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ほのぼの生きる  175_20230715

「そもそも」を考える

昨日、久しぶりに前職場から問合せが入った。
少し気持ちが高揚したため、記録する。

「うぉんのすけさん、お忙しいところすみません。Aさんが仕事のことで聞きたいことがあるそうなので、Aさんに電話してもらえませんか」

この時点で、私は仕事モードに入る。
Aさんについて疑問をもったからだ。

Aさんにすぐに電話を入れた。
「うぉんのすけさん、申し訳ありません。案件Yの図面を確認したいのですが、どこにあるかご存じですか。」

やっぱり・・・
私のAさんに対する評価はとても厳しい。
Aさんは「仕事ができない人」だ。

私は仕事で人と会話をするとき、質問の本質を考えてから回答するようにしている。
もちろんその質問が的を射たものであれば、即答する。
しかし、たまに的外れな質問が来ることがある。
そういう時、私は即答しないため、相手はとても嫌がるが、私自身がその質問の意図と内容を理解するまで逆質問を繰り返す。
その方がこちらの正答を伝えるために早い場合もあるからだ。
これがコミュニケーションだと思っている。

私はすかさず確認した。
「どうして案件Yの図面が必要ですか」
Aさんは上手く説明ができない。
誰かに頼まれたのか。
案件YはAさんの担当外なのだ。

私は次のようにお願いした。
「まずは、Bさんのところに行って、案件Yの図面がほしい旨、説明をし、Bさんと一緒に私のところに電話をかけてきてください。」

AとかBとかYとか分かりにくいので、以下、図説をする。
分かってもらえるだろうか。

Aさんは案件Yのことについて尋ねてきた。

私はAさんからの電話ですぐに、Aさんが欲しいのは案件Xの図面だと直感した。
Aさんが気の毒なのは、前任者が退職しており、案件X~Zの関係性がうまく理解できていないところにある。
実はBさんも多分分からない。なぜなら、案件X~Zに関わった人間は、Aさんの前任者と私だからだ。

Bさんは高学歴で頭の回転が速く、私より仕事ができる。
よって、今後の仕事を効率よく行うために、Bさんに全体像(案件Z)について説明するのが良いと私は判断した。

30分後にBさんから同様の質問が来た。
私はすかさず「Aさんはどうして案件Yの図面がほしいと言っているのか」と聞いた。さぁ・・・

というわけで、そもそもなぜAさんがこのような質問をしてきたのかを私なりに推察し、Aさんが必要なのは、自分の担当である案件Xの図面であるだろうことを説明し、ことなきを得た。
Bさんが全体を把握してくれたので、AさんもこれからはBさんに相談しやすいだろう。

自分が抱えている問題について解決する際、「質問すべき内容と質問すべき相手」を間違うと思わぬ方向に行き、解決までの道のりが遠のいてしまうことがある。

Aさんは、今回自分が解決すべき案件について、私に電話してくるまでにどれだけの時間を割いたことだろうか。
おそらくAさんの性格から考えて3日、いや1週間以上だったかもしれない。
そして、いつまで経っても解決しないため、元気がなくなり、「元気がないですね」とたまたま心配の声をかけたC係のCさんに「案件Yのことでわからなくて」とこぼしたところ、Cさんが気を利かせて私にメールをしてきたのではないかと思われる。

ちょっと前の私だったらAさんに対して「自分が分からない点を整理すること」「質問する相手を間違わないこと」など基本的なことから教育するのだが、もう部外者となった今は、
「どうして私がBさんのところに行って一緒に電話をかけてこい」と言ったのか、をAさんに自分で考えさせるぐらいのことしかできない。

教えることができなくなった寂しさと、電話がかかってきたらすぐに回答ができるほどの記憶力はまだ低下していない嬉しさとが合い混じり、興奮したというお話でした。

おわり

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