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デジタルアクセシビリティアドバイザー認定試験の勉強方法 〈Basicレベル編〉

昨年11月からスタートした『デジタルアクセシビリティアドバイザー(略称 DAA)認定試験 Basicレベル』を先日受験し見事合格しました。
受験の際に、どんな勉強をしたらいいのかな?といろいろ情報検索したのですが、新しい認定制度のためテキスト以外に情報があまりありませんでした。
それではと、先日合格をいただいた私の勉強法をこちらでご紹介して、後に続く方に参考にしていただけたらと思い記事にしてみました。
以下はBasicレベルの勉強法の記載となります。
尚、試験問題については情報公開はNGとガイドされているため、この記事を書くにあたり、一般社団法人日本支援技術協会や編集にあたられた先生方に内容をご確認いただき、掲載の許可をいただいております。

★必須★ テキストを徹底的に読み込む

これは大前提ですが、認定試験に出る問題は必ずテキストから出題されます。そこで、テキストの内容はしっかり読み込むことが大切です。
特に、何を目指しているのか、何のためにそうなったのか、何が課題なのかといった背景に関することにはマークを入れてしっかり頭に入れておくようにしました。

1.社会環境と法律関連

障害に対する捉え方や環境など社会の変化とともに、必要に応じ関連する法律が改正されていった歴史がテキストで丁寧に紹介されていますが、必ずしも時系列での解説にはなっていません。
私は、時系列ではどうだったかな?と思ったので、自分で年表を作って、日本の動き、時々グローバルの動きを見ながら、社会の変化、法律の変遷を見ていきました。(参考 表1)
概要欄にはその法律の主な内容や、特筆すべきことなどを書き込んで、テキストの中身を時系列で振り返ることができるようにしました。
これをすると、本記事冒頭に記載した、何のためになどの背景情報もすんなり理解できました。

障害者に関連する法律の制定の歴史年表をExcelで書いたもの。西暦、和暦、法律名、概要の欄があり、それぞれに情報を時系列にまとめて記載している。
表1

2.技術、機能を覚える

テキストで勉強しながら、各OSには様々なアクセシビリティの機能が既定値で組み込まれていることがわかるのですが、各OSごとに名称が違ったり、機能が違ったりしています。
どのOSやどの機種では何というメニューからの操作になるか、どんな機能があって、何がないかを一覧できたら理解しやすいなと思ったので、技術、機能を困りごと単位、製品(OS)単位でマトリックス表にして勉強しました。(参考 表2)
さらに、ただ書き出しただけではわからないこともたくさんあったので、手元にある携帯、PC全部で各設定の画面を開きながら使い方を確認しました。
たまたま我が家には、掲載されていたすべての機種やOS搭載のデバイスがあったので、全部試すことができました。それぞれ特徴があったりしますし、拡張性も違うので、そのあたりもしっかり確認できるといいと思います。

縦軸にOS名、横軸に困りごと(視覚障害、聴覚障害、身体障碍、言語障害)をおいて、それぞれの機能のメニュー名や機能名を記載したマトリックス表。
表2

3.テキスト以外の参考資料

テキストには各アクセシビリティ機能やそれが何のためという内容はある程度記載があるのですが、実際にどう使われているのかの具体例を見るには以下の国立熊本高等専門学校 特命教授 福島勇先生のBlogがよかったです。
福島先生はこのDAA認定試験テキストの編集もされています。
Sam's e-AT Lab (blog.jp)
テキストに記載されている様々な機能を実際の現場で利用されている様子を垣間見ることができ、ぐっと理解が深まります。

4.テクノロジーの時事ネタ情報収集

私はもともとIT企業でお仕事させていただいていたこともあり、IT系の時事ネタについては情報収集できているほうでした。そのためテクノロジーを理解するパートはテキストを読んですんなり理解をすることができました。テクノロジーの時事ネタから遠ざかっていた方は、最新の IT 動向をいろいろなサイトや Podcast などから日常的に収集されるといいと思います。
DAAの活動は、ITの進化と並行して続けていく必要があると思いますので、これについては、試験が終わった後も引き続きアンテナを立てて、最新技術の情報を追いかけていく必要があると思います。

最後に

試験の形式ですが、4 択の設問が 50問、500 点満点で合格は正解率 70 %以上だったと思います。
60 分間での受験となりますが、しっかり事前の学習ができていれば 30 分くらいでも終了できてしまうかもしれません。
しっかりじっくりテキストを読んで、内容を理解して試験に臨んでみてください。
DAAの学びは、障害のあるなしにかかわらず、これからのデジタル社会において必要不可欠なスキルを身に付けることができると思います。
DAAを学ぶことで、障害観も変わります。
ぜひご自身のアップデートのためにチャレンジしてみてください。
この記事が皆さんの学びの一助になれば幸いです。

参考サイト:デジタルアクセシビリティアドバイザー (daa.ne.jp)
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