介護をしている全ての人へ#43 ~ ファミリーゲーム

 あんな父でも母はやっぱり4人が良かったらしい。
 何度裏切られても離婚せずに頑張ってきた母の意地すら感じる。

2019年2月12日(火)母の日記

 長男、新幹線で会社へ。新幹線の定期があると東京も通勤圏。座っていけるから楽だと言っていた。
 トイレ介助2回、清拭2回 脂肪様の便が続く。腐ったラードのようで不快。長男が紙パンツを用意してくれた。
 今日は次男も帰ってきてくれる、やはり4人そろうのは楽しい。
 次男は兄と違って高速バスで帰ってくることが多い。東名のインターまで迎えに出るのは少し面倒。高速バスの停留所が分からず、本線に入ってしまいそうにななった。危ない危ない。
 夫はこういう間違いを鬼の頸でも取ったかのように大騒ぎする。大声はいいが、車の中で粗相をされては困るので、黙って反省したふりをした。小さなストレスが私の免疫力を落としていく気がする。
 7時過ぎに長男も会社から帰ってきた。次男、蕎麦が食べたいというのでイオンモールのフードコートにある蕎麦屋さんで夕食。夫をトイレに行かせてから、次男が買ってくれたシャツとズボンを着せて出発。よちよち歩き、と理解力の低下で家を出たのは8時半過ぎ。
 店では、次男の病院の話、長男がつくった本の話などを聞く。二人とも社会に出て活躍している。頼もしい。夫は、会話の輪に入ってきたくない様子。次男が話しかけても横を向くばかり。
 帰りがけに、バレンタインのチョコレートの材料を買った。次男は中学校から女の子に人気があったが、長男がチョコレートをもらってきたのを見たことがない。あと何年作ってあげられるかわからないが、毎年おいしそうに食べてくれるからがうれしい。

2019年2月12日(火) 私の日記

 朝6時半に家を出て、いつもの新幹線に乗って会社へ、品川までの約1時間で睡眠不足を補う日々にリズムが出た来た。ホームには目礼で生存確認をするだけの知り合いができた。
 3連休明けは気が重い。たぶん、この先あんまりいいこともない気がする。まともに家庭も持つこともなさそうだし。両親とは遠くない将来必ず永いお別れをしなければならない。自分だって今は健康を保っているが、きっと病気をする。面倒をみてくれる人もいないから、どこかの路地で倒れて死ぬか、家で孤独死してしまうのかと考えると何もかも投げ出して山にこもりたくなる。
久しく登山をしていない。弟が家にいてくれる時にどこかに登ってみようと思ううだけで何となく元気が出てきた。
 イオンの本屋で昭文社の地図を2つ買う。痛い出費(2,200円)。富士山近辺の山と伊豆の山、地図を眺めているだけで幸せな気分になった。
 母がチョコレートの材料を買った。もてない息子のために忖度チョコ制作。うれしいやら、情けないやら。

 

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