今回はリクエストのあった縄文時代に関して語りたい。
縄文時代も語ると長いので、今回は縄文の重要ポイントであり、日本人の根源に関わる『縄文土器』『土偶』『弥生への移行』の３つのポイントに絞って語りたい。他のポイントは、別の機会に語りたい。
一般的に１万数千年前から紀元前３００～４００年前まで続いたのが縄文時代と言われているが、この縄文時代こそ日本人の根源にあたる時代だと確信している。縄文時代の以前の石器時代においても日本の磨製石器は世界最古であり、既に石器時代から創造性に溢れ、技術力のある人々が住んでいた事が判明しているが、縄文時代は技術力だけでなく、芸術性においても世界トップの作品を残している。
それが縄文土器だ。

縄文土器は、土器としても世界最古なのだが、最古であると同時に、この火炎型土器の芸術性は、正直、当時の世界において尋常ではない異彩を発している。生活の道具であったはずの土器に装飾を施し、しかも抽象的なデザインを施している。普通は、道具として使えれば十分と考えるものなのだが、それでは飽き足らず、模様をつけた。
しかも抽象的な模様。
この装飾は炎に似ているため火焔型と名付けられたが、田中英道氏は『水紋型』ではないかという説を提唱している。有名な上記の画像だけ見ると炎のように見えるのだが、他の画像を見ると、私もむしろ水の流れや波を表しているように思える。ならば、なぜ水紋なのか？