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天気の子

 お正月に地上波で放送されていて、録画していた「天気の子」を見た。って今書いていてふと気づいたのだが、この”地上波”って響きが何だか好きだ。地上があれば天空があり、そのまた先に大気圏を抜けて成層圏、宇宙、果ては銀河系を飛び出して・・・と、妄想野郎のトリガーをくすぐる言葉だ。

 ま、それはさておき。前作品の「君の名は。」も同じく録画したのを見たが、僕は「天気の子」の方が印象的だった。おそらく同じ思いを感じた方も多いと思うが、最後の降りやまない雨が原因で変容した東京の姿に今のコロナ禍がオーバーラップしたのだ。もちろん製作時にこんな未来を予想した訳ではないだろうが、世界が変わっても生きていくーというメッセージがコロナ禍の真っただ中にいる僕らにはとても重い台詞になっている。コロナ禍以前にこの映画を見た方でも、今改めて見てみると、その重みは増しているのではないだろうか。そして、そこから皆それぞれが考えることも増えているだろう。

 この映画の良しあし等は各人がそれぞれに受け止めればいい。何と言っても、映画の魅力の一つは見終わった後。物語が終わった後こそ、そこから”あなたの物語”が始まる。あなたの頭の中に、あなたの世界の周りに。その映画を見て何を思ったか?何を感じたか?そして、その形のないものをあなた自身はどのように受け止めて、消化して、何を生み出すか。はたまた、あなたと、あなたの周りの人々の人生にどうやって還元していくか?

 エンドロールはいつも僕らの物語に繋がっている。

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