週刊ヲノサトル season4 - vol.1 (2021.12.18-12.24) 無料版
/ 表参道ライトアップ
/ クリスマスの10回クイズ
/ ナンパ師の記憶術
/ 歌う前後の飲食
/ 大学の武勇伝
/ 仕事が速い人の思考回路
/ 短所は語るべきか
/ きよしこの夜問題
/ 碇ゲンドウと明和電機
/ 2つのホワイトクリスマス
/ 私物をプレゼント
/ 日本一早い新年会
/ 最後の宇ち入り
/ クリスチャン・マークレー
/ 他
2021年12月18日(土)
■ 表参道ライトアップ
表参道は2年ぶりのライトアップ。
やはりコロナの影響か、以前ほどの狂騒感はなくなったものの「映えスポット」にはちがいなく、多くの方々が写真を撮りまくってます(当方もその1人……。)
■ クリスマスの10回クイズ
むかし本に書いた、この季節ならではのひっかけジョーク。
「シカって10回言ってみ?」
「シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ、シカ」
「ソリに乗ってるのは?」
「トナカイ!」
「サンタ」
デートで夜景を見たりして、せっかくイイ雰囲気になってきたという時に、ついついこういうジョークを持ち出す人はモテませんよ。という文脈で書いたのでした。自分です。
テキストで読むと「こんなの引っかかるかね?」と疑うでしょうけど、口頭でやると意外に引っかかりますので、試してみてください。
たぶん「ソリ」という名詞を耳にした瞬間トナカイの映像が頭に浮かび、続く「乗ってるのは?」という設問を聞きもらすのではないか。視覚は短いテキストを丸ごと脳に入れて判断できるが、聴覚は聞こえてくる順番に脳に入れて判断する、という違いではないだろうか。
おっしゃる通りで、「10回クイズ」を知ってる人ほど引っかかります
■ ナンパ師の記憶術
「入試」って言っちゃうと年齢がバレる時代になりました。(2020年度からは「選抜」と呼ばれてます。なぜ文科省が名称を変更したのかは知らないけど)
(図は Y-SAPIX 京大研究室 より引用)
ところで年齢がバレると言えば ──
相手が自己申告した年齢が本当か確かめるには、「干支は?」ときけばいい。本当なら即座に答えられるが、嘘なら頭で考えるから一瞬の間があく。
もちろん、そこまで予期して最初から嘘の年齢設定を細かく頭に叩き込んでる確信犯には効かないものの。
これ、バブル時代にナンパ師から聞いた気がするテクニックだったような気がしないでもないかもしれません
そう言えば、昔はナンパした相手に再び連絡をとる手段が電話しかなかったので、電話番号を訊いては必死で暗唱し、トイレに行くフリをして店でもらった紙マッチの白いところにメモしていたそうです。あくまでも噂ですが
■ 歌う前後の飲食
マジすか! 講義の前にもやってみよう!
待てよ?ということはオリーブ油なんかをゴクゴク飲むのもアリか(飲みたくない
ボイトレの先生に聞いた話を思い出した。人は歌った後に気分良くなって酒を飲みがちだけど、歌う前こそ酒でちょっと喉の血行を良くした方がよくて、歌い終わった後は飲まないで喉を休めた方がいいらしい。(精神にはまた別だろうが……)
ちなみに歌手には、歌う前に何か食べないとチカラが出ない人と、食べると苦しくて歌えなくなっちゃう人の2種類いるようです……(経験談
2021年12月19日(日)
■ 歌う前後の飲食 (2)
まだまだ各方面からレスポンスが。
医大に勤務する音声研究のプロからも意見が。
現場からはこんな体験談も。
ちなみに映画『アナザーラウンド』は、上に挙げたような仮説に従って「常に酒を飲み続けたら、人はどうなるか?」 ── という実験に挑む教師たちを描いた、ホロ苦いコメディであった。
■ 大学の武勇伝
昔の大学にはそういった「伝説」や「武勇伝」がしばしばあった。今はコンプライアンス的に難しいし、即座に大炎上しそうだけど……ま、これは昔話ということで。
自分は大学院生時代、夕方になると師匠の個人研究室に押しかけては「じゃあ…… そろそろ飲みに行こうか……」と言わせるのを習慣にしていた。もちろんそこから「夜の授業」が始まり、教室ではできないいろんな話を聞いたり語ったりするのだった
■ いい歌を録音するには
確信してるが、人の声ってフィジカルな諸条件の何よりも、メンタルに直結してる。だからレコーディングでは、気分良く声を出せる環境や状況を用意することが最も大事。そのためなら酒でもオリーブオイルでもチョコレートでも使えば良いが、いちばん効くのは録音スタッフ側からの「いいね!」という賛辞だ。
想像してみよう。録音ブースの外で無表情に静まり返ったスタッフからヘッドホンに「ハイ…もう一回歌って」とだけ聞こえてくる現場と、みんながワイワイ拍手して「今の最高!もう一回聴きたいな〜」とリクエストしてくる現場。もしもあなたが歌手だったなら、どっちが歌いやすいですか。
もちろん、これは音楽だけの話ではない。あらゆる仕事に通じることだ。
良い「声」が出せるかどうかは、その人自身の実力だけでなく、場のノリや空気や関係性に大きく影響される。最高の「声」がほしければ、最高の「環境」や「場」を作るのが、結局は近道だと思う。
■ 仕事が速い人の思考回路
料理の手際が良い人も、エクセルの打ち込みが速い人も、こういう思考回路を持っている
■ 短所は語るべきか
面白いと思ってるイギリスの音楽専門誌があって、機材や楽器のレビュー記事に必ず「pros(長所)」と「cons(短所)」の両方が書かれているのだ。「con: 値段が高すぎる」とかザックリと(笑)。しかし読者としては、短所も書かれていると長所への信頼感が、逆に高くなる。
