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夏休みの課題図書「ヘルスケアの進化」

【人生100年時代】

そう、何もしなくてもこの時代はやってくる。であれば、「より充実した100年で完全燃焼!」となるように…と、20年間モノづくりに打ち込んできた。数年前、1人の大切な女性に出会った。女性は男性とは異なり、ほぼ毎月「痛み」の悩みを抱えていることを教えてくれた。それまで「悩みの対処はお肌・心」だと思っていたが、「痛みから生じる悩み」は絶対に放ってはおけない。「痛み」こそ手助けが必要だし、難しいことは知恵を出し合い、出来ることはどんな小さなことでも行って、なんとか「痛くない」の状態になるようにしたい。
夏休みの課題図書をいただいた。候補は3冊。3冊とも中身を少しは確認したが、タイトルと表紙絵を見た時から心は決まっていた…【ヘルスケアの進化】。 私にとっては【痛みケアの進化】と見えたかもしれない。とにかく“痛み”を少しでも早く、1つでも多くなくして、悩みの少ない人生100年時代を迎えられるようにしたい。

課題図書【ヘルスケアの進化】はアクセンチュアによる監修で、5つのシナリオに分けて示されていた。それぞれで感じたことを記す。


❶ 病気にならない未来

早期の疾患予測・予防としてAIの活用が取り上げられることが多いが、「ヘルスケア分野でのAIの活用は遅れている」とも聞く。この章ではアプリ・血液評価サービス・遺伝子解析によるモニター事例が紹介されていた。筋トレに励む人がSNSにおいてジムの風景をあげるシーンは目にするが、近い将来「早期予測シーン」をSNSで目にするようになったら、「病気にならない未来」がかなり近づいていると思っていいのかな…とも思った。また、「発症につながる社会的決定要因に着目し、その環境を改善することで発症を減らす」という考え方が「0次予防」というワードで紹介されていた。これこそ「未病/養生」という漢方の考え方と同じだなと感じた。一般ヘルスケア(=西洋ヘルスケア)に漢方の考え方がなじみ始めていることを嬉しく感じた。

❷ 病気になっても根治出来る未来

ゲノム・個別化医療による個別の患者に合わせた治療、再生医療・細胞治療という新しい治療法による「根本治療」について語られた章。中外製薬様の例で「患者さんの医療情報が時系列で把握できる電子カルテのデータは、診断結果や様々な画像を記録するためのものとの認識で、活用するコンセプトで設計されていないため活用がしにくい。」と記載されていた。この点は「どこも一緒の状態なんだな…」と強くうなずくことが出来て新鮮だった。Heartseed様の「Novo Nordisk様からの2000本ノック」のくだりはとてもワクワクした。この熱さに負けたくないな!と感じながら読んだくだりだった。MyMedicine様の「漢方の未病という概念に通じるところがあるが、病気はもっと連続した変化として捉えられるべき」のくだりに「そうそう!良い事言うね。」と感動した。
「薬は対処療法」という固定概念があったが、熱い魂を持った方がいらっしゃることを知れて嬉しくなった章だった。

➌ どこにいても必要な医療にアクセスできる未来

「どこにいても必要な医療にアクセスできるメディカルネットワーク」。これこそが、誰もが平等に「人生100年時代、完全燃焼!」を実現するために必要なことだと感じた。福島県立医科大の事例で「医療の最初の窓口として存在感を増す“総合診療医”」が紹介されていた。縦割り分業で「この症例はあちらが専門…」とたらいまわしをするのではなく、「地域や病院のニーズによって、どんなふうにも働き方を変えるドクター」を“総合診療医”と表現していた。これを体現するには相当な経験と知識が必要だと思う。医療分野に限らず、一般企業でも社内都合による部署異動が起きることがある。“異動”という言葉に対してポジティブ・ネガティブ様々なイメージが持たれやすいが、この章を読む中で“異動=総合活動へのきっかけ”と思うとポジティブな印象が割合を増した。
この章は地域に根付いたシステムについても記載されていた。国内のオンライン診療成功事例として「品川モデル」が紹介されていた。すごいな、品川。また、24時間365日体制の救急医療を支える「熊本方式」も紹介されていた。確かに、熊本市は病院が多い(笑。

❹ 安定して自分らしい生活(QOL)を送れる未来

ひらやまのクリニック様の対談にて「日本人は自分の健康を人に“お任せ”することに慣れてしまっている。」の記載を読んで、「まさに!その通り!」と思った。本書のいたるところに記載されている「日本は国民皆保険であり、病気になったら安価で治療が受けられる。だから健康意識が低い。」が理由なのかもしれないが、自分の身体のことは自分が一番わかっている。痛みを10段階で表現した場合に「7!」と言い切れるのは自分だけ。
ただ、“お任せ健康”だった方でも、「7!」と表現できる方でも、「痛み」が生じている状態は放っておけないのでやっぱり取り去りたい。その手助けをしたい!と改めて感じた。
患者にとって医療の最初の窓口であり、地域全体を統合的に考える「プライマリケア」。➌と関連するが、総合診療医である「プライマリケア医」。1人ひとりに対面したパーソナライズケアができる介護システムについての議論はとても興味深い章でした。

❺ 誰もが幸せに生きる未来

未来のことを記載する章なので、ページ数も少ないですね(笑。これからどんどん事例が増えていくと思われます。その一端に記載いただけるような活動が出来れば幸いです。
「ウェルビ―イング社会」…約3年前ぐらいから耳にし始めた言葉です。ちょうどその頃に大切に想いたい女性に出会い、「痛み」のことを教えてもらいました。私にとっての「ヘルスケアの転換点」だったように感じています。これまでに多くの方々に恵まれて、仕事のやり方・可能性の世界の広げ方…などを教えてもらうことができましたが、この“転換点”は人生でとても大きな出来事と感じています。これからの未来でも大切にしたい嬉しい出来事です。

【まとめ】

今年の夏休みは暦の関係で、8月11日(祝)~14日(月)の4日間(あれ⁉15日がそもそもお盆じゃなかったっけ?16日の盆送りは…💦)。普通の週末のような感覚を覚悟していたのですが、「夏休みの課題図書」を偶然いただくことができて、記憶に残る夏休みになりました(嬉。
どの業界にも「一生懸命頑張っている、やりたいこと(=仕事)に打ち込んでいる人」はいます。「一生懸命頑張っていることのトレードオフとして本人の健康を損ないがち…な人」もいます。レトルト・冷凍食品が充実してweb会議が普通になった昨今、とても多く見られる事例に感じています。ただ、「ヘルスケア業界」に属していてみんなに健康発信を頑張っている人が「トレードオフで不健康になること」はどうしても見過ごせませんでした。なぜならば「他人のヘルスケアを願った分、その人にも同等のヘルスケアを纏って欲しい」から。でも現実は、時間が無い・食事は後回し・スケジュールに追われる・夜遅くまでPCカタカタ…が毎日続くと思います(←とても良いことです!素敵です!)。だからこそ、国際薬膳調理師として出来ることを傍でしてあげたいと感じます。人生で最も大きな転換点をくれた冒頭の女性が、まさにその人です。

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