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【堀江愛利&澤円 特別対談】自分のワクワク、ビジョンを掘り当てるには?【第三章】By Hito Institute

2019/8/5開催『シリコンバレー発:未来を創るイノベーティブリーダーシップ育成塾とは? 〜 Global Innovative Leadership Program in Silicon Valley 〜』より
Hito Institute (by Women's Startup Lab) について  

第一章 「自分が生み出す側になる」のが重要な時代になっている
第二章 正直、起業はおススメしない。だが起業家のマインドセットは持つべき

【堀江】 よく大企業さんとお話ししていると、「いやーアリさん、うちもシリコンバレーに来てね~イノベーションを取り入れたいんですけど、シリコンバレー来たけど何もないですね~」となるのですが、別にこの場所、街に来て薬があるわけでもないし、お祭り騒ぎがあるわけでもなく。
シリコンバレーで何が違うかっていうと、やっぱりカルチャー。ある意味カルチャーっていうのは考え方の違い。皆さん来てもらって、いろんな方と話をして、一番最初に言われるのが「すごく(自分は)できるんじゃないか」と思い始める、と。
自分のアイディアを言うと「あそれは気をつけた方がいいけどこういうふうにやったらできるよー」という、とにかく「できる」の会話を皆さんするんですね。「できないんじゃないか」っていう会話ではなくて。

【澤】 それ最近プレゼンのときに、『かもしれない思考』っていうふうに言ってて。こうかもしれないって思って後ろに下がるのが、結構日本人多いんですよね。
「これをやると怒られるかもしれないからやめておこう」とか「これやるとうまくいかないかもしれないからやめておこう」とかって、行動やめるという選択肢を取りやすいっていう特徴あるなって最近思ってるんですよ。
なんで、『日本人は』っていうのをつけちゃうかっていうと、僕と全く同じ立場の人間って全世界に40数人いるんですよ。いろんな大都市にいるんですけど、その連中で集まって話をすると、『かもしれない』で行動しないって選ぶ奴がすっごい少ないんですね。
『かもしれないから、やってみてそのときに考える』っていう、そういうマインドセットの奴の方が圧倒的にメジャーで、ちょっと圧倒されるところがあったんですね。それも特にひどいっていうとアレだけど、特に極端なのがインド人(会場どよめき)。
インド人はとにかく一歩めが速い!まずやる。
だから今、世界を席巻してるんだろうな…と。あと中国もそう。中国人もやってからあとから報告などもザラなんで(笑)
なんで、やっぱそういったところで、今、世界をリードするようになってきてるってことなんだろうなあってのは感じますね。シリコンバレーもインド人いっぱいますもんね。

(会場、QAタイムに)

【会場】 一つ目の質問読み上げます。お二人はビジョンはいつ決めましたか?それはどれくらいのスパンでアップデートされていますか?

【堀江】 はい。私の場合はビジョンっていうことを考えたことがなかったんですけども、モヤモヤがどんどん大きくなりました、と。もういっぱいいっぱい。
なぜかという、38ぐらいのときにですね、母がガンになりまして、母の看病しながら小さい子供を育てました。もう一日中みても、私の時間っていうのがほぼほぼゼロです。
それを何年間か続けた後に母が亡くなり、急に自分の時間がずいぶんと持てるようになったときに、「これだけ頑張ってきた」と。同じ頑張るんだったら、自分の子供だけあるいは自分だけっていうのもちょっともったいないなと思ったんですね。
それで、自分の心がワクワクするようなことをしながら、何か新しいことをしたいというふうに思いまして、そのときに私の場合は、同じ死ぬなら、お金も地位も持っていけないわけだから何が残せるんだろう?と思ったときに、「インパクトのある仕事をして少し自分が頑張ったことで世の中がが良くなればいいな」というふうに思いました。
実は、WSLの前にスタートアップをやっていたんですけど、WSLがどんどん大きくなってしまって、hobbyでやってたんですけど…もともとやっていたスタートアップに戻るつもりだったんです。そのときに、多分自分が始めたスタートアップの方が皆さんかわいいと思うんですね。それを、WSLってみんなのアソシエーションで行くなんて思ってなかったんですけど、そのときに自分のcoreを書いたんですよね。で、『インパクトが一番大きなところに自分を置くべきだ』というふうにビジョンを置いてたので、頭の中では、「いやー、あんなWSLなんてやりたくないよ-」と実は思ってたんだけども、自分のビジョンっていうのが『Make an impact in the world』だというところに帰った時に、「ああこっちに行く方が正しいんだな」と思いまして。自分だけで頑張るのではなくて、100人1000人の女性が成功した方が、より多くのインパクトがあるじゃないですか。それで、WSLというものをそのまま続けようと思いました。
何年にビジョンをリニューアルっていうより、その時々でいいんじゃないですか?気持ちの中で、自分がポテンシャルにやっぱりまだ行ってないなっていう感覚があるとき。
自分に対しての感覚を研ぎ澄ますことがすごく重要だと思ってるので、そこかなぁ。
プログラムでもありますけど、self awareness つまり自分の中のバロメーターを日頃からチェックするっていうのが、ビジョンを見直すきっかけになりそうですね。

