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宿る美

先日つぶやきました。【東洋文庫】 行ってまいりました。本屋や図書館はよくお世話になりますが、本そのものはそっちのけで美しいと思ったのは初めて。|美恩 (note.com)  東洋文庫さんでは貴重書を扱われており、世界の5大東洋学研究図書館の一つです。蔵書内容を検索されたい方はこちらをどうぞ。東洋文庫蔵書検索

本当ならレポート作成の際に利用したい場所ですが、ミュージアム空間の美しさは圧巻でした。データ化していない、物理的な知の集積が、こんなに美しいカタチを持って存在している。

書籍が照明を受けて舞台に立っているかのよう

以前に、どちらかで  日本の最も美しい図書館 | 立野井 一恵 |本 | 通販 | Amazon  という本を拝見したことがあります。掲載されている各施設を凝視しながら、旅先でぜひ訪れてみたいと羨望した時がありました。
図書館ではナゼか本のページが進むように、読書、研究、調査、いずれも本を使用する時間には、やはりそれにふさわしい空気があると肌で感じるものです。
が、こちらはそのような空間をさらに抽象度を上げ⇒  最終的に美が宿り ⇒ もはや機能性は問わない、という極限にまでデザインされた場所だといえます。場所といいますか、やはり、空間ですね。

棚上段に向けた脚立も据えてあり、いかにも本に手を伸ばしやすい演出になっています。二階三階まで続く書棚はこちらを見下ろしており、上の階の本も見てみたい、と思わせる角度なのですが、実際はその美しさに酔ってしまって、文字は頭に入らないでしょう。

上階には、どんな本の世界が広がっているのだろう

書籍そのものの装丁も現在とは違い、深みと趣があります。

レタリングも豊富。アール・ヌーボー調の装丁も。
当時の世界各地の知が集積

そういえばかつて、猫好きの不動産担当者とおしゃべりをしていた際に「僕はちょっと変わってるかもしれませんが、猫がいる部屋や空気が大好きなんです。もちろん、猫も大好きですが、触ったり抱っこできなくても全く構わないんです」と仰っていたことがありました。
まさに、本好きが本を手にしなくても満足できる装置のような空間です。

最初からではなく、やがてこうして美がそこに宿った、という年輪を感じるアートです。
にんげんも、そうありたいですね。







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