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勉強でもスポーツでも仕事でも大切な『自主練』

はじめに(いつも書いてること)

このnoteでは、「仕事でも私生活でも心をラクにする(ワークライフハック)」をテーマに文章を書いています。

※「ラクする」というのは、「心身に苦痛などがなく快く安らかに過ごす」という意味で使っている言葉であり、シンプルに「サボる」という意味ではありません。

今回の内容

自主練の大切さについて書いていきます。

僕はどちらかというと、勉強は1人でやりたいタイプでした。

自分がやるべきことを決めて、着実に積み上げていくやり方です。

ただ、対話型で学びを深めることもありました。

対話型で学びを深める時というのは、自分だけで完結せずに相手が必要なので、自分の都合だけでなく相手の都合も加味した上で進める必要があります。

主体的に各々が学びを進めていて、ペースも違えば学習量も違うから、対話的な学びを織り交ぜる難しさはあったなぁと感じます。

サッカーを18年間やってきたので、これはスポーツでも当てはまるなぁと感じます。

自分が主体的に取り組む自主練習と、チームメイトと対話しながら共に積み上げるチーム練習ですね。

勉強でも自習をしない人がいるように、サッカーでも自主練習をしない人もいる。

引用記事:『先端教育』2023年7月号

みなさん自身が学習場面を振り返ると、家庭学習をはじめ、学校における読書タイムやドリルタイム、自習時間など、一人で学習しているイメージが強いのではないでしょうか。
また、一生懸命一人で学習に取り組んできた経験が強ければ強いほど、「なぜ、みんなで一緒に対話しながら学ばなければならないのか。一人で学習に取り組んだほうが効率的に学べるのではないか」と思われることでしょう。
しかし、その取り組みの「ゴール」はどこに設定されていたのでしょうか。
特に、定期テストや入試の対策として勉強していることが多く、そのために頑張っていることが多いでしょう。
そこでは、苦手な科目であれば、できるだけ最小の暗記量で最大の再生量が出てくるよう頑張っていたかもしれません。
でも、もし得意な科目であれば、一人で学習するだけではなく、学習との認識は特に無いかたちで、友達仲間と学習内容について議論する余裕もあったかもしれません。

主体的な学びと対話的な学びの経験について

ここに書かれている通り、僕自身の経験を振り返ってみても、主体的な学びというのは、何かしらの試験やテストに向いていました。

一方で、対話的な学びは、その一歩手前の「知識の幅を広げたり新たな認識を生み出すこと」に向いていた気がします。

以下の内容を読んで、自分でも意識していたことが綺麗に言語化されていたように感じました。

一人ではなく、二人以上で対話することで、私たち人間は、一人では壊すことができなかった枠組みから抜け出し、さらに学習を深めることができるメカニズム「建設的相互作用」を持っていることが学習科学者である三宅なほみ先生、白水始先生らによる研究で明らかになっています。
建設的相互作用の定義としては、「相手と共有する問いを巡って答えを作り合っている時、それぞれの参加者が対話開始時に持っていた答えの候補より対話終了時に得た答えの候補の方が、適用範囲が広い、あるいは抽象度が高くなること」としています。
まず、前提条件として、相手と何について話し合うのかの「問い」を共有することが大事であるという点です。
これができていないと、対話をしても一人で学習すること以上の効果は生まれません。
次に、対話によって、全員が同じ理解に到達するのではなく、一人一人が最初の時点よりも学びが深まる、という状態になるのが対話による学びの特徴です。
ですので、このメカニズムが働くことによって、あまり知らない人はその人なりに深めていくことができると同時に、よく知っているひとも、あまり知らない人からの指摘によってさらに深めていくことができます。

建設的相互作用により学習を深める

僕自身、過去を思い返してみると、高校生までは主体的な学びしかやっていませんでした。

誰かと学びを共有して、自分の視野を広げる必要性を感じなかったのもあるだろうし、主体的な学びをやっていれば、自分が求める水準まで到達できたからだと思います。

ただ、大学生になってからは、対話的な学びが増えた気がします。

それは、試験の難易度が上がり、授業に真面目に出て講義を聞いていても、試験に対応できないという事態に遭遇したからです(教授の特徴とか、過去数年間の試験の傾向とか、そういうのを加味しないと単位が取れなかった)。

