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《ハイドンの威風堂々》交響曲第54番

ハイドン 交響曲 第54番 ト長調 Hob.I:54(第2稿) 1776年頃

ジャジャーンと疾風怒濤から威風堂々へ。

激しい短調だったりヘンテコな曲(特に46•47番)があった疾風怒濤期に比べると確かに聴きやすいし、これはドッシリとしている。というかだいぶ重い。疾風怒濤期とこれ以降のどちらを面白いかと言うには感性によるね。どちらもという回答も勿論ありだけど♪

この圧倒から始まる第1楽章!ハイドンらしくない?偉そうな序奏、この勿体ぶるような感覚。ドキドキが止まらない。重厚感あふれる序奏が終わると勢いよく、これまた重厚感あふれるリズムがドンドコドンドコ進んでいくわけね。気分爽快♪アゲアゲだ♪こんなハイドン先生はじめてですわ。手拍子つけたくなるほどのリズム♪こりゃ盛り上がる😆そしてこの都会的な音の進み方!クラシックによくある牧歌的や宗教的なものとは程遠く、なんだか都会の喧騒にも感じる。《ハイドンのメトロポリス》とでも言うべき?もしや高層建築が建ち並ぶ未来のアイゼンシュタット?

長大な緩徐楽章はロマン派を予感させる。少々長すぎるが…(約17分)。ちょっと都会の喧騒から離れて静かな水辺にて。せせらぎの気持ちよさをゆっくりと身体に取り入れるように、静かに、内面的に、水面を見つめて。

メヌエットも何か重い、やっぱり大都会の喧騒だ。人々が行き交う、馬車も行き交う(車にしたいけどまだ18世紀)。トリオは整然とした大通りが静かになる瞬間のようだ。一瞬を描いたような美しさだ。それもそう一瞬で終わり、また人に馬車が慌ただしく行き交う。

フィナーレも《ハイドンのメトロポリス》または《ハイドンの威風堂々》だ😁ジャンジャンドンドコ、賑やかだ♪重厚なハイドンもいいね👍試行錯誤実験の疾風怒濤期からオペラ調への移り変わり期、劇場のハイドン、だいぶイメージされる後世の「交響曲」に近づいている。


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