アタック・オブ・ザ・キラートマト

愛すべきクソ映画の代名詞である。
本当にビックリするぐらい映画としてはどうしようもないのだが、こういった駄作やクソゲーといった類のものがなぜ中途半端なものより愛されるのかが詰まっている。

映画はwikipediaによると1978年公開。
この頃は当然ながらCGやらVFXといった技術があるハズもなく、しかしこのようなフィクションを実写で撮ろうという心意気は素晴らしい。
CGで世界を圧倒した「ジュラシック・パーク」は1992だか3年、頑張ってるな〜という「ロボコップ」が1987年、「ゴーストバスターズ」が1984年頃。
そう考えるとまだまだ特撮のように撮影方法でどうにかする時代。
予算の差は当然考慮すべきなのだが、特撮の代表作「ゴジラ」は1954年と考えると、カラーである以外に進歩を感じられないのはちょっと面白い。
「東海道四谷怪談」は1959年だが、クライマックスのシーンは令和の今見ても素晴らしく、初見では……というより見ただけでは我々素人はどう撮影しているのか想像もつかないだろう。
ググったら出てきた。
しかし、稚拙ながら「アタック・オブ・ザ・キラートマト」(以下「キラートマト」)も撮影には技巧を凝らしており、逆再生を用いていたり、コマ撮りもしているのかな?と、結構頑張っている。

そんな「頑張っている感」と作品の「シュールさ」、そして何より演者やスタッフたちが制作を楽しんでいることが伝わってきて、中身などどうでも良くなってくる。
頭をカラッポにして、その滑稽さを笑って楽しむ。
少々の雑味はその笑いで乗り切る。
だからこそ「キラートマト」は今も愛されている。

ただし、もう一回観るか?と言われると時間が勿体無いので笑って遠慮しておく。

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