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ドラマ批評(ほぼ悪口)

録画してあった今期の民放ドラマ一話目を、ようやく一通り見終わった。
まぁ最初から見ないものの方が多いのだけれど、それはそれとして、ちょっと思ったところを書く。

まず医療ものが3つ。

「となりのナースエイド」日テレ
「院内警察」フジ
「グレイトギフト」テレ朝

ナースエイド(看護助手)と院内警察(ほぼ謎の職種)と病理医という、大病院では傍流と位置づけられがちな仕事をしている主人公、というのが共通点。
さすがに天才外科医ばかりでは飽きてしまったということか、ならば病院ものをやめてしまえと思うのだが、医療ものと警察もの、あと弁護士もので、大体この国のドラマは回っている。

で今期の3本だが、3本ともその分野の全くの素人の自分が見ても、あまりに現実離れした設定なので、ちょっと呆れてしまった。

例えばナースエイド。
川栄李奈、たぶん医学部かなんかで学んでいた才媛なのである。
それが何かあって看護助手になった、という流れがだいたい1回目でわかってしまう。
いや、看護助手が医者の診断に文句つけて、それが正しかったりするのだから、むしろそうでなければあり得ない。(そうだよな?)

病院のヒエラルキーをひっくり返す暴挙に出た川栄。
なのに俺様天才外科医はそっち意見を受け入れるし、そりゃ、小手伸也じゃなくても頭抱えますよ。

他の2本も似たり寄ったり。
病院の裏方なら裏方で、地に足をつけた設定ならいい話はたくさんあると思うのに、なんだってミステリー仕立てにしてしまうのか?
控えめに言ってだいぶ呆れている。


続いて

「さよならマエストロ」TBS

初めてこのドラマを見たなら面白く見られたかもしれない。
でもこれ「リバーサルオーケストラ」でしょ。
「おひかえあそばせ」と「雑居時代」かというほど似ている。(例えが古る過ぎますな)
このアイディアで書いた脚本家も、通したプロデューサーも、なんでこれでいけると思ったのか単純に不思議である。

以上4本はもう見ないと思う。


「厨房のありす」日テレ

これはだいぶ引っかかっている作品だ。
自閉症スペクトラムの主人公という設定だけれど、セリフの端々に、フランスのドラマ「アストリッドとラファエル」影響が見られる。
多分脚本家も役者も件のドラマを見ていると思う。
なのに自閉症スペクトラムに対する描写は本家(とあえて書く)に比べて随分と軽く、説明的であるように感じる。

ASDはギフテッドである、というような設定も安易ではないか。
ましてや化学式で料理なんてのは、才能を超えてオカルトだろう。
こういう描写が、世のASD理解にプラスになるとは全く思えないのだ。

ついでに言うと、主人公の父親らがゲイである、という設定で、それをさらっと出してくるところで、自分たちはLGBTに理解があるのだぞという、嫌なイキリ感が出ているように思えてならない。
本筋が安易なので、こんなところにも要らぬ疑念が湧くのである。

このドラマについては、わたしの見当違いであることを期待して、もう少し見てみたいと思う。


「ジャンヌの裁き」テレビ東京

日本版「12人の怒れる男」かなぁ。リメイクするなら、名作「12人の優しい日本人」を見ろよと言いたい。
検察審査会に捜査させるなよ。
これも見ない。


なんか見ないものばかりだし、悪口ばかりになってしまった。

一応付け加えておくと、まだ始まっていない「作りたい女と食べたい女」の第2シーズンは多分面白いだろうし、あと今期のと言っていいのかどうか分からんが、大河ドラマ「光る君へ」はかなり面白い、12月に始まった「あきない世傳 金と銀」も良い。

もちろん異論は認める。


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