余半 芸亭

芸術鑑賞の記録です。ハイドンとモーツァルトの交響曲を愉しむ、探究する。不定期更新

余半 芸亭

芸術鑑賞の記録です。ハイドンとモーツァルトの交響曲を愉しむ、探究する。不定期更新

最近の記事

ヒロガル、ハバタク。そしてミライへ《Symphony No.29》

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 交響曲 第29番 イ長調 KV201 ・ ・・ ・・・ 説明不要!この運命的なイ長調のシンフォニーの出会い、必然である。ここから新たに次の音楽へ向けて飛び立つ。疑いようのない様式の変化 過去との決別か?未来への決心か? このシンフォニー、躍動感が収まらない モーツァルトがこれから作る音楽の粒子が舞っている ・ ・・ ・・・ ・・・・ ・・・ ・・ ・ いきなり後期6大とはいかないけれど 光り輝く音符が道しるべ ミライへとミライへと続く

    • このAllegro、虜になる。《Symphony No.73 1st mov》

      ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第73番 ニ長調《狩》 細かいことは説明不要の名曲、ニ長調の第73番 穏やかな序奏、一定のテンポで安定感のある安心安全のAdagioパート まずはゆっくり、ゆっくりと 劇場の始まりは静かに でもワクワクも隠さない ほら、ドキドキが高まる 形が見えてくる 幕が上がり始める、オーケストラが現れる 世界が始まる ・・・・・・・ 244年の時を経ようとも Allegroの世界へと切り替わる瞬間に古さは全く感じられなない 未来へ飛び立つ時 ハイドンの交響曲

      • 曇りのちアレグロ・モルト《Symphony No.25》

        ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第25番 ハ長調 どんよりどんより☁️☁️☁️ 今日は天気がはっきりしない う〜ん、気持ちもすっきりしない もやがかかって周りが良く見えない そんな日もハイドンの交響曲にはある たまにはそんな日もあっても良いかと考えたり 曇り空に散歩、行くあてもなく 物思いにふけながら 哲学でも考えながら ゆっくり ゆっくりと そのうち晴れたら良いな考えながら 足を進める 〜〜〜 〜〜 〜 ・ ・・ ・・・ ・・・・ ・・・・・ そうしていると 日だ! おや、日

        • 天と地の境界《Symphony No.41 2nd mov》

          ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 後期三大交響曲集 交響曲 第41番 ハ長調 KV551 第2楽章 やっぱりモーツァルトは交響曲はこれで最後と決めていたのだろうか? そうあまりにも出来すぎている 音楽評論家も注文の隙がなくてさぞつまらないと思っているのだろうか この神秘的なAndante cantabileも最後の交響曲の最後の緩徐楽章と決めていたのだろうか そしてこだわりなのかモーツァルトの交響曲の緩徐楽章にアダージョは無かった気がする 全部?ほとんどがアンダン

        ヒロガル、ハバタク。そしてミライへ《Symphony No.29》

          天才へ捧ぐアダージョ《Symphony No.98 2nd mov》

          ヨーゼフ・ハイドン ロンドン交響曲集より 交響曲 第98番 変ロ長調 第2楽章 これも名曲に埋もれている名曲だろう 98番?愛称はないよ 最後のチャーミングなチェンバロパートももちろん最高だけども今回は緩徐楽章に着目してみる これを聴いてモーツァルトの交響曲 第41番 第2楽章と似ていると思ったあなた!勘が鋭い! いくつかの史料から読み解いていくとハイドンが亡きモーツァルトを思ってこれを作曲したという解釈が出てくる その解釈で今回は納得していいと思う 確かにこの歌うよう

          天才へ捧ぐアダージョ《Symphony No.98 2nd mov》

          天上の序曲《Symphony No.41 4th mov》

          ヴォルグガング・アマデウス・モーツァルト 後期三大交響曲集 交響曲 第41番 ハ長調 KV551 第4楽章 三大交響曲のクライマックス! この道はどこへ向かっている? この音はどこへ駆け上がっていく? ついに神の領域にさしかかり   神々はその神々しい音色を自分達へと引き寄せる 人間の音楽と神々の音楽が一致した瞬間である 天上からの喝采が地上の宴に響き渡る また地上からの大演奏が神々の地を揺らし人間の作り出す芸術に満たされている このシンフォニーは人間の娯楽にとどまらず

          天上の序曲《Symphony No.41 4th mov》

          アトラクション87《Symphony No.87 1st mov》

          https://youtu.be/agK9kgtqwNg?feature=shared ヨーゼフ・ハイドン パリ交響曲集 交響曲第87番 イ長調 ようこそパリへ。さあ存分に満喫してください。 ノリノリでアツい、ジョヴァンニ・アントニーニ指揮の演奏をお楽しみくださいませ♪ 立ち止まるな!疾走せよ!駆け上がれ!休んでいる暇はこのシンフォニーにはない! もう身体はオーケストラと一体化しているVivaceを超えた「超Vivace」体験である 何回リピートしても楽しめる グルグル

          アトラクション87《Symphony No.87 1st mov》

          星穹交響曲!?《Symphony No.99 1st mov》

          ヨーゼフ・ハイドン ロンドン交響曲集 交響曲 第99番 変ホ長調 大人気のスマホゲームとハイドンの交響曲のコラボ!? 231年の時を経て結び付く二つの大宇宙! 崩壊スターレイルのダイナミックさと99番のそれが上手い具合に一致していたのでかなり無理やりのこじつけであるがこの題名になった もちろん筆者もほぼ初期(ver1.1)からのプレイヤーである 1st mov. Adagio - Vivace assai 《序章:宇宙ステーション》 この序奏に既に色々な出来事が詰まって

