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市街地スプリントのおはなし

 この記事は裏オリエンティア Advent Calendar2023の 18日目の記事です。
第28回京大京女立命館大会(以後、28回大会)DAY1の競技責任者である毛利くんが同日のオリエンティア Advent Calendar2023にて同題「市街地スプリントのおはなし」で苦悩を書いてくれています。
私の記事は主に「渉外」についてです。大会が大成功して良かった!で終わらせるのではなく、次に繋げていくために今回記事に書こうと決意しました。学生オリエンティアがただでさえ前例の少ない市街地スプリントになぜ挑戦しようとしたのか、そこにはどんな苦労があったのかをお話したいと思います。
こんな堅苦しい文章を書いていますが実際は大会の裏側を紹介します!ぐらいのモチベーションで書いていますので、サラッと読んでもらえると嬉しいです。


自己紹介

オリエンティア Advent Calendar読者のみなさん、初めまして。
ROLA 43期の間正百香(ましょうももか)と申します。出身は埼玉県上尾市でオリエンテーリングは大学に入学してから始めました(卒業後地元クラブに入るなら上尾OLCに入ってみたいなと思っていたり思ってなかったり…)。競技者としての実力や実績は全然なく日々の活動に楽しく参加しつつ競技も頑張る、言わばenjoy勢寄りの人間です。大きな大会だと一眼で撮影していることが多いです。

28回大会ではDAY1の渉外責任者をしていました。DAY2の閉会式に参加していらした方はちょっとしたハプニングが起きた時に実委の目の前にいた人として思い出してくれると嬉しいです。

なぜ市街地スプリント

ズバリ、
市街地スプリントに魅了されたから!
2022年10月から始動していた28回大会の運営ですが、「湖辺の郷 伊庭」にテレインが決まるまでに文字通り二転三転しています。最初は立命館のびわこ・くさつキャンパス(新規)、次は大阪の寝屋川公園(既存)、そして三つ目の候補が信楽にある滋賀県立陶芸の森です。2023年3月26日に信楽で行われた市街地スプリントの午後に京都OLC主催のトレイルO大会が行われた会場でスプリントの大会を開催したいと当時は考えており、下見も兼ねて午前・午後と信楽に出向きました。
普段のトレで部員の作った「等持院門前」や「特殊船岡温泉―国見の丘―」、NaviTabiをやっていたからでしょうか。見事!?信楽で行われた市街地スプリントのW20Aで2位入賞を果たしました👏1回生のスプセレ1位以来賞状を頂ける成績を残していなかったので私の中ではとてつもない快挙です。

その次の日の夜です。

競責へのLINE

伊庭を見つけました。
信楽の市街地スプリントに参加していなかったら、ましてや入賞していなかったら私の中で市街地スプリントの渉外をしようという頭にはなっていませんでした。脳内お花畑の私らしい発想です笑。

具体的な渉外活動

どのような流れで渉外をしていくかの紹介を簡単に説明しつつ、印象に残ったエピソードなんかもお話していきたいと思います。

観光課

伊庭は2015年に日本遺産に登録された「琵琶湖とその水辺景観―祈りと暮らしの水遺産の構成文化財の一つです。
2018年には文化庁の指定する重要文化的景観に選ばれています。
上記のこともあり、スポーツ大会の運営ですが市役所に企画書を持参して説明を行い、自治会長さんへの仲介をお願いしました。

市役所で記念撮影

地元

調査や個別の渉外活動で町を歩いていると自分より年上、特に祖父母世代の方々との交流が多くありました。渉外先で野菜ジュースとその方が執筆した本を貰ったり、また大会当日も誘導員のスタッフが両手いっぱいの飴やマグカップに入ったコーヒー(缶コーヒーでないのが驚き)をいただいたりと大会を開くために町をお借りするだけでなく、交流を通して町の人の温かさに触れることができました。
名実ともに伊庭はいい場所です。

