バスタイムイズオーバー

本格的に寒くなってきた昨年11月頃、家の風呂が壊れた。
それまで知らなかったが、昨今深刻な半導体不足が起こっているそうだ。そのせいで風呂の修理にかなりの時間がかかると業者に言われたらしい(父談)。
一ヶ月近くも風呂を我慢しろ、など地獄でしかない。毎日銭湯に通う、となっても近所に銭湯もない。
幸いにも祖父の家がすぐ近くにあったので、風呂だけ入りに行かせてもらったりしていた。それでもやはり迷惑をかける訳にもいかない、と思い毎日行く事も出来なかった。
超巨大やかんをAmazonで購入し、お湯を沸かし、それを湯船に溜めて使うという、戦時中の様な方法で風呂に入る。これだと保温も効かないし、仕事が遅番の日は本当に地獄だった。店長とシフトが被った時、割とガチ目に相談に乗ってもらったりもした。

風呂は特別好きなわけでもなかったが、風呂の中で音楽を聴いたり、電子書籍を読むのは結構好きだ。斯く言う今もお風呂の中でこの駄文を書いている。
隣の家からはよくお風呂で熱唱する声が聞こえてきたりして、それも悪くないと思っている。(今日は安室奈美恵のHEROが聞こえてきた)
あと湯船に浸かるとあすけんで運動に見なされて、消費カロリーを稼げるからお得(?)だ。

そして夏が目前になった6月現在、風呂は直ってない。
シフト希望を出して欲しい、と言われた時、うっかり口を滑らせて風呂が直っていない事を言うと、店長に「修理の為に希望休、取っていいよ?」と心配された。職場でもそうだが、通っているマッサージ屋のスタッフさんにも、美容師さんにも心配されている。ここまで家の風呂事情を心配される人間もいないだろう。
先日職場の電話機を増やす、という話が出て、その計画も半導体不足でいつになるか分からない、と業者から連絡が来た。その時も、正直風呂に入れない方が辛いが???と謎のマウントを心中取ってしまって、自分のダサさにガッカリした。

贅沢は言わないので、家でシャワーを浴びさせてほしい。ぬるいお湯の中で切に願う。

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