介護をしている全ての人へ#58 ~ 死病の感触

 この日の日記にも、病気の進行を感じ取って不安感を増幅させている母の心情が綴られていた。ようかんを買って、甘いもので元気を出してもらおうと、浅はかな企てをしている自分……恥ずかしい。

2019年2月27日(水) 母の日記

 長男は、朝早く出勤、今日も送り出せなかった。
 夫、デイサービスへ 8:40
 今日も膝が痛い、昨日よりも体が重い。
 やはり、病気が一段階進んでしまったのだろうか。怖い。まだやりたいこと、息子たちに伝えたいことが沢山あるような気がする。
 午後、夫のケアマネさんが来た。デイサービスから連絡があったのかもしれない。夫の様子や息子たちの仕事の様子、そして私の状態を見に来てくれたのだと思う。優しい人柄……感謝。

2019年2月27日(水) 私の日記

 ここ2日ほど、母が朝起きてこない。弟がいるときは嬉しそうに起きてきて、弟の職場の話や、お嫁さんの話をしたがるのに、相当体調が悪いのか。
 今日は、メルマガの原稿を2本仕上げて、営業資料を仕上げて、メルマガ会員の獲得進捗を報告するだけだったから残業なしで帰ることができた。東京駅で舟和の芋ようかんを買った。少しは元気を出してくれるかと思ったが、食欲があまりなかった。父はちゃんと食べた。
 足が重たくて、体も怠いというので、葛根湯を淹れて、覚えたての足のリンパマッサージをやってあげた。血の巡りがわるいのか、ドキッとするほ足先が冷たい。
 「手が大きくて気持ちがいいよ、大きく育ててよかった」と言ってくれた。自然に涙がぽろぽろ落ちてきた。
 完解は望み薄だが、病気が進行しないまま、長い共生をしてくれることを願う。
 足が冷たかったので、お風呂を沸かして、ゆっくりつかってもらった。
2匹の猫どもに朝まで足を温めるように命じた。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?