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ひげ爺の呟き_歯医者の憐む館

今日もいつもの様にルーチンを済ませ
お茶を飲みながら新聞を眺める
本日注目の見出しは
『歯医者』
ふむふむ・・・

吾輩は元気な永遠の90歳
時間と暇を持て余しこの世の役に立つために日々パトロールに励んでいる
近所の人々は徘徊と思っている様だが吾輩はまだボケる歳ではない
最近 吾輩の貴重な3本の歯のうちの一本が虫歯になってしまった
放置していると大変なことになる
今でさえツルツル頭なのに今度は歯が上下に一本ずつになるではないか
神様はなんて酷い仕打ちをするのだ・・・
早速予約を入れ歯医者へ向かう

読書をしながら順番を待つ
すると隣で泣き叫ぶ男の子が
『坊主 男の子が歯医者如きで泣くではない 爺さんが手本を見せてやる』
と背中で語りかける

持参した本は
『浦島太郎』
浦島太郎は子供たちにいじめられていた亀をなけなしのお金を支払い救う
お礼をしたいと亀に連れられ海の中へ・・・
到着したのはもちろん竜宮城と思いきや

『A  歯 科』

うわ〜最悪
手が震えながら治療するじじいの歯医者ではないか
本の世界まで歯医者が入ってくるとは
集中 集中

宴会が始まり豪勢な食事 魚たちの踊りや演奏
琴がポロンポロン 鼓がポンポン
三味線がギーギー 尺八がガーガー 大太鼓がゴリゴリー

うわ〜まただ〜
不協和音が吾輩の耳に鳴り響く
現実に引き戻され
今度は吾輩の手が震えだす

宴会が終わり乙姫がお土産に玉手箱を渡す
この箱は絶対に開けてはならないぞ
吾輩は太郎に呼びかける
するとなんとしたことか音姫が開けるではないか
開けると白い煙が・・・

吾輩は席に座りなぜか手足が縛られている
そこに現れたのは
鬼の形相をし器具を持ったA歯科医のじじいではないか
おまけに上下左右震えるスピードが増している

うわ〜
吾輩は思わず声をあげてしまった
子供はびっくりした顔で吾輩を眺める
すると
『臼井ひげ蔵さ〜ん』
吾輩の名前が呼ばれる
このまま逃亡したい・・・
坊主 今ならお前の気持ちがよくわかるぞ
あと 歯医者に読書は無意味だ

ひげ爺とはげ爺が歌う『SDGSの歌』
ぜひ 聞いてくりぇ〜










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