批評もこれに似ていて、うまく短所が指摘されていると長所の紹介にも信頼感が増す。「悪い点も書いてるんだから、良い点もおそらく本当だろう……」と信じ込まされるメカニズムだ。長所しか書かれてないとこのメカニズムが働かないので、半信半疑のまま読み終わる。
まあ、とはいえ当方は批評家でなく作り手なので、何かを作るのがどれだけ大変か知ってる。だから、できあがったものの短所を指摘する気はない。気に入らなかった作品は口に合わない料理と一緒で、こっそり皿に吐き出して何も言わないだけだ。取り上げるなら、自分が良いと思った点だけを語りたいと思っている。
■ 「きよしこの夜」問題
そういえば『きよしこの夜』って「清し。この夜」なのか「”清し子”の夜」なのか、いまだに知らないな。ブラックベルベッツの解釈は、そのどちらでもないが……。
2021年12月20日(月)
■ 今日は「modular1グランプリ」のタグがアツいな…
■ 碇ゲンドウと明和電機
碇ゲンドウが筑波大学出身で、明和電機土佐社長と同期だったという噂が。
こういう話題にすかさず乗っかるのが、土佐社長のイイところ。
2021年12月21日(火)
■ 歌とアルコール
■ 2つのホワイトクリスマス
雰囲気は全然ちがうけど、ブラックベルベッツのホワイトクリスマス とエレクトロスウィングなホワイトクリスマス は同じ人間がアレンジしたので、ハーモニーは共通だったりするのです
2021年12月22日(水)
■ 広告を見ないという贅沢
ありえる。じっさい当方が "YouTube Premium" にお金払ってるのは、授業の資料とかでYouTubeを見せるとき、最初に変な広告が出て気まずくならないための予防策だったりするし……。
■ 私物をプレゼント
今夜はお客さんに抽選でメンバーの私物をプレゼントするコーナーがあるらしいので、何を贈るか悩む……。
私物といっても不用品とか着古しの服を出すわけにもいかないし(※ 避難所などへの差し入れで一番嫌がられるパターン)未開封の新古品とか、かなあ……。
■ 日本一早い新年会
というわけでブラックベルベッツ、11ヶ月ぶりのライヴ。
今宵の会場 104.5 は、神田淡路町のWATERRAS にあるカフェダイニング。ブラックベルベッツに似つかわしくないコジャレたエリアである。
このキラキラムードに浮かれた当方、開演前つい1人フラフラと街に出てコジャレたダイニングに入ってしまったことは秘密だ。
ちょっと早めのクリスマスディナー(おひとりさま用)。
お店に戻ってライヴ本番。結局、プレゼントはオタマトーンメロディと自分の旧譜『ロマンティック・シーズン』という無難なものにした。
そして、クジでこれを当てたのは知人のカメラマンだったという……。
2021年12月23日(木)
■ 最後の宇ち入り
今年最後の宇ち入りをキメる。(説明しよう!宇ち入りとは葛飾区立石にある伝説のもつ焼き屋『宇ち多゛』に入店することである!)
開店前から行列すること1時間。「シンキ」と呼ばれる希少メニュー(コブクロとテッポウのセット。おおむね1時間ほどで品切れになります)にありつけて満足、満足。
今日も「テーブルにヒジつかないで」「ちょっと声大きいよ」「足はみ出してるよ」と客にきちんとダメ出しするアニキ↓にシビレた。「うちは”お客様は神様”じゃないからね。つぶやいといて」と言われたので、つぶやいておく。
(写真:東京新聞webより引用)
この店ではみんな、流儀を知らない新参者にそっとルールを教えたり、スッと席をあけてあげたり、他の客にとても優しい。キャスト(主にアニキ)のコワモテが有効に作用して、客同士の連帯感や、きちんとしなきゃという緊張感を高めている。逆に言えば、そのためにあえてキャストがコワモテを演じている、演劇的な空間とも言える。
とはいえ、ここでのルールは「湯船に入る前はかけ湯する」みたいな温泉ルールにも似て、他人に迷惑かけず楽しむための作法に過ぎない。ここは、誰もが世間での地位や立場や日頃の人間関係など完全に忘れて、温泉に浸かった一匹の猿のように弛緩した顔になれる、ひとつの理想郷なのだ。
2021年12月24日(金)
■ 並ぶのです
■ クリスチャン・マークレー
クリスチャン・マークレーは1980年代、まずはアナーキーな音楽家として登場した。ビートを構築するのが前提のヒップホップDJとは全く異質な、いわばレコードプレイヤーの上でミシンと蝙蝠傘を偶然に出合わせるような作業を、アナログな手技でプレイしていた。
一方、ツイートにも名を挙げたジョン・オズワルドは90年代、普及し始めたハードディスク録音を駆使したデジタル編集で、既成曲をさらに細かくエディットしてみせた。
マークレーの方はその後、美術界の「アーティスト」として知られるようになっていったわけだが、根本的なスタンスは全く変わっていないように思われる。
当方が先日 クリスチャン・マークレー「トランスレーティング」展(東京都現代美術館)に行った時のツイートはこちら。
どれも何らかの形で「音」にまつわるビジュアル作品だ。
レコードの音をミックスするのも、古い映画の断片を魔改造するのも、切り取ったマンガを張り合わせるのも、彼にとっては同じ一連の表現行為なのだろう。
素材の圧倒的なバラエティ。それらを作品に仕上げるアイデアの豊富さ。とにかく大量に作り続ける作業量。「ようやるわ!」と呆れ果てるほかない(褒め言葉)
それでは、また。
(2022. 1. 4)
※ 商品やバナー以外の無出典写真は筆者撮影
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