会場

駅からは近いがテレインからは遠い「林中央公園」の青空会場でしたが、テレイン決定同様こちらも二転三転…いや八転ぐらいしています。第一候補はテレインの東端(地図に記載なし)にある能登川西小学校です。電話で大会の会場として体育館を使いたい旨を話したところ、大会当日は運動会が行われるそうで議論の余地なく断念することとなりました。今後伊庭で大会をする際小学校が使えるのであれば雨の心配もなく大会が開催できそうですね。

県と市の道路管理課

道路は所有者によって様々種類がありますが、伊庭町内では下の画像で示すような県道(青)・市道(黄)・里道(赤)・私道(ピンク)の4種類が存在しています。水路を挟んで県道と市道で分かれていたり、里道が私道に急に変化していたりと複雑です。

道の種類紹介

県道と市道の路上にポストを置く(道路を一部占有する)許可を取る必要があるための申請をしました。
テレイン選定が難航したことで地図作成や試走を夏休みにせざるを得なく、カツカツスケジュールでした。お役所の職員の方とメールで協議しつつ、フォレスト渉外責を兼任しているCPにごめんとは思いつつも圧をかけてギリギリ申請間に合いました!
中間管理職ってこんな感じなのかなと何かを悟った気がします…。

警察

渉外活動で一番緊張したのが警察に「イベントを路上で開催しますよ」という申請をするための渉外です。何も悪いことをしていないのに警察ってだけで背筋が伸びちゃいますよね。
他の渉外活動と同様に電話でアポイントを取り、新八日市にある東近江警察署に出向きました。警察の方に案内された場所は……
 「取調室」!?!?!?!?!?!?
無機質な白い部屋に鉄格子のはめられた窓。
心臓バクバク。私何も悪いことしてません!!
お座りくださいと案内されたのは取調官側のちょっと良い椅子でした。
一安心。
と思いきや被疑者側のパイプ椅子に警察の方を座らせているという罪悪感から余計に緊張しました。
人生に二度とない、いや、二度とあって欲しくない経験です。

テレイン命名の儀

テレイン命名権は私にあると聞いたので、色々候補を挙げてみました。

  1. 伊庭水郷

  2. 水郷の里 伊庭

  3. 湖辺の郷 伊庭

1は無難なネーミングですね(無難だから悪いという訳ではないです)。
2は「郷」と「里」でダブルミーニングになるのが懸念点でした。
3は保存会が同様の名前でやっていて、地元にも寄り添った名前になりそう!ということでこれに決まりました。
建前はこんな感じで、実際は酔った勢いで湖辺にこーへん?とか広報できそうとかいうアホな理由が決定を後押ししたというのは記事を読んだ皆さんのみ知っているお話です。

ちなみに、DAY1、DAY2ともに地図の文字は私が書いています(渉外の仕事ではありません)。字を書くのが好きなのと、「石尊山」などの地図も手書きで、味があって好きだなぁということでアルバイト中にこっそり書いていました。完全に満足のいく字ではありませんが、既存のフォントにはない「味」によってみなさんの記憶に残れば…と思っています。

地図作成

渉外資料作成

口頭での説明だとオリエンテーリングをしたことがない人にとっては想像がつきにくいこともあるので資料を沢山作りました。どんな場所にどんなものを置いてどのように使うのか、一番良い表現方法がまだわかりませんがSIACの説明をするときは形状は違えど交通系ICで改札に入るのを想像してもらうと理解してもらえた印象があります。
下の写真は県道のどこにポストを置くか検討するための資料を作るために撮影していたのですが、東近江市発祥のとび太くんやそれに類似するものが町内に沢山あり、それを見るとどうもネタに走りたくなりこんな写真が量産されました。もちろん真面目に撮った枚数の方が多いです!

