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膠原病(SLE)と、初めての妊娠の話。

中学3年生の夏

私は膠原病のSLE(全身性エリテマトーデス)と診断されました。

当時医師からはこの病気と一生付き合っていくということ、薬による副作用のこと、様々な合併症が今後起きる可能性、妊娠ができるのか等...さまざまな説明を受けました。

正直その頃中学生の自分にはどこか他人事。

特に妊娠や出産に関しては、自分がその状況になるまでは真剣に向き合っていませんでした。

1番初めに妊娠した子

当時私は30歳、病気がコントロール出来ていない中での妊娠となりました。

担当してくださった先生方は、出来るだけ母体も赤ちゃんのことも考えながら治療を進めてくださいましたが

原因は不明ですが19週となった日の検診にお腹の中で亡くなっていることが判明。

前日の夜に子宮の下部がずっと痛かったので、もしかしてあの時赤ちゃんは苦しかったのかなと思い出すと今でも胸が痛みます。

SLE患者に多い抗体

SLEの病気では合併することの多い抗リン脂質抗体症候群(APS)は、血栓症が起こりやすくなり赤ちゃんに栄養がいきにくくなるそうです。

私もこの抗体を持っていることもあり、妊娠中はヘパリン自己注射というものを1日2回行いました。

それに加えバイアスピリンという薬も使用していましたので(出血のリスクが加わる)お腹の中で赤ちゃんは亡くなっているもののすぐに出すことはできませんでした。

亡くなっていることがわかってから

出産の日程と当日の流れの説明を受けました。

先生によるとお腹の中で赤ちゃんは亡くなっているものの、お腹から出す必要がある。

ただし飲んでいる薬の関係もありすぐに出せるというわけではなく、ある程度日数を空けて(うろ覚えだけど1〜2週間空けたかと)計画的に日程を組んで分娩をする。

日程はたてたものの、その間に陣痛がきて出産することもあるそうでその説明も受けました。

計画分娩当日

それからはお腹に亡くなった赤ちゃんを抱えたままの生活を送りましたが、何と出産を計画した日の早朝、いつもとは違うお腹の痛みが数分おきに繰り返されトイレで出血が。

陣痛が始まり、電話をして急いで病院へ向かいました。

自宅から病院まで1時間弱かかる距離があり車の中で痛みに耐えながらやっとの思いで到着すると、緊急出入り口へ看護師さんが車椅子で迎えにきてくれていてそのまま分娩室へ。

何度かいきむと、すぐに赤ちゃんが出てきてくれました。

20週と4日のその日、バルーンを子宮へ挿入して赤ちゃんを出す計画でしたが、自分で出てきた我が子。

死産となってしまいましたが、あの時”お母さん頑張ったよ”って言っていたような気がしています。

両手でおさまるくらいのサイズの赤ちゃんで、手も足も顔もしっかりと人間の形をしていました。

"しっかりと自己管理ができていない状態で妊娠して、苦しい思いをさせてごめんね”

と心の中で祈りました。

SLEと妊娠・出産

SLEという病気は女性に多い病気だそうで、『妊娠・出産』という点で気になる方も多いかと思います。

現在はというと、3歳の息子と3ヶ月の娘に恵まれ生活中。

数ヶ月前に出産しましたが、病気がコントロール出来た状態で主治医の先生から許可を得た上での妊娠・出産でした。

やはり何も持病がない方と比べると、注意しなければならない事はいろいろありますし、いわゆる一般的な出産とは異なる点も多いと思います。

ですが、子どもを授かることが不可能な病気ではありません。

妊娠を考えている同じSLEの方は、主治医の先生にしっかりと相談をして病気と向き合いながら妊娠・出産を進めてほしいと思います☺️


**最後まで読んでいただき、ありがとうございました**

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