【澤】 僕も、このときをきっかけにっていうのが明確にあるわけではないんだけれども、ある程度言語化するようになってきたのは10年たつかたたないかぐらいかなあ?40ちょい前ぐらい。今、50歳なんですけど、40ちょっと前ぐらいだったかなと思いますね。
その時は、お陰様でサラリーマンをやってて。何度も言いますけど、サラリーマンですからね(笑)サラリーマンをやっていると、会社の中でいろいろやるとですね、場合によっては会社の中で褒められるわけですよ。賞もらったりするわけですね。
それがやたら続いたときがあって、毎月なんだか賞をもらって、しまいには、ビルゲイツの名前が付いた賞までもらって、結構会社の賞は、一通りもらったんで。
そのときに、ふと思ったんです。「キャリアをもうそろそろ変えよう。今最高の成功体験積んじゃったから、キャリア変えないと、甘える」ってどっか本能的に思ったんですよね。
それは三十代後半、36,37ぐらいのだと思うんですけど。
なので、そのときからマネージャーに職種転換をしました。
そのとき僕のマネージャーだった人が、すごいこと言ってくれたなと思ったんだけど、「マネージャーになることは素晴らしいことだから、絶対に過去の澤円を表に出すな」というアドバイスをもらったんですね。
僕もそのつもりだったし、それを外部からも言ってもらって。なぜかというと、過去の澤円が、有する成功体験をたくさん持った澤円が表に出した途端にみんな萎縮するし。結果的に圧倒的有利で競争するっていう、ずるい奴になるってことなんですよね。
やっぱりここは、マインドを変えなきゃいけなくて。
他者に対して何かをするっていうときには、過去の成功体験が一番邪魔になるので、それを綺麗さっぱり忘れるってことをする、というプロセスが30代後半に1回ありました。その辺りから、他者に対する貢献をすることが「結果自分一番ハッピーなんじゃねこれ?」って思い始めたというのがありますね。その時期あたりから、だんだん思い始めました。
あと、ちょっと重い話に聞こえちゃうかもしれないんですけど、僕は子供いないんですけど、子供を作らないっていうことを合意事項にして、カミさんと結婚したんですね。
それで今、11年目に入ったところです。それによって、子育て分の時間が僕にはまるまる余ってる状態なんで、これは「他者に対して貢献するっていうところに回せる」という感覚になってます。それは、僕もカミさんも同じで、その余ってる時間っていうのを、どんどんどんどんフィードバックをしていこうじゃないか、還元させていこうじゃないか、というのが今年になってからです。
アップデートっていう意味でいうと、本当に実はAriさんと全く同じ考えで、都度都度でいいかなと。
何らかのイベントが起きたりとか、すごくインパクトのあるような出会いがあったりとか、場合によってはネガティブな事故があったりとかするかもしれないんだけど、そういったときにまたふと気づくことがあって、それが言語化できればそれでまた行動を変えたりとか。あるいは、それこそVision、Missionというのをupdateしていったりすればいいかなと思いますね。

【堀江】 個人的なことが「どうしてその自分のキャリアに繋がるのか?」と皆さん思われるところがあると思うんですけど、実際に、アメリカのFortune 500 companies(註:アメリカの経済誌『Fortune』が毎年発表している国際企業番付)に入っている大きな企業さんの方で、もう40代、PhDの方とか、すごい活躍されてるんですけど、40代あたりで「これをこのまま続けるのは辛い。やめようか…」って思ってる人、結構いるんですよ。
「今までやってきた方式で成功したけど、これをまだ10年続けるっていうのはきつい…」と思う方が多いんですね。

そのときに、アメリカの会社がどうしてそういうこれからのリーダーという人たちを(WSLに)送ってくるかというと、「自分がどうやってscientistになったか?」「自分がどうしてその分野を選んだか?」っていう、元に戻って「本当にしたいこと何か」というのを気づいてもらわないと、自分たちの会社のリーダーたちが、みんな会社のために仕事しすぎて、結局燃え尽きてしまうんじゃないかと。
そういう意味で、かえって「個人でワクワクを見つけちゃうと会社辞めてしまうんじゃないか?」というふうに心配される大企業の方が日本だと特に多いと思うんですけど、
実は、誰も起業家には急にはなりたくないわけですよ。
起業家になりたいんじゃなくて、自分がワクワクすることを毎日少しずつでもしながら、周りの人を巻き込みたい、っていうのが本当は皆したいところで、起業じゃなくていいわけですよね。
それを実際に見つけ、会社の中で少しずつそれができる。イノベーションっていうところでできるといったときに、「起業家のマインドセット」が、起業家にならずしてもこれからどんどん変わっていく社会の中で重要になっていく…というのがポイントですね。

【澤】 企業の中でそのマインドセットは全然持てるし、持ったことでプラスの影響ってすごく大きいですからね。

【堀江】そういう意味では、やっぱり皆さんがビジョンを持つっていうのは、プロセスの中で、会社のためにも個人的にもすごく必要になってくると思います。

(第四章に続く)

◆ Hito Institute (by Women's Startup Lab) とは

◆ GILP / Global Innovative Leadership Program (presented by Hito Institute) とは

◆ Women's Startup Lab Headquarters とは

【第一章】「自分が生み出す側になる」のが重要な時代になっている
【第二章】正直、起業はおススメしない。だが起業家のマインドセットは持つべき


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