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Xデザイン学校2022マスターコース#04(22/08/20)

4回目の講座の振り返り(気づきや学び)になります。
今回は「ユーザー調査とユーザーモデル」の講義を聞いた後、実際にユーザーインタビューを行い、エクスペリエンスマップを作成するグループワークを行いました。

インサイドアウトとアウトサイドインをつなぐ

これまでの講義は"お客様に提供したい体験をビジョンから構築する"というインサイドアウト視点(ビジネス/ビジョン視点)であったのに対し、今回の講義では"お客様の実際の体験を調査する"といったアウトサイドイン視点(ユーザー視点)に立つことを行った。

ビジネスにおいて、このインサイドアウトとアウトサイドインの間には、"ユーザーの現状とこうあってほしいという未来"というギャップが発生する。
このギャップを埋める作業がサービスデザインの肝であり、色々な視点を行ったり来たりすることの大切さを再認識した。

外から観て、内から聴く

ユーザー調査において正しい情報を得るために、実際に現場の状況を観察してから、行為の背景をインタビューで明らかにする。(外から観る:何をやっているのだろう? → 内から聴く:なぜそんなことをやっているのですか?)

「人は言っている事とやっている事が違う」という話があったが、正にここに本質的な価値が隠れていて、この部分を明らかにすることが"ユーザーを知る"ということなんだろうと思った。(このユーザーを知る力や、分からないものを理解しようとする力は人工知能にはない)

実務でインタビューをする機会も増えてきたが、インタビューだけを行っても新規事業のネタは生まれない。
調査の目的を認識し、どの手法が今の状況に適しているのかを判断し、場合によっては複数のリサーチ手法を組み合わせて使い(トライアンギュレーション)、質的調査の品質を高める必要がある。

不変的な価値観を捉える

インタビュー調査において、対象ユーザーが"どんな行動をしているのか"を知ることよりも、"どのような価値観を持っていて、どのような人物であるか"といった不変的なものを捉えることが大切。

ユーザーの行動はその時の状況や環境によって変化するが、価値観や人の内面は簡単には変化しない。そのため、どのような行動をしているか?今どんな課題があるか?といったことを調査しても、表面的な理解になってしまう。

一方で、初対面の人に自分の内面をペラペラと話す人は存在しない。相手の回答に対して適切な質問を繰り返すことで本質に迫ることがインタビューの鍵になる。

バウンダリーオブジェクトをデザインする

(カスタマージャーニーマップに限らず)既存のテンプレートは役に立たないことが多いという話はなるほどなと思った。

一口に"体験を視覚化する"と言っても、現状を把握したいのか?課題を発見したいのか?複雑な手続きを視覚化したいのか?などの目的に合わせて、相応しいエクスペリエンスマップをデザインする必要がある。

ビジネスやプロジェクト関係者にとってのバウンダリーオブジェクトをデザインするという視点で考えると、カスタマージャーニーマップを"ユーザー視点での体験を時系列に書き出すもの"から、"様々なステークホルダーとの共創に役立つもの"と置き換えることができる。

既存のカスタマージャーニーマップにこだわらず、ビジネスやプロジェクトに応じて、視覚化することで何を伝えたいのか、それに相応しい軸は何なのかを考え、多様な体験を視覚化できるように心がけたい。

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