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#絶望のメリークリスマス

子どもの頃はクリスマスにサンタさんからもらうプレゼントが楽しみだった。
サンタさんが来なくなってから、クリスマスは特別な日ではなくなって、一年の中で周囲が賑やかになる日の内の一つになった。
周囲を醒めた目で見ていて捻くれていた私は、テレビや雑誌などで特集されるクリスマスに興味は無かったし、特に恋人と過ごそうとも思っていなかった。

販売職をしていた頃は店長の趣味でサンタの帽子を被って接客をした。洋菓子店でもおもちゃ屋さんなどでもない。自動車ディーラーだ。
何で自動車ディーラーでサンタの帽子を被るのかと思ったのを今でも覚えている。
ちなみに、他の営業所はそんなことはしていなかったので、当時配属されていた支店の店長の趣味でしかない。

印象に残っているというか、いまだにたまに思い出すクリスマスがある。
私にしては珍しく、当時つき合っていた彼氏と過ごしたクリスマスだ。
クリスマスイブにケーキを買って、一人暮らしをしていた私の部屋に彼氏が来た。
特に豪勢な料理は用意せず、簡単にいつも通りの料理を作り、クリスマスらしいのはケーキだけだったけど、それも自分たちらしいと思っていた。
クリスマスプレゼントも用意して交換したりした。私にしては珍しいリア充ぶりだった。
そしてそのときに、結婚を申し込まれ、翌年には結婚しようと言う話になった。
彼氏との関係は紆余曲折があり、一度別れた後によりを戻したりしていたので、結婚という言葉を聞いて正直ホッとした。私よりもずっとロマンティストだった彼氏が、クリスマスイブという日を選んでプロポーズしてきたのだ。
ひねくれ者の私は正直少し恥ずかしいなと思ってしまったのだけど、彼の頑張り計画は嬉しかった。

ここまでであれば、クリスマスに絶望はしない。

結局、この彼氏と結婚はしなかった。
それも結構すごい状態でお別れをした。別れたのは新年早々だ。
だからクリスマスから年明けにかけての時期は、このときのことを思い出し苦い気分になることが多い。
クリスマスにプロポーズするというのはロマンティックなのかもしれない。
でも、もし上手く行ったとしても、翌年以降のクリスマスに過度な期待がかかるかもしれないし、個人的にはそんなに特別な日にしなくてもいいのではないかと思う。
それに上手くいかなかったとき、クリスマスが来るたびに思い出してしまうから、あまりオススメはしないかな。


こんにちは。羽根宮です。
山根あきらさんの企画「絶望のメリークリスマス」に参加しました。

小説でもエッセイでもいいそうです。
今回のものは、所々本当のことを混ぜつつ書いてみました。

お勤めしていたときは、クリスマスは年末前の忙しい時期で毎年残業をしていました。
新年初売りがあり年明けに早く仕事が始まるため、年末は早めに休みに入っていたので、クリスマスあたりは仕事納め直前で忙しかったのです。
そのお仕事を辞めてからはのんびり過ごすようになりました。
でも、特にイベントという感じも無く普通の日として過ごしています。
ケンタッキーが好きな父が、チキンを買ってくるのが風物詩でしょうか。
父以外は好んで食べないんですけどね、ケンタッキー。


読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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