          星穹交響曲!?《Symphony No.99 1st mov》

          ロンドン《Symphony No.104》

          ヨーゼフ・ハイドン ロンドン交響曲集 交響曲 第104番 ニ長調《ロンドン》 この曲に注文なんかつけられないよ ハイドン卿、最後のシンフォニー 全ての楽章が圧巻、至高、104にしてハイドンのシンフォニーは完結する ♪〜♪ 1st mov.Adagio - Allegro 威圧感のあるティンパニで始まり 重厚な序奏が続く 世界がゆっくりと姿を見せてくる 最後の序曲(交響曲)が始まる いざ開演 始まりの鐘がロンドン中に響き渡る ハイドン卿のコンサートが始まる ロンドン市民の耳

          ロンドン《Symphony No.104》

          小春日和のシンフォニー《Symphony No.77》

          ハイドン 交響曲 第77番 変ロ長調 第76、77、78番は最も影の薄い交響曲の一連作品だろう でもそのなかでも第77番は傑作だと、かのハイドン研究家ロビンス・ランドン氏が言っている せっかくの機会だ では聴いてみよう ♪~♪ 1st mov.Vivace ロココ調な小ぶりなシンフォニー パパハイドンの優しさいっぱい♪ 美しい旋律、優しい旋律どこをとっても眠りへと誘うメロディ 心地よくて何度もうとうと 庭園での心地良い日差しの中 微笑みのパパハイドン 2nd mov.A

          小春日和のシンフォニー《Symphony No.77》

          軍隊《Symphony No.100》

          ハイドン 交響曲 第100番 ト長調 《軍隊》 キリの良い100番⭐️ この曲の聴きどころは言うまでもなく第2楽章でしょう☺️ なんといっても打楽器のドンチャン騒ぎ このトルコ風が当時の最先端エンターテイメント 流行りに乗って流行らせるのもハイドン この壮麗なエンターテイメントとくとご覧あれ🎵 ロンドンセットをじっくり味わっていくこれまさに最高の時間、贅沢な時間。聴いている間は何もする必要はない。このロンドン交響曲集を聴きことが今なすべきことなのだから 93〜104番、協

          軍隊《Symphony No.100》

          創造《Symphony No.1》

           記念すべき「第1番」。でもこれが第1番だという確証は無いのよね。聴いてみるとよく分かる、何故かって?第1番にしては完成されすぎている!既に見事な格調。すっかり古典派の味!習作って感じは全くない。プレストな第1楽章は壮大な物語の始まりを予感させる。本当は第37番の方が「第1番」に近いらしいけど、今回はこれが「第1番」ということを前提に聴いていこう♪  勢いで攻めてくるね、若きハイドンの作曲技法が分かる。(当時26歳くらい?)そんなに一気に追い上げなくても、ついて行くのが精いっ

          創造《Symphony No.1》

          「真夜中のAdagio」《Symphony No.45 2nd mov》

          ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第45番 嬰へ短調 第2楽章 Adagio楽章は07:22あかりから 侯爵の演奏会は続く、、、いつまでも、、 深夜まで、、 蝋燭が薄暗くなるまで  あたりは真っ暗 オーケストラも廃テンション 周りが暗くてよく見えないのに よく演奏できたものだ とは言え【疾風怒濤期】特有のカッコよさもしっかり入っている 簡単にウトウトさせる曲ではない なんだか幽霊でもでできそうなメロディもちょくちょく現れる 何か火の玉でも浮かびそうな鬱蒼としたメロディ まだ眠

          「真夜中のAdagio」《Symphony No.45 2nd mov》

          「悲しみ」の葬送曲《Symphony No.44 3rd mov》

          ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第44番 ホ短調 《悲しみ》 ハイドンの交響曲の中では割と知られている曲 疾風怒濤期でもお馴染みの音楽 今回は葬送の第3楽章に着目してみる アダージョ楽章は14:42あたりから なんで葬送かというとハイドンの葬式でこのアダージョ楽章が演奏されたという言い伝えから なるほど ハイドン自身この曲はお気に入りだったと言われているから納得できる こんな素晴らしい葬式用の曲があるなんて是非とも自分の葬式でも流してもらいたいね🎵 なんだか自分の葬式が待ち

          「悲しみ」の葬送曲《Symphony No.44 3rd mov》

          「ハイドンのティータイム」《Symphony No.57 3rd mov》

          ヨーゼフ・ハイドン 交響曲 第57番 ニ長調 タイトルの第3楽章は20:02あたりから こんなに優雅な音楽を聴き逃していたとは、もったいない! 「ハイドンのティータイム」とも言うべきか 第57番…ハイドン先生にくいねぇ😏 こんなに心地よいいいメヌエット忍ばせるなんて さ!さ!紅茶の用意をせねばなるい 客人がメヌエットに魅了されて押し寄せてくる ハイドン先生!もてなしようの紅茶が足りません! うぅむそれならこの優雅なメヌエットを紅茶そのものとして味わうしかありませんなあ

          「ハイドンのティータイム」《Symphony No.57 3rd mov》

          「移ろう宝石」《Piano concerto No.17》

          モーツァルト ピアノ協奏曲 第17番 ト長調 KV453 立体的な音色の輝きが四方八方から眼に植え付けられる 耳はとうにモーツァルトの奏でる音に支配されてしまっている そう、耳ではなく眼に音楽が問いかけてくるのである 眼を通して移ろう音の宝石の輝きが脳裏に焼き付けられるのである これほどまでの芸術的体験はかつてあっただろうか 幾多にも音符が光り輝き、自由に空を舞い、一瞬のうちに光が散っていく様子など考えられるだろうか だが信じ難いことに、この現象は今、目の前で感じ取るこ

          「移ろう宝石」《Piano concerto No.17》