2001年。 東京に暮らしながら様々な人に会い、 音楽を作り、 仕事をこなし、 "深夜番長"と称して毎晩のように街をうろついていた、 そんな時代の日記を見つけたので、 執筆記事の転載、フライヤーやライヴ映像などの資料、 当時を思い出しながらの注釈などもつけて、 再構成してみました。 ゼロ年代初頭の空気が伝われば幸いです。

4月1日 （日）

三宿の自宅から歩いて北沢川緑道へ。ラヴ＆ジェラスのリーダー、ピエール主宰の花見に参加。昨年は自分が主宰の花見に人が集まりすぎて、自分自身は桜１本楽しめなかったのに懲り、今年は"客"に徹することにした。持参のコンロとヤカンでホットワインを楽しみ、頃合をみて帰る。

夜は盟友ケソと青山へ。"羽根木の森のフィクサー"ことトモくんがバーをオープンしたというので、レセプションに顔を出す。行ってみたら凄い騒ぎになってた。カウンターを仕切ってるのはDJパトリック。ジョーイさん、イケガミくん、池尻姉妹など、いつもの夜遊び軍団が80's音楽で盛り上がりまくっていた。

上京中のオッチーも顔を出したので、 ケソと3人で抜け出し、三宿の深夜うどん屋「夢吟坊」にて日本酒に溺れる。

〜 記憶が正しければ 〜

三宿：世田谷区三宿。渋谷の西、池尻大橋と三軒茶屋の間に位置する。交通的にはいささか不便だが、それゆえ逆に、芸能人やミュージシャンの集う隠れ家的な深夜料飲店が多く、90年代からゼロ年代には深夜族やクラバーが夜な夜な集まっていたエリア。当方はここに住んで「深夜番長・三宿日記」と称する日記を個人サイトに掲載していた。

ラヴ＆ジェラス：当時、在籍していたJ-POPユニット。所属レーベルはワーナーミュージックのイーストウエスト。マミ（vo）ピエール（vo, bs）ヲノサトル（kb）の３人編成。

ケソ（榊原健一）：当時は某大企業研究所に勤務。初対面で意気投合し、夜遊びにおける最強の相棒となった。現在は北海道医療大学准教授。

トモくん：IT会社経営。DJやパーティのオーガナイズも手がけていた。

DJパトリック：サウンドプロデューサー、タレント。2013年に亡くなった。

ジョーイさん（伊藤穰一）：現在はMITメディアラボ所長。

イケガミくん：青山スパイラルで企画運営を手がけていたプロデューサー。

 池尻姉妹：ご近所の池尻大橋に住んでいた姉妹。夜遊び仲間。

オッチー：当時の大阪北新地 CLUB KARMA (閉店) マネージャー。現在は東梅田で do with cafe を営む。

4月2日 （月）

都立大のスタジオで Go! HANGOVERS Go! のリハーサル。

たった２時間の本番直前リハだが、濃いぜ！ さすが俺の見込んだ男ども。今回はコルトレーンの曲をカバーしてみたが、何のアイディアも無くコード譜だけ見せたところ、テラシィイさんの弾いたギターのリフと朝やんの叩き出すリズムを核に、 あっという間にゴキゲンな高速ダンス・ナンバーのでき上がり。机上では決してできないこの種のアレンジは、バンドの醍醐味。

練習後はメンバーに、このスタジオの経営者でもあるWATUSIさんも合流し、近くの居酒屋で呑んだくれる（略してNDK）。いやあ本当に良く呑むな、この連中。あげくにみんな生の焼酎だけオーダーして、テラシィイさんが立石で仕入れてきた「梅割りの素」なる液体で勝手に割って呑み始める始末。 この調子じゃ、週末の関西遠征も大変な事になりそうだ……

〜 記憶が正しければ 〜

Go! HANGOVERS Go! ：後述するDJパーティ「ルパンナイト」の専属バンドとして結成。メンバーはヲノサトル（kb）細川玄（trp）田中邦和（sax）テラシィイ（gt）清水玲（bs）朝倉真司（drums）

テラシィイさん：現在、当方が所属するバンド「ブラックベルベッツ」のギタリスト。これまでザ・スリル、ショコラータ、デミエミクエーバー、東京スカパラダイスオーケストラ、エロティコなどのバンドに在籍。

朝やん（朝倉真司）：ドラマー、打楽器奏者。在籍する「ヨシンバ」以外に、種ともこ、森山直太朗、くるり、レキシなど錚々たるアーティストのサポートで活躍。

WATUSIさん：各方面から絶大な信頼を得る音楽プロデューサー、ベーシスト、DJ。ユニット「COLDFEET」主宰。

4月4日 (水)

うちから自転車とばして20分の駒沢公園へ。川上くんに誘われ、今日はスカパラ「SB4」 主宰の花見会に参加。「SB4」というのは……