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理想の夫婦は両親です。

「理想の夫婦は誰ですか?」

この問いに対して、僕は迷わず「両親」と答えるだろう。 

2人はお世辞にも、顔の整ったもの同士では無い。 
父は「ハゲ、チビ、ちょいデブ」 の三拍子、きちんと揃っている。  
母も綺麗でないのに、買い物にはすっぴんでいく人間だ。(2人とも、ごめんなさい。)  
そして、似ている芸能人がサンボマスターと呼ばれる私が産まれたってわけ! 
(サンボマスターさん、ごめんなさい。)

私は幼い頃、お互いの恋愛について尋ねたことがある。 
2人がどういうふうにして出会って、どんな所に惹かれたのか。そしてなぜ結婚したのか。

2人はそれぞれ、こう答えた。
母 
父に対して「かっこいい」と思ったことは一度も無いらしい。 
なんせうちの母のタイプは竹之内豊だ。 
父との共通点は、目と鼻と口の数くらい。あと耳。  
結婚した理由は、年齢的な問題。あと、友達の紹介で、断るのも悪かったかららしい。
ちなみに、初めて会った時、もう二度と会うつもりは無かったのだそう。 
(別のところで偶然再開し、そこから交際に発展していったそうだが。)

父 
結婚した理由を問いたら、こう答えた。
「美人は3日で飽きるがブスは3日で慣れる」 
父よ。それは結婚の理由には無っていない。  

ひとつ語ってくれたエピソードがある。
「赤ん坊の乗ったベビーカーがエスカレーターから落ちそうになったのを、母が咄嗟に止めた時、この人だと思った」 
へぇ〜。

幼い頃から見ていて、そして今も周りの夫婦と比べて、両親からはやはり「男女の仲」を感じない。 

自分の親だから、そういう目で見れないというのもある。
けれども、そのフィルターを外してもなお、そういう風には見えないのだ。

現在両親は、家で2人暮らしをしている。
兄と私が家を出て、夫婦2人になった時は、少しだけ心配だった。   
その心配をよそに、2人は旅行に行ったり、卓球セットを買ってきては、家のテーブルでしたりと、案外楽しんででいる様子。 
夜の散歩も日課らしい。



このnoteを書きながら、僕は消えてしまった大御所芸能人の方が言っていた言葉を思い出す。

「好き−エッチ=愛」  
んー。なんとなくわかる気がする。


私はゲイだ。多くは望まない。 
子どもは好きだ。でも、いてもいなくても良い。
というか子ども欲しさを軸に、結婚はしたくない。


けれど、漠然とだか、「人として惹かれた人と人生を共にしたい」という欲はある。
それは、男性だろうと女性だろうと構わない。 


そして、どんな2人になりたいかと聞かれたら。 
「両親のような2人」と迷わず答えるだろう。



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