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志望校選びを学ぶ

 志望校に迷う方、本当に望む進路を選べなかった方へ捧げます。

 志望校選びで一番困ったのは、「好きなことを学問に落とし込む方法」でした。
 そんな状態で大学に入学したからこそ、思うことがあるわけです。
 何でもできるもんだな、と。

「好きなことを考えてみよう」これで説明が終わるなど、片手落ちです。釣りの仕方を教えるのに、「魚はどこにいるかな?」と問うようなものです。

 推理小説が好き。
 日本史の資料集が好き。
 数学の計算問題が好き。
 地学標本を愛でるのが好き。

 で、どうすりゃいいのか?

 まさか「BLが好きです特にスーツがいいですよね袖口と白い手袋の間にみえる肌色に世界のすべてが詰まっていると思いますもちろんネクタイ緩める瞬間も好きですが私としてはやはり壮年男性がry」「幕末が好きなんですやはり新選組は外せませんよね隊の風紀を一心に担いつつ遊び心も見られるさわやかニシパ土方歳三尊みのかまたり」とか言うわけにもいかないし。
 なら、ざっくり趣味っぽい学部学科を選べばいいんですけど、大事なのはどういう切り口が好きかってことなんですね。教科じゃなくて。

 なんとなく日本の戦国時代が好きで日本中世史専門の教授の研究室に入ったら最後、日本史どころか漢文みたいな古文書を読む羽目になる可能性もあります。戦国時代の政治情勢が気になるなら、むしろ法学部の政治系学科や社会学で、武家同士の婚姻や主従関係を掘り下げられるかもしれない。

 シャーロック・ホームズが好きでも、当時の文化が好きなのか、ブロマンスについて深掘りしたいのか、自分も推理できるようになりたいのか、それとも各メディアにおけるホームズ像を比較検討したいのかで、志望すべき学部が変わり得ます。案外「英文学科」より「メディア表現学科」のほうが近いかもしれないわけです。

 ヒップホップやクラシック一つとっても、音楽史の発展における立ち位置、日本文化への波及、リズムを数学的に分析したり、音波を植物に聴かせる実証実験したりもできるかもしれない。こうなるともう、入学における理系分野です。倫理選択じゃ太刀打ちできなさそう。

 ただ人にいきなり「好きなものは何?」とか聞いてもピンとこないとも思います。
 入学したけど思ったのと違った…それなら、別の大学の講義を受講するのもありです。単位互換制度も整ってきてます。むしろ入学してから、好きなことを学べる学科にこじつけてもいいわけだ。どう学を深めていくか…それが大事なんだ、それが学問なのだ…!

 そうした面白さこそ、高校で教えて欲しかったなぁと思うこの頃です。


 ちなみに例外として、つきたい職業がはっきりしている場合。これは簡単。
 教員や医師、保育士のように資格を取得しての就職を目指すなら、希望する教科の教員免許が取れる大学を選ぶ。専門の教育機関があるなら、そこへ進学・入学する。以上!
 ただ、生活基盤のある県のほうが教員試験も受けやすいでしょうし、資格試験や卒業論文等と就活を平行するなら移動時間は短縮できたほうがいいです。感染症による行動規制がいつまで続くか分からず、就活・大学生活・帰省の移動がスムーズにできる保証もないわけで。
 となると、大学の立地や卒業後のコネクションは少し気にしてもいいかもしれません。
 日帰り距離とか、使い慣れた大学で試験を受けられるなら、越したことはないですから。

 ともかく、目標に向けて頑張る全ての人に、心からエールを!