昔読んだ本の中から・・「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」の中に出てくるエンパシーとシンパシーの話
HSPの方々に向けた活動を続けて、もう12年以上たつのだけれど、「ニュースを見ていても、自分の事のように辛くなってしまう」「周りの人の表情で自分の気持ちが左右されてしまう」というようなエンパスの方にもよく出会います。相手の立場になり切って、その考えや感情を無意識に想像し理解してしまう。。その共感性は「あの人、かわいそう~」とか、「その状況なら辛いよね」とかいうものではなく、自分の感情がそのまま揺さぶられてしまう事にも繋がります。
わたしもHSPでありエンパスなので、その傾向は強いのですが、今はそれを能力として受け入れ、カウンセリングなどでも活かせている気もします。
日本では共感というと、シンパシーとエンパシーが一緒くたにされてしまっているような感じもあります。
HSPの方々が気質の特徴として持つ共感性はエンパシーであることをなんとなく書いてみようと思い、本から引用したいと思います。
エンパシーとシンパシー
英国の公立学校教育ではシティズンシップ・エデュケーション(日本での定訳はなく、政治教育や公民教育と訳され方がバラバラ)の導入が義務付けられているそうで、その中で「エンパシーは何か」という問題が期末試験にでたといいます。
自分で誰かの靴を履いてみること・・英語の定型表現で他人の立場に立ってみるという意味・・そう息子さんは答えたというのですが、『エンパシーについて』のような私が講座でお伝えしているようなことを、中学校で学んでいるって見習うべき事だなって思います。
そういう心の仕組みや心理学などを子どもが(親もですが)学べる機会が、日本では少ないですよね。
この本によれば英国の子どもたちは幼いころから子どもの権利についても繰り返し学ぶそうです。
この本は、英国での中学校生活の最初の一年半を描いたものですが、思うところも多く是非一度は読んで欲しいなと思う本です。
また、エンパシーというワードもHSPの方であればなんとなく耳にすることも多いのではないかなと感じますが。。
HSPであったり、エンパスが強い方が自然とやってしまうこと・・相手の立場で考えがちで、近くで誰かが怒られていても、自分が言われているように心がざわめいてしまう。それがエンパシー
アーロン博士がHSPの方の基本の特徴として挙げている
DOESのEの部分がエモーショナル&エンパシーなのですが、その部分を講座で説明するときにいつも、このエンパシーとシンパシーの話を思い出すこともあり、何度か読み返している本のひとつがこの『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」
HSPの方の基本の4つの特徴D・O・E・S
Depth 深く受け止める
Overstimulation 過剰に刺激を受けやすい
Empathy&Emotional 全体に感情の反応が強く、特に共感力(まるで自分のことのように感じる力)が高い
Subtlety 些細な刺激を察知する(ちょっとした部屋の変化や、表情の変化など)
アーロン博士の定義ではHSPであれば、この4つが当てはまり、揃っていないのであれば敏感なタイプではあってもアーロン博士が定義しているHSPではない・・・
思考が深いゆえに、ひとつひとつ丁寧に受け止め考えてしまうので刺激過多になってしまうんですよね。
最近よく聞く壊れ物のような繊細すぎるハートというよりは
思慮深く、小さなころから大人びていたり、しっかり考えるゆえに正義感も強い。だからこそ長いものには巻かれろ的な考えが苦手で世渡り下手になりがちな事で苦労してしまう。そんな悩みが多いように感じています。
また基本、相手を煩わせるようなことを嫌うので(困った表情など読み取ってしまうので)、できることは自分でやらなきゃと甘え下手だったりもします。それが子どもらしくないという印象を与えてしまって、可愛げのない子どもと思われてしまった・・というような思い出を持つ方も多いように感じます。
能力なんだと気づくことで、私たちが『なぜ、私は人の表情に影響されてしまうのだろう』と弱みとして捉えていたことの意味合いが変わってきます。
正しく自分を知ることは簡単なようで案外難しいですよね。
私たちはマイノリティー側なので、違う価値観の中で、違う感性の人たちが作り上げた規則の中で生きているので自分の感覚が間違っていると感じやすいようです。少数派なので、理解されずに、何かと否定されることが多くなりがちですよね。神経質なわけではなく、ただいろんなことに気づいてしまうという特性を「気にしすぎ」と言われてしまったり、一生懸命になりがちなだけなのに「そんなに真面目にやらなくても」「いい子ぶって」などと言われることが多かったのではないでしょうか?
講座にいらっしゃる方も、最初は自分の性質を否定的なものと捉えてしまっている方が多いのですが、自分と向き合い、特性を知り、受け入れていくことで徐々に気持ちが軽くなってくようです。
その気持ちの変化がとてもわかりやすく書かれていたので
先日のマンツーマン講座の修了生の方の感想をシェアしたいと思います。
多くの人が、本当の意味での多様性を受け止めていく・・そんな時代になっていくといいなと思います。
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