3ステップ・ライター成長塾

黒澤晃 ◎元博報堂、コピーライター/CD◎バンドやってます。弾きます。歌います◎文教大…

3ステップ・ライター成長塾

黒澤晃 ◎元博報堂、コピーライター/CD◎バンドやってます。弾きます。歌います◎文教大学、横浜美術大学の非常勤講師◎私塾の黒澤塾も人気。博報堂時代から多くの優れた人材を育てる◎3ステップ・ライター塾の主宰・講師◎著書「これから、絶対、コピーライター」「20歳からの文章塾」など

最近の記事

市民型クリエイターになって、社会を動かしてみませんか。

今、新しいクリエイターが求められています。では、それはどんなクリエイターなのか。 セミナーで福岡へ。9月24日、講師で「クリエイターのキャリアについて」を話してきました。 文部科学省・就職・転職支援のための大学リカレント教育推進事業「社内クリエイター養成プログラム」。その文科省のプログラムを事業構想大学院がサポートする形で運営しています。参加者の最終課題は、ECサイトの立ち上げと運用。いい課題ですね。 数多くの講座があり、実践的な学びの場も用意されています。当日の会場は

    • セミナーに出ても、本を読んでも、行動変容できずにモヤっているあなたへ。

      セミナーに出ても、本を読んでも、あまり成果がでない。いろいろスキルを学んでいるんだけど成長実感がない・・・・そんな人が増えている気もします。 知識を貯める学習にとどまってしまい、行動を変える学習には至りつかない。どうしたらいいのだろう。モヤモヤしている方も多いのではないでしょうか。 コピーライターとして多くの後輩を育ててきた僕が、今、考えていることを紹介したいと思います。 前回書いた、「拾う人」にも関連があることです。ヒントになればイイなぁと感じています。 突然ですが

      • 拾う人に会えるかどうか。で、あなたは変わります。

        「書く人」と「拾う人」がいることをご存知ですか。 先日、ツイッターでこのことを呟いたら反応が強かったので書いてみます。 コピーライターは初心の頃は、じぶんの書いたコピーに優劣がつけられません。もちろん、これはいいかな、とかの淡い感触はあるのですが、クリアーにはわかりません。例えば、打ち合わせでディレクターに「君がいいと思っているのは、どれ?」と聞かれておそるおそる「これだと思います」と言うのですが、こんなふうに返されることが頻発します。 「うん、それかぁ。それはあまり良

        • 働くことと自分らしさとはどんな関係なんだろう。堀リホのデザイナー生活。

          一人の働く女性がいます。彼女はデザイナーで、毎日を確かな足取りで歩こうと決意していますが、迷いも疑問も失望も、いろいろと心に溢れます。でも、たとえ遠くても自分らしい未来に向かって少しづつ歩いて行こう。そんな感情を抱いて生きています。80年代。東京の真ん中の、とあるビルから物語は始まります。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー デスクから東京の大きな空が見えている。 夏の5時。空はちょっとだけ赤く染まりかけている。 時間がスピードを落として

        市民型クリエイターになって、社会を動かしてみませんか。

          漱石の内側からの視点。そのドラマ性について。

          人と会えず、家にこもりがちになる。 そんな今の時代に読むと、また違った趣を呈してくる作品がある。 夏目漱石「硝子戸の中」。 中は「なか」と読むのか、「うち」と読むのか。漱石自身が「中」に「うち」とルビをふってあるので、「うち」に違いないのだが、世の中的には「なか」と呼称する人が多いそうである。 この随筆は大正4年(1915年)1月から2月にかけて新聞に発表された。死の前年、「こころ」と「明暗」の執筆の間に書かれた。 冒頭部を書き出してみる。 硝子戸の中から外を見渡

