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進歩がない

庭にある、百人乗っても大丈夫的な物置。
訳あって中を整理して解体することとなった。
中にあるのは、ここ20年分のわたしの作品である。

さすがにも20年たつと、作ったことすら忘れているような作品も多い。
あと、大概は展示しているのだが、こんな出来の悪いものを並べていたのかと、冷や汗をかくようなものとか。
まぁ心臓に悪い。

これを、とっておくもの、バラして材料に還元するもの、
そしてその存在を永遠に抹殺するものに分類する。

そういえば、はるか昔、灰色の浪人時代を経て、無事大学に入学をきめたあと、同じようなことをした覚えがある。

高校入学から浪人までの4年間描きためた、100点以上の油絵をより分けたのである。

その時の基準は、「俺が画伯と呼ばれるようになった時、若き日の作品として晒されても恥ずかしくないもの」であった。

いやぁ、若いっていいね。

結局19歳以前の作品は、2〜3点しか残っていない。
あとは自己陶酔しながら、庭で火にくべたのであった。

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