女の子が持っているようにするのがポイント
こんな写真も

里道

多くの競技者を困惑させたと噂されている細い路地の多くは「里道(りどう)」や「赤線」「赤道(あかみち)」と言われる、道幅約90cm~120cmの法定外公共物の道路です。
道路に下の写真で丸で囲まれているような物があれば、その二点を結んだラインが道幅であり、里道の始点or終点を示しています。住宅が建てられたことにより昔あった里道がなくなっていたり、途中で途切れていたりすることもあります。
二枚目の画像のように隣との境界が遠くからだと分かりづらいが近くで見れば多少道路に違いが見られると思います。現地と地図の情報を照らし合わせることがより一層求められてきますね。ちなみにこの場所は上の地図でいう51番ポストの北東にある里道で、50番ポストから51番ポストの回しでMLとMSWLに出走した人はルートチョイスによっては走ったと思われます。

里道の目印例①
里道の目印例②

私道・私有地

広報文にもあったように大会では私道の通行許可を一部いただいて、よりルートチョイスが生まれるコースになるように尽力しました。
私道及び私有地の効率的な渉外方法は正直わかりません…。私は調査や試走、空いている日を利用して伊庭に行き、自治会の事務所や周辺宅に聞き取りをして所有者を判明させて訪問や電話などで許可を取りました。
このひと手間が大会の満足度を上げるために貢献したのではないかと自負しています。

安全管理

競技者が車や歩行者に気を付けて競技を行うことももちろん大切ですが、それだけでは十分に安全対策ができているとは言えません。地元の方々に大会を完全周知してもらう必要があると考え5つの方法を用いて町内の方に知ってもらいました。

  1. 大会広報用掲示板

  2. 回覧板

  3. 調査や試走中に地元の方とお話

  4. 全戸ポスティング

  5. 町内の防災無線

1の裏話として、Google mapsのストリートビューが8月頃に更新されており、そこにもバッチリ写っていました!事前対策などで見つけていた方はラッキーかも?興味がわいてきた方はぜひ探してみてください。
3に関しては自発的にしたというより、地元の人たちからしたら知らない人が町内をウロウロしているので「何してはるの?」と声かけられた形です。話してみると多くの人が掲示板や回覧板を目にしてくれていたみたいで驚きました。
4は参加者の上限を上げるとなった時に今のままでは事故が起きるということで急遽行いました。自治会長さんが町内の世帯数を知っていると思うので聞いてから印刷枚数を確定させましょう。今回はそこを見誤り、大量の行き場を失ったビラが発生しました笑。
5は結構効果的だと思います。町内放送が聞こえない箇所はほとんどないと思うので、大会前日と当日の朝の2回流してもらえるだけで意識が変わると思います。

今後に向けて

段取り

初めてのことが多く、手続きや話し合いに無駄に時間がかかった点は今後改善できそうだと感じています。
仕事やり残していたり抜けていたりしたことありましたら有識者の皆さん教えていただけると嬉しいです。

広報

市街地スプリントを今後日本でも多く開催するためにはオリエンテーリングを多くの人に知ってもらうことが大切だと私は考えます。そのためにも外部(ティアではない人)向けの広報は今後もっと力を入れていっても良い気がします。28回大会では2種類の広報をしました。
1つ目は市の観光協会のHPへの広報です。市役所にお勤めになっている方の人脈をお借りしたので一学生が一般的にできるようなものではないのかもしれませんが、使えるツテは使おうということで広報させてもらいました。
2つ目はメディアへの情報提供(プレスリリース)です。東近江市ではテレビ局や新聞社19社に情報を一括で提供することのできるシステムがあります。今回は存在を知ったのが大会直前で活用はしたものの残念ながらリアクションがありませんでした。
他の自治体でも恐らくあると思います。地元民の参加を図るとともにオリエンテーリングや市街地スプリントの認知向上にも期待できるのではないでしょうか。

最後に

拙い文章でしたが最後までご覧いただきありがとうございました。
運営経験の浅い私でも市街地スプリントの渉外に挑戦でき、何とかしてではありますが230人超の申し込みをいただける大会を運営できたことを誇りに思っています。
共に励まし合った同期や先輩・後輩、尽力くださったEA、運営のノウハウを教えていただいた方、忙しい中対応いただいた各所機関の担当者様、未知のスポーツに理解いただき温かい言葉をかけてくださった地元の皆様、私の愚痴を文句言わずに聞いてくれた家族や大切な人、大会に参加いただいた方々…
多くの方に感謝の気持ちを表すとともに、ますます競技の輪が広がっていくことを期待して文章をまとめたいと思います。
ありがとうございました。

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