          漱石の内側からの視点。そのドラマ性について。

          「あ、うまくなってる!」 文章力をリアルにあげる<プロセスX>

          文章がうまくなりたい人に、こっそり早道をお教えします。 早道なのですが、ちょっと時間がかかるやり方です。 やってみたら、すごく手間だった!と言う方もいるかもしれませんので、初めに断っておきます。で、もう一度書いておきますね。 そのやり方は、早道だけど、ちょっと時間はかかります。 この点をわかっていただいた方へ、話を進めていきます。 「見違えるほど文章がうまくなる」「差がつくメール文の書き方」「共感をもたれる文章とは?」とかのタイトルのスキル本、Webサイトがいろいろ

          「あ、うまくなってる!」 文章力をリアルにあげる<プロセスX>

          女性が会社で普通に働く。その当たり前まであまりに遠い道のりでした。

          「女性が会社で普通に働くだけでも、大変でした」 彼女は銀座の中華レストランでそう言った。 1985年、男女雇用機会均等法が出来た。その法律を適用される新卒女子として彼女(「K.ゆり子」としておこう)は僕がいた博報堂にやってきた。男女で雇用が違う、給料が違う、待遇が違う、昇進速度が違う、福利厚生が違う時代だった。その法律はそれを是正しようと、MUSTではなく努力規定として施行された。 ゆり子は新人コピーライターとしてやってきた。なぜか彼女が僕のいた制作局に初めて出勤した瞬

          女性が会社で普通に働く。その当たり前まであまりに遠い道のりでした。

          機械の命ずるままに言葉を選んでいませんか。言葉の自由について。

          言語を機械任せにしていいのでしょうか。 この問いかけを考えてみます。 <横浜>という街には5つの表記があり、不思議にも、それぞれがかなりの頻度で使い分けられています。なぜなのでしょうか。 「横浜」「ヨコハマ」「YOKOHAMA」「横濱」「よこはま」 この5つが使い分けられています。横浜名を冠した曲をみてみると、 「よこはまたそがれ」 「ブルー・ライト・ヨコハマ」 「追いかけてヨコハマ」 「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」 「ヨコハマ・チーク」 「横浜イレブン」 「Y

          機械の命ずるままに言葉を選んでいませんか。言葉の自由について。

          つまりは、どれだけ思いを込められるか、だ。宣伝会議賞のあるコピーをみて思った。

          17年は長い。しかも25歳から40代の半ばまで。人生のバリバリ期を僕は、あるクライアントにべったりとなった。 そのクライアントは、SONY。 「黒ちゃんは、ソニー漬けだからなぁ。もう発酵しちゃってるんじゃないの(笑)」とか、「な、黒澤。そろそろ、他のクライアントやったら? 芸が広がらないよ」とか。博報堂の先輩からいろいろ言われるほど、黒澤=SONYだったように思う、あの頃。 あの頃、とはどんな頃かと言うと、初めて担当したのは、ウォークマンが登場して間もなくの頃だった。次々

          つまりは、どれだけ思いを込められるか、だ。宣伝会議賞のあるコピーをみて思った。

          CityPopはなぜ世界の心をつかんだのか。ある奇跡のストーリー。

          雨のしずくが伝う窓から、華やかな街の灯りが見えていた。タクシーが走るたびにその明度と色彩は、刻々と変化していく。 思わずため息をつきたくなるようなシティライトが、心の奥にキラキラとした粒子になって沁みていく。 ウォークマンのヘッドフォンからは、音楽が聴こえていた。 街のノイズもタクシーの走行音も運転手のおしゃべりもすべて無音で、音楽だけが僕の内側を流れていた。それを聴きながら見る六本木の夜は、ミュージックビデオのワンシーンのようで、あふれる詩を感じさせた。 若い僕は東京で働

