漫才師としての課題

今日は昼過ぎに目が覚めた。
目を開けて最初に映る景色は、高校時代から変わらない。
大好きなエヴァンゲリオンのレイちゃん、アスカ、マリさんのポスター。
横にあるコーヒーを手に取り、一口飲んでから煙草に火を付ける。
これが朝の始まり。

そしてまずは、スマホでXを開く。
これが僕の情報収集。
休みの日は、極力外には出たくないものだ。
高校時代から変わらない、物置部屋。
布団から身体を起こすだけで、必要な物は全て手に出来る最高の部屋。

パソコンを立ち上げ、昨夜のnoteを見返す。
そしてタブをもう一つ開き、YouTubeへ飛ぶ。

M-1予選のトップたちの動画を観る。
相変わらず色それぞれの芸人たちが、
1回戦を通過している姿を観て頭を抱える。

一体何を評価基準にしているのか。
募集要項に書かれている【とにかく面白い漫才】とは何なのか。
ザックリと書かれたこの短い文字に隠された、
とてつもなく壮大な課題について、僕はまた新たに台本を書き始める。

お客様に魅せる漫才とは何なのか。

前回のnoteにて出した、石田さんの講義の中で、
質疑応答の時、一人の若手から出た質問。
「勝負の時に出すネタはどれくらい前から作るのか」
これに対しての応え。
「1年」
1年前から作り、それをブラッシュアップしながら仕上げていく。
その時にサラッと言った一言。

「同じネタを何度も何度もやる中で、お客さんの反応に敏感になってあらゆる所を修正していく」
僕は聞いていく中で、聞き逃さなかった。
お客さんの反応に敏感に耳を傾ける。

何度も何度も。

同じネタをする意味。

まさにそこなのだ。

なぜ、同じネタを月に何回も舞台でやるのか。
自分たちが、【動き】【テンポ】【間】を身体に染みこませる事。
それよりも一番重要なのは、お客さんが何処で、どんなタイミングで、
どんな事で笑っているのか。

漫才をしていると思う事がある。
自信を持って入れた下りよりも、
軽いパンチのつもりで入れた下りの方が大きい笑いになる時がある。
漫才中に驚く事もあるくらいだ。
「そこってそんなに面白い?」って思う事も。

そんな事を思う事が多かった時、
それをどうにか広げようとしてきたが、
改めて石田さんの授業を聞いて考えが変わった事が。

「自分が知識を付けると、常識がズレる」
自分の常識としている物事がお客さんとズレている。
この考えでネタを作り上げた時、
また違った色のネタが出来た。
その台本を眺めながら、煙草に火を付ける。
考えを整理する時には、僕は必ず煙草に火を付けるのだ。

僕がまず初めに、いつも漫才をしているのを思い返して分かったのは、
僕は情報不足な所だ。
漫才になると途端に下手になる。
なぜか、次に分かったのは、
時間配分が下手。
何故そう思うか。

漫才にはタイムリミットがある。
決まった時間の中で作り上げる時に、
Aについて情報を入れると、次のBの下りをやる為の時間が減る。
この絶妙なバランスを探すのが下手。

僕が居酒屋に行くと強いのは、時間に限りが無い事だ。
ゆっくり話そうが、手短に話そうが存分に楽しめるから。

改めて身に染みた。
僕の書く漫才は、オーソドックスな書き方は出来ていると思う。
お客さんの反応を見ていても、それは計算で来た。
では何故、爆笑に繋がらないのか。

僕自身の魅せ方が足りない。

普通の事を面白く魅せる技術。
最も重要かつ初歩的な部分を忘れていた。

noteには浮かんだ事をそのまま綴り、
文章をあまり消さず、
そのままの自分を綴ろうを決めた。
そしたらなんと、このように自問自答を繰り返して行く内に、
色々な事に気が付き始めたのだ。

これが続けるという事か。

藤崎に言われた事に感謝しながら、
パソコンに頭を下げる。
ありがとう藤崎。

こんな先輩でごめんな。
あと少しで頼られる先輩になってみせるからな。

そう心に決め、僕は今日もパソコンを閉じて夢の世界へ行く。
あ、僕って夢を自由に動ける特技があるのだけれど、
最近観る夢が、
僕の性欲を全て叶えてくれる夢ばかりで助かるって話し聞く?
今度それでも綴ろうかな。

ってな。

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