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社会人あるあるの『ギルドの受付嬢~』

 木曜はライトノベル愛を語ります。今回は割と新しめの作品、『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います』を紹介します。
 この作品、長い長~い題名の通りの内容で、主人公のアリナ・クローバーは、ファンタジーな世界の冒険者ギルドで受付嬢をしています。そして、ダンジョン攻略が行き詰まって残業が増えてくると、超絶チート能力でダンジョンのボスモンスターを叩き潰す…そういう物語です。
 この「叩き潰す」は比喩でも何でもなく、文字通り叩き潰します。何せ、小柄なアリナですが、彼女の使う武器は巨大な戦鎚(ウォーハンマー)。それを目にもとまらぬ早さで振り回し、当てられたボスモンスターは瞬時にミジンコッパーとなります。正に「瞬殺」。戦闘そのもののシーンの短さは、ライトノベル界でも断トツじゃないでしょうか。
 この作品の面白さは、まず、何と言っても「社会人あるある」な状況設定でしょう。色々な理由(本作の場合はダンジョン攻略の行き詰まり)により短期間に仕事が集中し、結果、残業しないと片付かない。それどころか、処理する時間より増える時間の方が早いため、どんどん仕事が積み上がり、残業地獄がエンドレス状態になる。いや~、私も似たような経験があったので、主人公アリナにはメッチャ共感してしまいました。
 他にも「社会人あるある」は幾つも描かれているので、きっと共感する方はいっぱいいると思います…が、この作品はそれだけじゃありません。意外と、主人公の内面もしっかり描いています。特に、最後の決戦に向かう前のアリナの葛藤は、それまでの気持ちが分かるだけに、かなり感情移入する方が多いのではないでしょうか(私は感情移入しました)。
 続編も何冊か出ているので、発売されて直ぐ人気作になったのでしょう。私も本屋に行って2巻目以降を買い、続きを読みたい…と思いますが、その前に読まなければならない本が山の様に…。

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