          CityPopはなぜ世界の心をつかんだのか。ある奇跡のストーリー。

          コピーを考えなさい。あなたがイキイキとしたあなたになるために。

          大学で「コピーライティング」の授業をやっています。文教大学情報学科、非常勤講師です。情報学科は湘南・藤沢にキャンパスがあります。 その学びの場には、いろんな発見があります。ヒントになればと思い、今回はその話をしますね。 コピーライティングを授業にしている大学は珍しいそうです。定員40名(3年/4年生)で、人気の授業です。抽選で落ちて1年待ちました! 履修できて良かったです!と言う学生も少なくありません。もう4年やっています。若い学生は感受性のアンテナがピッと立っていて、変

          コピーを考えなさい。あなたがイキイキとしたあなたになるために。

          行き場を失っている感性のために

          僕らには感性があります。 その感性がいい状態だと今日はうまく行っていると思うし、そうでないとどんよりと濁った気分になります。 日々さまざな事象にゴタゴタ遭遇していると、どうしても感性は不自由になり、伸びやかさを失うことになります。思わずゴタゴタの整理のために無理やり理屈を作ったり、そこに自己嫌悪をわずかに覚えたりもします。 感性を一人称で喋らせると「どこか気持ちのいい空に飛びたいけど何だか、飛べないなぁ、このところ」、そんな感じでしょうか。感性には翼があると仮定するとです

          行き場を失っている感性のために

          状況Aを状況Bへ変革する。それがキャッチコピーのいちばんの使命。

          ライターの方でも、キャッチフレーズを書くのが苦手という方は多いですね。「見出しを書く時とは使っている頭が違う気がします・・・」。そういう声をよく聞きます。 そして、それはほぼ事実なのです。コピーライターはキャッチコピーを書く時に、実は文章の流れはまったく考えていません。そもそも文章の感覚は皆無で、言葉だけを拾い上げている感覚です。 役割、あるいは目的が違うことをしていると言ってもいいでしょう。ひとつの例をあげて話をします。 コピーライターの名人・眞木準さんに「踊れるバー

          状況Aを状況Bへ変革する。それがキャッチコピーのいちばんの使命。

          文体。それはあなたの人生を変えるほどのもの。

          文体は、文章の顔です。その顔つきで、印象がまったく変わってしまいます。文体の選択を間違えると、内容によからぬ影響を与えます。 就活生に「ESを書くときに、〜である、がいいですか。〜です、がいいですか」とよく聞かれます。伝えたい気持ちが強いほど、思いを込めようと願うほど、文体に注意がいくのだと思います。 文体には、さまざまな種類があります。が、僕のように、コピーライターを長くやっている人間は、あまり自分の文体を持っていません。というのも、女性ターゲットのファッション広告と男

          文体。それはあなたの人生を変えるほどのもの。

          3ラ塾、第2期、スタートです(塾長/黒澤晃)

          3 ラ塾、ご応募ありがとうございました。 課題が3つあるにもかかわらず、しかも、年末年始のお忙しい時期にもかかわらず、昨年より多くの応募がありました。重ねて感謝いたします。 塾生になられた方、おめでとうございます。いい講座といい演習だったと、言われるように頑張っていきますので、よろしくお願いします。 ライティング経験がある方、ライターとして仕事をされている方もいらっしゃいますので、レベルを高く設定してやりたいとも考えています。 課題1は「案内文」。課題2は「キャッチフ

          3ラ塾、第2期、スタートです(塾長/黒澤晃)

          いいキャッチフレーズは、行く先を決めます。

          言葉には目的があります。使い道が意図され、用意されています。言葉の有用性ですね。 その代表的なものが、広告のキャッチフレーズです。キャッチフレーズには、文字通り人の目をキャッチし、共感させる目的があります。短い言葉で、その目的をかなえようとするのですから、コピーライターは大変です。 Web広告では、キャッチフレーズの効果をテストすることもありますし、その効果を数値化する場合もあります。言葉という、曖昧模糊とした、属人的な、多様性を持った、座標軸が定かではない、感性の塊のよ

          いいキャッチフレーズは、行く先を決めます。