見出し画像

中学校特別支援学級、卒業したら特別支援学校に行くの?

いよいよ、高校受験シーズンが本格的に始まりましたね。

1月は私立や公立の推薦入試、2月や3月は一般入試という地域がほとんどだと思います。
中学3年生の担任の先生方の進路指導も大詰めを迎えてる、というところでしょうか?日々お疲れ様です…。

さて、私が担任している生徒たちも、当然進路に向けて舵を切っているところです。

みなさんは、特別支援学級卒業後の進路についてどのようなイメージを持っていますか?

なんとなく、特別支援学校に行って、その後は就職…?といったところでしょうか。

しかし、現在進行形で、特別支援学級卒業後の進路は多様化しています。
今回は、具体的にどんな進路があるのかをざっくりと紹介したいと思います。


●主な進学先

特別支援学級を卒業する生徒たちは、おおよそ下に書いてあるような学校に進学しています。

  • 特別支援学校高等部(普通科)

  • 特別支援学校高等部
    (就業技術科とか職能開発科とか専門科とか)

  • 公立高校
    (チャレンジスクールやエンカレッジスクールなど、学力試験ではなく面接等を重視しているところ)

  • 公立高校(定時制)

  • 高等専修学校(職業指導に特化した学校)

  • 通信制高校

  • サポート校
    (通信制高校に在籍しながら課題提出などの支援を受けられる学校。通学するスタイルがほとんど)

一昔前は、みんな特別支援学校に行くのが暗黙の了解だったようですが、時代は変わって、たくさんの学校から子どもたちに合っているところを選べるようになりました。

その中で、生徒や保護者の方は、自分の可能性を伸ばしつつ、充分な支援・サポートも受けられるかを重視して学校を選んでいます。

●支援学校?それ以外の学校?

特別支援学級に在籍している生徒の保護者は、進路について考えるとき「支援学校か、それ以外の学校か」の二択に迫られます。

というのも、特別支援学校の高等部は、いわゆる「高等学校」と定められていないので、卒業しても高卒資格を得られることはできません。
極端な話、理論上の肩書きは「中卒」になってしまうのです。

一方で、特別支援学級には「内申書」がありません。そのため、高校入試にチャレンジしようと思うと、内申書はほぼ白紙、ぶっつけ本番勝負で試験に臨まなければならなくなるのです。

支援学校とそれ以外の学校、両方メリットがある分デメリットもあるため、とても大きな悩みどころとなっています。

さて、ここからはそれぞれの学校のメリットについても紹介していきますね。

●特別支援学校のメリット

特別支援学校には、2種類あります。

1つ目は、「普通科」と呼ばれるもの。

試験はなく、高等部独自の就学相談を経て入学します。様々な障害種の学校があり、多くの人にとって身近な学校かと思います。

もう1つは、専門科のある学校。
東京都の場合だと、「就業技術科」や「職能開発科」と呼ばれるものです。

こちらは学力検査や作文などの試験に合格しないと入学できません。

これらの特別支援学校の最大のメリットは、手に職をつけられること。

授業の大半は実習で、校内にカフェが併設されていたり、本格的な清掃技術を学べたり、高度なエクセル等の事務処理のスキルを身に付けられたりします。

普通科と専門科の違いはシンプル。
普通科が地域の事業所への就労に特化しているのに対し、専門科は企業や特例子会社(障害のある人を積極的に採用するために作られた大企業の子会社)への就労に特化しています。

●それ以外の学校のメリット

公立高校、私立高校、通信制高校やサポート校、高等専修学校など、本当に様々な種類がありますが、これらの学校はすべて高卒資格を得られます。

なにより一番のメリットは、それぞれの生徒の得意なことや特性に合わせて学校を選べること。

例えば、絵を描くことが好きで将来仕事に繋げたいと考えている生徒が特別支援学校に進学しても、美術の専門的な勉強はできません。

しかし、単位制の高校やサポート校や高等専修学校などに進学すると、美術の専門的な授業を受けられる場合もあるのです。

また、特性上生活リズムを整えることが難しい生徒も、定時制高校やサポート校などを活用すれば、自分の生活リズムに合わせた通学スタイルを作ることもできます。

公立高校に関しては、東京都だと「チャレンジスクール」や「エンカレッジスクール」など、学力検査を必要としない学校を設置したりしているので、特別支援学級に在籍している生徒でも高等学校へ進学しやすくなりつつあります。

●実際に足を運んでみたり調べてみたり

このように、特別支援学級卒業後の進路は、多岐に渡りすぎていて正直私もカバーしきれていません。(泣)

高校や支援学校側もそれを見透かしているのか、3年生向けの説明会だけでなく、1,2年生向けの説明会や体験授業も積極的に開催しています。

また、某Googleで「東京都 サポート校」「東京都 チャレンジスクール」など検索すると、様々な種類の高校について調べることや学校の公式ホームページにアクセスすることもできます。

そのため、かなり早い段階から情報収集することを強くおすすめします。保護者も教員も!!

大事なことなのでもう一度言います。

保護者も教員も!特に教員!!
かなり早い段階から情報収集するようにしてください。

あまり進路の知識がなくて指導に詰んでしまった私からは、以上です。

あまりにざっくりとしすぎていますが、もしも支援級卒業後の進路に迷っている方の参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?