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ローソンの変人店長から学んだ大事なこと#変人エピソード編

こんばんは
りんです。

今回は、私が大学時代にお世話になったアルバイト先の変人店長のお話です。
私の人生に大きな影響を与えた人物で、仕事の面白さを最初に教えてくれた方でもあります。

一方でとてつもない変人で、後にも先にもこれほど癖の強い人はいないと思っています笑
先ずは変人エピソードからご紹介します。

赤字まみれのローソンにやってきた救世主

私は大学時代に4年間ローソンで夕勤のアルバイトをしていました。
そのローソンは甲子園球場の近くにあり、一見すると立地も客層も良さそうなのですが、売上に波があるお店でした。

平均日販(1日の売上)は10万円以下で、廃棄は超大量、出勤初日でトぶバイト、前任店長とオーナーのギスギスした人間関係等、たくさんの問題を抱えていました。
そして、バックヤードは在庫まみれで、更衣室に移動するにはカニ歩きをしないと通れないほど通路が狭かったです笑

そんなローソンで働き始めて3年目の夏、その変人は新しい店長としてやってきました。
見た目は大学生でも通じるぐらい若く、端正な顔立ちをした30歳の男性社員でした。

私が出勤すると、すでに彼はウォークイン(ドリンクコーナーの裏にある冷蔵庫)に入って床に敷いていた大量の簀子を破壊していました。
もうこの段階で意味がわからなかったのですが、どうやら余計なものを捨てていきたかったようです。

そして大量にあった在庫を半額にしてでも売って、バックヤードを本来に姿に戻し、どこに何を置くのかも所定の位置を決めていきました。

結果、3年働いて初めてバックヤードの床をちゃんと見ることができました笑
ウォークインの簀子を破壊したのも、在庫の置き場所を確保する為だったことが後からわかりました。

誰一人として見て見ぬふりをしてきた荒地に手を入れ始めたのです。
そしてみるみるうちにお店が綺麗になっていきました。

トロコンしないと気が済まない店長

そんなどこか他のスタッフとは違う、変人店長と働き始めてしばらくすると彼とはゲーム、漫画、アニメ等の共通点があることがわかりました。
すぐに打ち解けてご自宅にお邪魔すると、大量のゲームソフトがありました。

相当なゲーマーなのかと思いきや、彼は最初の数時間プレーすると飽きてしまい、クリアは人に任せてプレーする様子を眺めるという変わった楽しみ方をする人でした。
しかも質が悪いことに、「全クリ」ではなく「完クリ」しないと気が済まないのです笑

PlayStationのゲームをされたことがある方はわかると思いますが、このゲーム機にはストーリーとは別に、特定の行動を取ったりやアイテムを取得したりすると、トロフィをもらうシステムがあります。
彼は全てのトロフィーを獲得するトロコンを達成するまで次のソフトに移行しない謎のこだわりを持っていました笑

私を含めたバイト仲間は、そのトロコン合戦に巻き込まれ、徹夜しながら交代でクリアしてそのまま出勤する日々を送っていました。
出勤する頃には寝不足で後悔するのですが、何故か店長に誘われると面白くてつい行ってしまう、そんな魅力がある変人でした。

交通の足を失った店長の新しい足

変人店長の自宅はローソンからとてつもなく遠く、自転車で40分ほどかかるところにありました。
また、運が悪いことに近くには路線もない不便な立地でした。

彼に残された交通手段はバス、タクシー、徒歩のいずれかで、大体が後者の2つでした。
そんなる日、貴重な足である自転車を失った彼は予想外の交通手段で現れました。

なんと、セグウェイに乗って現れたのです!
しかもお店の前で降りるかと思いきや、そのまま店内に入って通路をグルグル回り始めました。

彼は嬉しそうに「5万円で買ってん!」と満足げな顔をしているのですが、よく見るとセグウェイはすでに傷だらけでした。
そして彼の体の至る所に擦り傷があり、こけまくって来たことが丸わかりでした笑

そのセグウェイはハンドルがない、重心の掛け方で前後左右に動く扱いの難易度が高いタイプのもので、自転車の代わりの交通手段として購入したようですが、明らかに使いこなせていませんでした。
私は街中でセグウェイに乗って移動する人を彼以外見たことがないので、店長はさぞ奇妙な目で見られていたと思います。

私は「この人ハート強いなー。」と、ある意味関心していたのですが、店長は帰り際にセグウェイを店内に置いて帰り、それ以来2度と外では乗りませんでした。
しばらくの間、セグウェイはバックヤードでスタッフたちの息抜きの遊び道具になり、いつの間にか店長の家で封印されたように眠っていました笑

ちなみに、セグウェイに乗ってやってきた日、一緒に徒歩で来た奥さんの到着時間と全然変わらなかったというオチまでついてきました笑

恵方巻きに追い立てられる店長

次回詳しくご紹介しますが、ローソンには季節に合わせた商品やセールを行っていました。
例えば正月にはおせち、母の日や父の日にはギフトといった具合です。

そして、毎年3月3日は恵方巻きの販売があります。
ところが、その年は事前の予約がほとんど取れず、約200個の恵方巻きを当日に売り切らなければならなくなりました。

私が夕勤のシフトに入った段階でまだ150個以上あったので、もう絶望的でした。
※50個近くも売ったことがそもそもすごいのですが。

店長はありとあらゆる手段を尽くして売っていきますが、ついに万策尽きて予想外の手段に出ます。
なんと、「お願いします。恵方巻きを売り切らないと店長が死にます。恵方巻きに殺されます。」という紙をローソンのマスコットのポン太人形に抱えさせてレジの前に置いて、本人はバックヤードに引っ込んだのです。

一見すると相当危ないお店なのですが、常連のお客様は店長の人柄をよく知っているのか、クスッと笑って次々と購入し始めました。
そして200個完売しきったのです。

一体なぜこうなったのか、本当に不思議な現象でした。

いかがでしょう?
まだまだ理解不能なエピソードはあるのですが、キリがないのでこの辺にしておきます笑

エピソードだけで伝わると思いますが、店長は常識が通用しない型破りな人でした。
が、仲間に慕われていたことだけは確か、この変人店長の力が発揮されて赤字だったお店を盛り立てていきます。

そのお話は次回ご紹介します。

今日はここまで
ありがとうございました。

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