目の配属先はホテルだった。体育館やプールなどのスポーツ施設があるホテルで、運動部の合宿や学校行事の宿泊先として利用されているようだ。

仕事内容は多岐に渡った。最初の2週間はレストランのホール、次の2週間はレストランのキッチン、次の1ヶ月はフロントと客室清掃を1日の中で両方やる。

レストランのホールでは、朝食や夕食ビュッフェのセッティング、バッシング(下膳のこと)、売店のレジ打ち、床掃除などをした。ここでわかったのは、ホールとキッチンの仲が超悪いということ。過去に何があったかは知らない。キッチンで働くことに嫌な予感しかなかったが、運命には抗えない。

そしてその予感は当たった。キッチンの副チーフが超怖い。何が怖いって、よくわからないことで怒られるから怖い。ただでさえ私は要領が悪いのに、恐怖で余計に縮こまってしまう。料理人の世界は体育会だと聞いてはいたが、何でもかんでも怒らなくていいと思うし、気分で怒るのは良くない。

やっていたことは、野菜の消毒、サニーレタスをサラダ用に千切る、缶詰のフルーツを缶切りで開けて器に移す、ポテトサラダや卵焼きをビュッフェ用の器に盛り付ける、床掃除、などだったと思う。キッチンでの勤務は実質10日間だったが、果てしなく長く感じ、後半は胃がキリキリと痛んだ。

そしてキッチンでの勤務の集大成は、最終日のまかないづくりだった。初日にチーフから、「研修生の伝統としてやってもらうから」と言われていたのだった。必要な食材は仕入れてくれるとは言え、料理も碌にしたことがない私がまかないづくり!まずは自分に作れそうなメニューを必死に調べ、鳥のくわ焼き(鳥肉を酒、しょうゆ、みりん、砂糖などのタレで焼いたもの)にしたのだった。副菜までは頭が回らず、くわ焼きと同じ味付けのじゃがいもの炒め物になってしまった。家で練習してから本番に臨み、どうにか無事に作ることができた。

後半の1ヶ月は客室清掃とフロント業務である。フロントではパリッとしたジャケットを着て、チェックインやチェックアウトといったお客様の対応をする。客室清掃の時は作業服を着て、客室のシーツを交換したり、布団を畳んで押し入れにしまったり、備品や浴室のシャンプーやボディソープを補充したりする。清掃スタッフはベテランの60代主婦達とアジアの若者達で二極化していた。アジアの若者のほとんどは、日本語があまり話せなかったので、60代主婦の皆さんはコミュニケーションに苦労していた。仕事に対する向き合い方も違っていたので、2つのグループの関係はあまり良好とは言えなそうだった。清掃スタッフのリーダーは、とても頭の回転が早いベテランの女性で、手際の悪い私にも優しく教えてくれた。研修が終わる頃には、「やっぱりあなたは頭脳の人だわ」と言われた。

ホテルでの研修で、他にも印象的だった出来事がある。

研修期間は7月末までだったので、夏休みの子ども向けイベントでの利用者も多かった。子ども映画サークルのようなイベントだったのだろうか。映画監督と思しき男性が、子ども達を怒っている(というより怒鳴っている?)場面を見かけた。子ども達は萎縮しているように見えた。事情はわからないが、ああいう怒り方は良くないと思う。(記憶が薄いのであまり具体的に書けない)

もう1つはレストランのホールで働いていた時、急にフロントに呼ばれた。ドイツから英語で電話がかかって来たので対応してほしいとのこと。なぜ私が呼ばれたのか?それは、TOEICスコアが800点越えだったからだ。しかし、私は英語がしゃべれない。とりあえず出てみると、「母が病気になってしまったので、今日は行けない」というキャンセルの電話だった。ゆっくり話してくれたので、内容はわかったが、今度は返し方がわからない。「かしこまりました」も「申し伝えます」も言えないので、「OK」とか「I understand 」とか言ったのだろうか。あまり覚えがないが、とりあえず聞いたことを伝えて逃げるように去った。

英語関連でもう1つ思い出した。客室清掃をしていた時、海外からのお客様の部屋で、清掃に入ったら、子どもが体調不良で寝ていた。浴室を掃除するということを伝えてほしいと他のスタッフに呼ばれたが、やっぱり何と言ったらいいかわからない。結局日本語と身振り手振りで伝えたような気がする。なんとなく伝わったのか、彼は親指をグッと立てて応えてくれた。今思えば、「We will clean up the bath room,OK?」とかで良かったのかもしれない。

思ったより長くなってしまった。次回は仮配属3箇所目のお話!

本題になかなか入れず申し訳ありませんがまだまだ続きます!




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