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《現代詩》憂鬱の波を慈しむ

随分我慢してしまった
不器用すぎる我に慣れて

壊れるまで放っておいた
絶望という深淵に
吸い込まれるように意識を失い

ふと気がつくと
多くの野次馬達が
驚いた顔を覗かせる

意外だなあ
そんなに
考え過ぎるなんて

そんな風に
見えていたのか

軽々しい群衆から逃れるように
ただひたすら
走った

やがて
永遠に広がる
海に辿り着き
深く息を吸い込み
おもいっきり
吐き出した

“この世はいつだって
あっという間”

一瞬で消えてゆくなら
いっそのこと

解放してあげるか

時には荒々しい波に身を任せ
泳ぎ疲れる日々

いつか
慈しむ時が
来るのだろう

そして
終わりが

来るのだろう






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