その時に、周りと協力しながら試験の対策をしていたんですけど、「どうすれば単位を取れるのか?」だけでは対話的な学びにはなりません。

高校と大学の違いの1つに、先生の知識の深さがあると思っています。

高校の先生の知識が浅いのではなく、大学の先生の知識が深すぎるということを言いたいんです。

大学の先生は、教えたことをそのまま試験に出すことをしません(時にはそういう時もあるけど)。

教えたことを解釈した上で、より深いことを試験で問うてきます。

だから、学生である僕らとしては、自分だけの解釈で理解を進めるんじゃなくて、他の人の解釈も踏まえた上で理解を進めていく必要がありました。

このプロセスは、誰かに教わったわけではなくて、自分たちで考えていきました。

このシーンだけを切り取れば、「試験で点数を取り、単位を取る」というのが目標でしたけど、「なんで良い点数を取りたいのか?」「なんで単位を取りたいのか?」という目的は、そこに集まったそれぞれがそれぞれのものを持っていた気がします。

今回紹介した記事には、以下の内容も書かれていました。

過去、学習科学の国際会議において、「長期スパンの学習の視点を入れた学習ゴールの再定義」というシンポジウムが開催されました。そこでは、学習ゴールの再定義として、表の3点が示されています。

以下の画像

僕がやってきた学びは、ここにある学習ゴールを意識したものではなかったかもしれません。

結果的に考慮されていたことはあったかもしれませんが、意識的にこの3つをやっていたわけではありませんでした。

理想はこの3つを意識した上で学びを深めていくことなんでしょうけど、要するに大切なのは、『目的を持って学ぶこと』なんだと思います。

上記の3つは意識していなかったけど、目的を持った学びというのは中学生の頃から意識的にやってきました。

大学生になってからは、主体的な学びで学習を深めた方がいいシーンと、対話的な学びで学習を深めた方がいいシーンがあったので、使い分けてきました。

ただ、『主体的な学び』とか『対話型の学び』とか、そんな言葉も意識したことはありませんでした。

辿り着きたいゴールがあって、そこに向かうことを目的にし、必要なことを積み重ねる意識を持つことで、適切な学習方法を自らで探ってきたんだと思います。

「主体的に学ぼう」とか「対話的に学ぼう」とか、そういう意識を持つことからスタートすると、それ自体が目的化してしまう可能性もあったなぁと思うので、「そもそもなんのために学んでるんだ?」という問いを忘れないことが、学習を深める上で大切なんだと実感しています。

目的もなく大学に行き、目的もなく単位を取り、目的もなく大学を卒業するという大学生もまだまだたくさんいますから(採用面談のシーンやキャリア面談のシーンで出会います)、そういう人を少しでも減らしたいなぁと思ってます。

スポーツでも同じこと。

先日、いつも通り娘と公園に行くと、広い野球場で一人、自主練をしている野球少年がいました。

外野手なんでしょうね。

「自身で球を高く上げ、キャッチしてからバックホーム!」という練習をしていました。

そういうシーンでミスったことがあったんでしょう・・・大切なイメージ練習です。

『自主練』を調べるとこんな方が書かれていました。

『自主練』俗に「自主練習」の略語として用いられる語。自主練習とは、スポーツや楽器などで熟練者の指導を受けている人が、指導者のいないところや規定の練習時間でない時などに自発的に行う練習を意味する語である。

実用日本語表現辞典

「指導者のいないところや規定の練習時間でない時などに自発的に行う練習を意味する語である。」という部分、まぁそりゃそうだよなと思いながらも、ここってとても大切です。

自発的に行う練習だからこそ、自分で芯を作り、その芯からブレないような取り組みが必要になってくる。

まさに、自立と自律が必要な領域です。

チームでの練習やコーチなどからの指導だけでは、自分の理想の状態に届かないと判断して取り組んでいく。

理想と現実のギャップを認識して、足りない能力を引き上げていく(もちろん、強みをさらに強化するパターンもあります)。

いずれにしても、目的設定から自身で行い、日々の行動計画を立て、実践していくという意味で、『自主練』は自立と自律のトレーニングにもなります。

僕自身も自主練をしてきました。

小学3年生から社会人2年目までサッカーをやってきて、特に高校3年間は、こだわって自主練に取り組んでいました。

キッカケは、1年生の夏に出場した大会。

3年生にとっては負ければ部活動が終わりの大会で、1年生の僕もメンバーに選んでもらい、出場していました。

FWとして出場していた僕は、FWとしての使命を果たすことができず(点を取ることができず)、試合はPK戦に。

3年生の主力メンバーがPKを外して敗戦・・・言葉を掛けることもできませんでした。

この体験があり、僕は2つの強化ポイントを自分に課しました。

1つ目は、プレッシャーに負けないメンタルを身につけること。

元々は緊張しいの性格で、学校生活でもサッカーでも、何かと緊張するタイプでした。

緊張すると本来の自分が出せないので、土台として欠かせないポイントでした。

2つ目は、基礎スキルを徹底的に強化すること。

PKって、一般的にはキッカーが有利とされています。

面積的には、キーパーが守れる範囲よりも手の届かない範囲の方が広いですから。

キッカーからすると、止まっているボールを蹴りたい場所に正確に蹴ることができれば、完璧にコースを読まれない限りは決めることができる(キーパーの実力にもよりますが)。

