見出し画像

(日記)日帰り京都。日帰り奈良。鏡。

2023年11月1日。水曜日。快晴。
一度行ってみたかった京都の古本まつり(@知恩寺)に1人で。
京都、学術関係、歴史、古典など。
難しそうなタイトル、知らない著者。
大学の研究室の本棚のように専門的なものが多い。
そういうのが1冊300円くらいで虫干しのように台に広げてある。
みんな背表紙を目を凝らして見ている。
抱えている本も高度な読解力を必要としそう。

活躍したであろう本たち。でも逆に、新鮮。古本供養も行われていた。

私が探す軽い本、実用本はほとんどなかった。
数少ない購入品の一部。

お馴染みの文庫本、3冊500円。
図書館の蔵書だったようだが、、、とみたら母校のものだった。
やはり私のレベルであった。

小学生の時に憧れた、エリザベス女王(2世)。
その訪日の特集号、200円。
密かに新聞の切り抜きなどしていたが、ようやく買えた。

スタンダールの研究が専門の方の本や資料がたくさんあった。
古い本が欲しかっただけなので、恐縮だけれど、3冊200円で。
その方がフランスに旅行された思い出の、ワインのラベルなどのはさんであるファイルをおまけにいただいた。
名前しか知らないスタンダール、これをご縁に読んでみようかな。

会場の門を話しながら出て行く紳士お二人の声。
小林秀雄のような口調で、「それにしてもあれだね、京都と大阪の古本市っていうのは、、、」。
その先が聞きたかった。

歩き回ること2時間半。
暑さと空腹で集中力がなくなった。
近くの進々堂カフェは、古本市の特別時間で閉まっていた。
何かで知ってマップに記しておいたカフェが近くだ。
吉田神社の近くの小高い丘の上とあるが、まさかこんなに本格的に登って行くとは。
鳥の声がひっきりなし。
森林浴をして、道に迷いながら行き着いた。
遠くに山が見え、静かで落ち着いたカフェ。

あんことお餅とバターのホットサンド。アイスクリームw/柿。和紅茶。(@茂庵)

気がついたこと。
陽が斜めから射すこの時期、影が長い。
自分の脚が細く長く見える。
シワも白髪もわからない。
鏡より、こっちの方が断然幸せになる。

影って不思議。

2023年11月2日。晴れ。ほぼ夏状態。
2年連続で奈良の正倉院展へ、主人と。
気が遠くなるような細かい手作業による、宝物や調度品などの数々。
紀元750年頃には既に戸籍や、お寺の造営にまつわる詳細などが美しい文字で書き残されているとは、なんともすごい国だ。
文書の几帳面さと図柄の可愛らしさ、手仕事の緻密さ。
日本人のDNAを感じた。
青地に金銀の絵がついた箱。
貝、赤い琥珀、トルコ石を使った、きらびやかな鏡。
昔の鏡は意味深長だなあ。

可愛い鹿さんの間を縫って食事するところを探していたら、
こじんまりしたかわいいお店に向かって主人が歩いて行く。
主人の勘には従うべし。
フランス発ニューオーリンズ育ちの‘ベニエ‘(Beignet)という軽くてふわふわしたドーナツのようなものが主役のカフェ。
主人は“チーズと胡椒がけ“。
私は、メニューを見た瞬間に“ホワイトチョコと金木犀のシロップ漬け“に決めた。
お店の方も装飾も音楽も、センスがよく気取りがなくて素敵だった。
お腹いっぱいになったので、家の近くまで戻り、「牛めし」を食べて帰った。
京都もいいけど、奈良もいい。

金木犀の花の香りを喜びつつ、ペロリと平らげた。(@Peaks Beignet)


今は亡き我が家の猫、ちくわちゃんに似た佇まいの鹿。
「ちくわちゃん、ここで何やってんの?」「鹿やってんの」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?