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Eric Clapton - Tears In Heaven / ティアーズ・イン・ヘヴン - 1991

この曲はね、親の悲しみを歌った曲です。
子を失った父親の痛み、後悔、涙 喪失感といったもの。
天国に旅立った息子への想いの歌。

子供に対する思いを歌った歌としては、前に紹介したジローズ・杉田二郎さんの「息子」なんかもあるけど…あれは苦労して育てた愛おしい我が子の反抗期で苦しむ親の歌だわ。

杉田二郎「ANAK (息子)」1978

息子を亡くした母の哀しみの歌は、先に紹介した「マミーブルー」がありますけんど。※娘を亡くした…という歌は無くて、何故か息子ばかりだなあ。

でもまあ、ファンにとっては少しだけ複雑。何故って、その息子というのは、かつての親友の妻で長年片想いしていた、パティとの結婚時(「愛しのレイラ」を捧げたレイラたる相手ね)、その彼女を裏切って泣かせた浮気相手との間に生まれた、隠し子たる息子でもあったから…

しかもパティはさ、不妊治療中だったんだよ~ 
そんな時にさ 無神経というより酷すぎる。
糞野郎だぜ、クラプトンはよー

と言いつつ、彼のギターも曲も好きだし、なんだかんだファンで居続けているけどもさ…

Derek & The Dominos「Layla」1970

まったく男ってしょーもないなっっ!! プンプンプン!

なんでまー そこまで恋焦がれて、ようやっとゲット出来た、惚れた女がいるというのに、どーして他所で女作って浮気するっちゅーねん!!

「Bad Love」1990

「Lay down Sally」1977

もうね 一時期のクラプトンはまじダメダメだった。ドラッグと酒に溺れ、まったく酷いものでしたよ。ライブとかも演奏もクソミソなくらいに酷かった。ファンも怒って途中帰る人がいるくらい、酷かった。

「Cocaine」1977

誰だよ ギターの神様って?? っていうくらい、滅茶苦茶錆びまくってた。金返せよ~!!ってヤジ飛ぶくらいに…こいつもうダメだ!…って、思うくらいには。

日本にはマメに来てたんだけどね~ファンはかつてのクラプトンは期待せず、惰性で足を運んでいる人もいたんじゃないかなって。そのくらい毎回来日する度に波があるんで、ハラハラドキドキ(客が入らなくても、いつも武道館。武道館が大好きなクラプトン)

「Pretending」1989

そして息子の死。
誰もがまた、クラプトン、これでまたダメになるんじゃね??と思ったと思う。

しかし、創作にて昇華したというか…皮肉なことに、息子を失うという痛みが、親としての悲しみが、この曲が…彼の音楽家としての完全復活と立ち直りを後押ししたり。

はい、ジョージとのジョイント・ライブ。その前に来たときとは段違いの素晴らしい演奏を聞かせてくれました。

かつてのクラプトンの復活した姿を見た瞬間。

そのくらい、かえって立ち直りを促すほどの深い経験で悲しみだったという意味では、単なる浮気でも、子供に対する愛情は別だったんだなあって…

& Steve Winwood「Forever Man」1985

もう一人、その前の浮気相手との間に娘さんもいますが、自分そっくりな息子って、父親にとっては特別な存在なのかなあ。

「Tears In Heaven」1991

この曲は映画「ラッシュ」のサントラとして創られたもの。

映画予告「Rush」1991

もしも天国で会ったなら…
肉親を失くしたとき、愛する人を失ったとき、誰もが死後の世界での再会を願うもの。もう一度息子に会って抱きしめたい。死んであの世に行ったときに、その手を握って欲しい。

父親としてのそんな願いを綴った歌です。

自分自身が立ち直るために…悲しみを忘れるために、死後の世界へのいちるの希望を託して、クラプトンはこの詞を書き、曲を作り、一心不乱にギターを奏でながら歌うことで、息子に想いを届けるべく、悲しみを昇華しているのでしょう。

「Change the World」1996

映画「フェノミナン」への提供曲。カントリーシンガーのワイノナ・ジャッドの曲のカバーです。

Wynonna Judd オリジナル 1996

映画予告「Phenomenon」1996

「I Shot The Sheriff」1974

ボブ・マーリーのカバー。

Bob Marley & The Wailers オリジナル 1974

「Wonderful Tonight」1977

ポールとリンダ(マッカートニー夫妻)が主催する、バディ・ホリーパーティに妻パティと出席するときに、身支度するパティのために作った歌だったりします。

けどね、パティも言ってますけど、うまくいっている時の歌だし、関係が破綻して離婚してから聞くのは拷問って…
うん…辛いよね。辛かったよね、パティ。

&George Harrison「While My Guitar Gently Weeps」1968

そういう意味で、有名人ていうのは私生活をさらけ出して生きている。創作物すべてが人生で、悪く言えばネタ尽くしなので、生き方や私生活そのものが創作物そのもので…それを切り売りして生きているようなもの。

おかしくならないはずがないのかな…

「Bell Bottom Blues」1973

「After Midnight」1971

Blind Faith「Presence of the Lord」1969

先ごろ、ジェフ・ベックが旅立ってしまい、三大ギタリストもクラプトンとベイ爺だけになってしまいました。
まだまだ若かったエディもお星様になったし…うるるん

あと何回、クラプトンの来日公演に行くことが出来るのだろう。神マイケルもリッチーも、インギーもバイも、サンタナもブライアンも…みんなみんな長生きして欲しいです。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2021/01/14 掲載記事より転載


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