まとめると、僕が強化ポイントとして挙げたのは、「ブレないメンタル」と「徹底した基礎スキル」でした。

ただ、やることは1つだなって思っていました。

それは、「徹底した基礎スキルの練習」でした。

なぜかというと、これは「僕の場合は」という話になりますが、自分の時間をフル活用してやれるだけのことをやれば、それが自信に繋がり、ブレないメンタルを獲得できると確信していたからです。

もちろん、チームの練習でも基礎練はやりますけど、そこで基礎を補うつもりはありませんでした。

チームでの練習は常に競争の意識を持っており、アピールの場だと認識していたので、インプットというよりはアウトプットの場。

だからこそ僕は自主練という時間を自ら設け、それをアウトプットに繋がるインプットの場として活用していました(アウトプットは「成果を出す時間」で、「インプットは自己研鑽と自己啓発の時間」と捉えてください)。

やっていたことは大きく分けて2つ。

1つ目は朝練。

朝練で徹底的にやってたのは、PKの練習とリフティングの練習です。

キーパーをつけていたわけではないので、PKはシンプルに止まっているボールを蹴る練習。

ただし、試合をイメージして蹴り続けました。

キーパーがいて、試合のシーンで、緊張感を持って一本一本を大切に蹴っていました。

出身校が新潟の高校ということもあり、冬場は体育館での朝練だったので、そこでは徹底的にリフティングをやっていました。

リフティングでは主に3つの要素を意識してました。

❶ボールコントロール(足などの位置にボールを当てたらどこにどのくらいの反動で上がってくるのか?などを意識)
❷体力(連続で1,000回を超えてくると、かなりの汗をかいてきます)
❸集中力(基礎的なボールコントロールなので、基本的には落とさない。落とす時は集中力を欠いた時)

その他にも、リフティングの小技にも興味があったので、この時間を使って練習したりもしました。

『やべっちFC』は毎週観て新たなテクニックを学んでいたし、『ストライカー』というサッカー雑誌を毎月読んで、読んで知った小技を練習する場にもしていました。

ボールを使ったこの朝練は、上述した1年生の時の大会が終わってから、部活を引退するまで継続してきました。

2つ目は家練。

これは小学6年生の頃から高校を卒業するまで続けていたことですが、寝る前に必ずやっていたルーティンがありました。

(腹筋100回+背筋100回+腕立て100回+下半身強化メニュー片脚50回ずつ+首強化メニュー50回)×3セット
⬇︎
約50cm四方のエリアで小刻みなリフティングを連続で100回(小さい1号球で)

これらも自主練の括りで、基礎を徹底することと同時に、やれることをやっていることによるメンタル面の安定を見越していました。

当時の僕からしたら、「自分にできることをやるのが当たり前」という感覚だったので、特別なことをやっている感覚はありませんでした。

ただ、今考えると、当時そのようなことをやってきたおかげで、自立と自律が強化され、ビジネスパーソンとして仕事にも活きているんだなぁと感じます。

ちなみに、やってきた成果で言うと、何の巡り合わせなのかわかりませんが、僕が3年生として迎えた最後の大会でも、最後の敗戦はPK戦でした。

僕は1番目のキッカーとして、難なく決めることができました。

1年生の頃からやり続けていたことをやるだけだったので、こだわって練習してきたコースに冷静に蹴り込むことができました。

試合として負けたことは悔しかったし、キャプテンとしてやり切れない気持ちになっていた一方で、個人的な感覚としては「やり切ったな」という気持ちにもなっていました。

積み重ねていくことで自信になり、成果に繋がると実感した体験でした。

ビジネスパーソンとしての自己研鑽と自己啓発も一緒。

チームでやる練習は、会社で用意されている研修や教育体制のようなもの。

自主練は、それ以外の自分を高める取り組み。

部活だとやってきたのに、仕事になるとやらない人が多いというのは、仕事に対して「やらされている感」がある証拠だと思うんです。

それでいいという人はいいんですけど、仕事で成長したいと思っているなら、チーム練習だけに頼らずに、自主練をするのが絶対いい。

自分の人生なんだから、自分で掲げている理想に対して、自分で自己研鑽と自己啓発をしていきましょう。

野球場で自主練をしている少年よ、自分を信じて突き進め!

自分で課題設定をして、主体的に学びを深めることは、生きがいの創出にも繋がります。

そして、心のラクを生み出していきます。

感謝

今回も、読んでいただきありがとうございました。


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