Wren

反逆家。音楽屋。創作人。 Pan-Pot Record \ RösenDorfer

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マガジン

  • 創作の記憶

    これまでに履修してきた作品の思い出語り 僕を形成していきた創作物の履歴 思いつきで書くので内容も順番も更新も適当 チラシの裏に書いてる気持ち

  • 歌詞カード

    Pan-Pot Recordでリリースした楽曲の歌詞カードです。 一部の歌詞カードには楽曲解説がついています。

  • 作曲論

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【歌詞カード】Ily

Wrenです。 クリエイターたる者、同志でありライバルでもある人の作業風景や制作手法・拘り・創作思想にめっちゃ興味ありません? 僕はあります。 よく聞かれるものでは「曲はどこから作りますか」とか「曲と詞どっちを先に作りますか」みたいなものがありますが、僕は「どういう想いを込めて(ロックを持って)この詞を書いたんだろう」とか「このワードを選んだのはどうしてだろう」とか「この場面で転調した意図は……」「どう考えたらこんな曲の構成が思いつくんだ?」「使用機材は?」等々、良い音楽

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    • METAL GEAR SOLID

      「METAL GEAR SOLID」(以下シリーズ総称含め「メタルギア」)との出会いは、父が夜な夜なコッソリやっていたPS1の所謂「MGS1」だ。 その頃の父はまだ若気の至りを残していて、仕事から帰ってからゲームをするのが日課だった。 ちょっと話しがそれてしまうが、父は家柄が厳しく、時代も相まってゲームを知らずに育ち、趣味はバイクだった。 結婚して子供ができたのを機にバイクを降り、その穴を埋めたのがゲームというワケだ。 当時の僕は銃を撃つゲームというイメージしかなく、「バイ

      • なるたる

        鬼頭先生の作品で最も有名なものは、文化庁メディア芸術祭でも受賞歴のある「ぼくらの 」だろう。 「ほくらの 」に比べると知名度は劣るものの、この「なるたる」もファンの間では人気が高く、名作の陰に隠れた名作だ。 作風は「ぼくらの 」と同じく、セカイ系と言われるようなジャンルに入るだろう。 ロボット的なものは出てこないものの、生物なのか非生物なのか曖昧な独特のデザインはとてもよく似ていて、ミリタリー成分もしっかりある。 コエムシのようなマスコット風のキーキャラクターも登場し、子供

        • 少林サッカー

          コメディー映画というのは大抵の場合は一度見たら十分で、やはり笑いには鮮度があるなと思うし、考察の余地がないとどれもう一回とはなかなかならない。 この「少林サッカー」は数年おきに観たくなる魔力がある。 ふとした瞬間――例えば、カンフー映画のCMを見た時。 サッカーのスーパープレイを見た時。 裸足や履き潰した靴で過ごす発展途上国の映像を見た時。 バブル期のあの肩パッドファッションを見た時。 そんな時に思い出しては、ちょっとリピート欲求が生まれる。 監督兼主演のチャウ=シンチー氏

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        【歌詞カード】Ily

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        記事

          あしたのジョー

          マンガといえばスポ根!といった時代の名作「あしたのジョー」だが、意外と「知っているが履修してない」という人ばかりなのではないだろうか。 特に力石戦を物語のクライマックスと考えている人は多く(気持ちは分かるが)、その後の世界戦まで話が通じる人は少ない。 ジョーはドヤ街のチンピラなのだが、ここに当時の時代背景が見える。 そもそも現代日本では「ドヤ街」は存在せず――もしかしたら存在するかもしれないが――日雇いでその日暮らしという人も少ない。 そして野球を初めスポーツ等の一芸で一発

          あしたのジョー

          アタック・オブ・ザ・キラートマト

          愛すべきクソ映画の代名詞である。 本当にビックリするぐらい映画としてはどうしようもないのだが、こういった駄作やクソゲーといった類のものがなぜ中途半端なものより愛されるのかが詰まっている。 映画はwikipediaによると1978年公開。 この頃は当然ながらCGやらVFXといった技術があるハズもなく、しかしこのようなフィクションを実写で撮ろうという心意気は素晴らしい。 CGで世界を圧倒した「ジュラシック・パーク」は1992だか3年、頑張ってるな〜という「ロボコップ」が1987

          アタック・オブ・ザ・キラートマト

          ここは今から倫理です。

          倫理って何だろうか。 それを考え続けることが倫理学なのだろうなと思いつつも、だからこそよく分からない学問だと僕は認識していて、少し忌避感がある。 倫理や哲学は正直こじつけのような理論や思想が多いし、それらの有り難い言葉が実生活で役に立ったことなど全く無い。 ところが、この作品で細かく分けられたエピソードを読むと、なるほどその思想や理論を用いるシーンが分かりやすい。 倫理の話をするために作られた物語なのだから、当てはめられるのは当然なのだが。 作品は倫理を担当している高柳先生

          ここは今から倫理です。

          プレデター

          みんな大好きアーノルド=シュワルツェネッガー氏が主演のアクションSFで、モンスターやクリーチャー系の金字塔だ。 そんなプレデターだが、その性質は他の作品とはかなり毛色が異なっている。 こういった未知のモンスター・クリーチャーはみな意思疎通が取れないし、残虐さに微塵も理性がないことが「我々とは相容れない」と認識する、本能的な恐怖に働きかけるタイプが殆どだ。 しかし、プレデターは第一作からその王道とはかけ離れた設定を持ち、そして最初から完成されたデザインで登場する。 人類以上の

