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半笑いのポッキーゲーム【毎週ショートショートnote】

「えっと、右隣の人とポッキーゲームをする」

俺の家にサークル仲間が集まった飲みの席。
箱から罰ゲームの書かれた紙を取り出した愛の言葉に、声が出そうになる。
愛は俺の左隣。つまり愛から見れば俺が右。
相手は俺だ。

6人で始まった家飲みだが、実家組の2人が帰り、今いるのは俺、愛、舞、三井の4人だった。
だらだらと喋っていたが、4人になったところでゲームでもしようと三井が言い出し、ベタだが大富豪をすることにした。
普通にするのではつまらないから罰ゲーム付きで。
罰ゲームは各々が紙に書いたものを箱に入れるくじ引き方式。
三井は愛のことが好きだから距離を縮めようと思ったんだろう。

だが三井、致命的なミスだ。
愛はお前から見て右だが、愛から見たら左だ。
右と書いたならお前が引かなければならない。
女子2人は大富豪に弱い。
負けるのは2人の確率が高いと見ての罰ゲームだったのだろう。
詰めが甘い。

俺は好意を持っている舞に見られながら愛とポッキーを咥えた。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加しました。
お題は「半笑いのポッキーゲーム」です。
ちなみに裏お題の「半タライのウッキーゲーム」は書ける気がしません。

普段あまり固有名詞を使わないようにしているのですが、今回はあった方が書きやすいと思って登場人物に名前をつけました。
文字数を控えるために女の子の名前は漢字一文字です。
三井君、残念だったね。
男性陣が半笑い状態です。
これ、愛と三井君が両片思い状態で、愛も半笑いだったりしないかな。

今まで【毎週ショートショートnote】に参加したものはマガジンにまとめてあります。
ご興味ありましたらご覧下さい。


読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。

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