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Cocco - 樹海の糸 - 2000

Coccoは巫女(シャーマン)な歌い手さんの一人だって、つくづく思う。

憑依されて謡を歌う人で、神や自然への祈りとしての唄を捧げる人でもあるし‥‥呪詛としての呪歌、チャントとしての儀式的な歌を歌うことも出来る人。

そして、過去の想いのパーツ。この世やあの世に散らばったたくさんの想い、様々な人々の人生のかけらを拾い集めて、それらを汲み取って、言葉という形にして絞り出すように解き放つ。

「ニライカナイ」2010

まぁ、彼女は確かに、沖縄の風土が産んだユタさんだよね~だけど、歌を歌うことで御神事を行っているんだな。

無垢であると同時に激しく、刹那の慟哭も感じさせる。生きる喜びにあふれた無邪気な子供の頃の思いと、それらと紙一重なところにある。女の情念と危うい狂気を、同時に表現できる稀有な歌い手さんでもあるし、ちゃっかしエロつーか、エロスとタナトスも兼ね備えて表現している。

「強く儚い者たち」1998

やっぱ、Coccoというとこの歌でしょうか。真っ先に思い浮かぶのは…意味深な歌です。様々な感想をみなさん抱くようですが。でも、これが現実という歌でもある。
自分も浮気つーか、旅先の娼婦に一夜の慰めを求めてるくせに、故郷で待つ愛しい恋人が貞節を守っていると思うなよ!って話っっ

その旅先の港にいる娼婦の母性というか~ヘタイラのような存在からの達観した、人間を解り切ったようであるかの視点から語られる歌ではありますが…

彼女もそうやって信じてた恋人に裏切られたとか、信じて待っていた人がついに戻ってこなかったとか…待っていることに疲れて、他の男性に慰めを求めた存在で、自分の体験を自虐的に他人の境遇に重ね合わせてるのかもとか? 

とは言うものの、MVの雰囲気からだと、海の墓場あるいは船の墓場にて、夢半ばで命を落としてしまった、海に散った男たちの魂が集まる場所にて、墓守的な女性(もしくは彼らを惑わし、海に引きずり込んだセイレーンやキルケ、ローレライなど)が彼らに語り掛けているような、そんな感じもしなくはないですねー。

そんな風に、あれこれ想像を掻き立てる歌だったり。

「ポロメリア」2000

とっても気持ちの良い、爽快感のある歌です❤️

カラオケで歌っても、心が解放される感じで清々しい歌なのでした。

「カウント・ダウン」1997

これがデビュー曲でしたっけね。ロックだなあ、いいなあ。ストレス溜まったとき、よく歌ったっけ。

「水鏡」2000

この歌も好きです。

「あなたへの月」1998

心が苦しくて壊れそうで、張り裂けそうに辛くて、古傷が疼いて…心から流れ出た血が止まらなくて、どうにも出来ない絶望や憤怒や悲しみの中にいるとき…地べたを這いずり回るような、惨めな想いがあふれて仕方なくて、泥の中へと沈みそうになって、深く深く…溺れて、脱出できないとき。

聞きたくなるのが、Coccoの曲だなあ。

「雲路の果て」2000

「樹海の糸」2000

どの歌も好きですが、私はやはりこの歌が一番好きです。感情移入をしてしまう曲というのかなー

でもって…
この曲を聞いたとき「森の詩」っていう、バレエ作品を思い出しました~ 

舞台は動画で一部しか見たことないのですが。有吉京子さんのコミック「SWAN」の中で、主人公たちが演じる演目として出てくる既存の作品なんですけども。

中身は「森の詩」の話なんだけど
表紙のイラストはたぶん「石の花」かなん

森の精と人間との恋、バレエ作品にはよくあるテーマというか、そういうお話。ただ、よく似たお話である「ジゼル」ほどには有名でないですよね。

「森の詩」キエフバレエ

どんなお話かっていうと~ 

森の樹木の精であるマフカが、森に材木を切りに来た若者の前に姿を表してしまい、彼女の美しさに恋をした若者に請われて、妻として迎えられるものの…姑は妖精である彼女を嫁として認めず、他の女性を息子にあてがおうとする。
そのことに傷つき、森に戻って仲間たちに癒されるも、彼を忘れられないマフカがこっそり様子を見に行くも、新たに嫁となった未亡人の策略に唆された若者によって、樹木の姿でいる時に切られそうになってしまう。そのことに怒った火の妖精が、森を焼き尽くしてしまうのであった…

マフカの衣装

そんな感じだったかな…

まあ「樹海の糸」の歌詞と、あまり物語の類似性はないんですけどねっっ

でも、蜘蛛の糸っていうのは、よく女性の罠とか独占欲として例えられますよね。だから樹海の糸ってある意味、女性の愛の罠でもあり呪縛(束縛)なのかな。

私の愛の呪縛(糸)から逃れたければ、私を殺せばいい。私さえいなければ自由になれて、夢も叶えられるでしょ??って。そんな意味合いかなー なんて~

「ジュゴンの見える丘」2017

Coccoの、女のドロドロな執着とか、激しさを感じる歌も好きですが、優しい愛にあふれたピュアさを感じる歌も好きです。

「My Dear Pig」1998

昔はネットが嫌いとSNSとかを否定する発言もしていましたが、活動を再開してからは、公式YouTubechでメッセージとか新たな動画もたくさんUPしてくれているので嬉しいです♪

「お望み通り」2022

これからも素敵な歌を聞かせて欲しいなあ。


F2blogに書いてあるものを、訂正・加筆・リンク修正の上、こちらに再度マガジンとしてまとめてUPしています。

「My Favorites〜音楽のある風景」
 2020/11/20 掲載記事より転載


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