          プレデター

          狼と香辛料

          「狼と香辛料」は支倉先生によるライトノベルが原作なのだが、これがデビュー作というのだから凄い。 ライトノベルらしいファンタジー要素を取り入れつつも、経済という堅苦しくて複雑なテーマを描いていて、推理小説を読んだかのような快感がある。 僕は実は原作は未履修でアニメだけ履修したのだが、マンガにゲームに幅広くコンテンツは展開し、そして細く長く続いている。 展開した中にはVRを用いた当時では先進的な試みもあり、このコンテンツ自体が興味の対象になっている。 僕はナンチャッテではあるが

          狼と香辛料

          ミスト

          スティーブン・キング作品の映画はどれもハズレが無い上、ホラーからヒューマンドラマまで幅も広く、オススメの映画教えて〜と言われたら取り敢えず挙げている。 「ミスト」は、そんな中でSFホラーといった感じたが、読後感のようなものはとても重く、「後味が悪い」「胸糞」ともよく評されている。 一部クリーチャー的なグロテスクさがあり、パニック系ではあるものの、基本的にはジメっとした陰鬱な雰囲気と閉鎖空間による不安感が生み出す恐怖である。 ある意味、邦画ホラーと似たような空気が終始充満して

          ミスト

          無職転生~異世界行ったら本気だす~

          これは、スゴい作品である。 今や異世界転生モノなど掃いて捨てるほど存在するワケだが、このブームを引き起こした作品と聞いている。 それだけでも日本のサブカルチャー界では重要なタイトルで文句ナシだが、僕が評価するのはそんな星の数ほどある異世界転生モノの頂点に輝いているからである。 スナックコンテンツとしての男性向けの異世界転生モノは、大方現実世界で不慮の死を遂げ、場合によっては神様みたいな奴と関わったりした後、ファンタジーの世界へ転生する。 転生といいつつも産まれ直すワケでもな

          無職転生~異世界行ったら本気だす~

          ブレンパワード

          いのまたむつみ先生がなくなって少し経った(記事執筆時現在)。 いのまた先生と富野監督の異色のタッグで生まれた「ブレンパワード」は、やはり異色の作品だと思っている。 一応はロボットアニメの分類だが、ロボットには意思があり、それはAIだとかでもなく、「エヴァンゲリオン」のようなものでもない、生命体として存在している。 富野監督といえば誰もが真っ先にガンダムを挙げるが、こういうのも手掛けていたんだ……と初見時は驚いたものである。 尤も全裸のヒロインたちが浮遊していくオープニングは

          ブレンパワード

          M3GAN

          ヒロイン(?)のダンスで話題になった「M3GAN」(以下「ミーガン」)は、この手の洋ホラーでは珍しく現代的で、誰もが「チャイルド・プレイ」のチャッキーを思い出したのではなかろうか。 令和版チャッキーという感想は僕も全くの同感で、しかし「ターミネーター」のような悪意が機械的あるいは論理的に形作っていく近未来SFでもある。 それこそAIが台頭してきた現代だからこそホラーとして評価されており、そうでなければ「ターミネーター」かぶれのB級止まりだったのではないだろうか。 すでに「チ

          とある飛空士への追憶

          ライトノベルというと、今では俗に言う「なろう系」を中心に10代半ばをターゲットにしたコメディカルなものが非オタクの印象だと思う。 元々が官能小説の流れを汲んでいると認識しているが、「ギャルゲー」や「エロゲー」に分類されるような女の子がいっぱい出てくるシナリオで結構性的描写を含む作品が多いというイメージもあるのではなかろうか。 少なくとも、現ストレートエッジ社の三木一馬さんが大活躍していた時代が直撃する世代である僕がそういうイメージだ。 そんな中で、電撃文庫とガガガ文庫は結構

          とある飛空士への追憶

          かいけつゾロリ

          前回が児童書の話をしたが、児童書ついでに残しておこうと思ったタイトルが「かいけつゾロリ」だ。 広い世代から今なお愛され続けている「かいけつゾロリ」シリーズだが、最も世代が直撃しているのはチビ〜ガキの頃にTVアニメシリーズが放送していた僕ら世代だと思っている。 「ほうれんそうマン」シリーズのスピンオフとして始まった作品だと記憶しているが、基本的には別物と認識している。 ちょっとお下品(と言ってもおなら程度だが)な作品と自称しているものの、中には子供向けの謎解きがあったり、時事

          かいけつゾロリ

          IQ探偵ムー

          「IQ探偵ムー」はジャイブ社・ポプラ社からカラフル文庫レーベルで出版された児童向けの推理小説シリーズで、姉妹作品に「IQ探偵タクト」がある。 御長寿児童書といえば「黒魔女さんが通る!!」なんかが有名だが(記事執筆の前年ぐらいに完結したと思う)、「IQ探偵ムー」もかなり巻数を重ねた作品である。 出会いは書店に平積みされた表紙。 まだまだ女の子に興味の薄い頃ではあったが、表紙に描かれたヒロイン「茜崎夢羽」の不思議な雰囲気と衣装デザインに惹かれ、柄にもなく衝動買いしたことを覚えて

          IQ探偵ムー