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「エンタメの根幹」を担うIPに革命を。中学生で芸能界に入り、20代前半で起業家になるまで

「IPの可能性を広げ、世界に衝撃と感動を」というビジョンを掲げ、エンタメ領域で新たなIPの価値を見出す、株式会社Wunderbar(ヴンダーバー)。

これから公式noteでは、IPテックスタートアップ「Wunderbar」を構成する多様なメンバーの素顔や、可能性に溢れるIPビジネスについて発信していきます。

第1回目は、Wunderbarの創業者であるCEOの長尾慶人へインタビューを行いました。中学生で芸能界の門を叩き、高校中退後も名だたるITベンチャーで活躍するなど異色の経歴を持つ長尾。

「人を笑顔にすることが自分の原点」と語る彼がこれまで歩んできた波瀾万丈な人生と、Wunderbarを立ち上げた理由、そして今後の展望について聞きました!

長尾 慶人 (代表取締役CEO)
15歳の頃にジュノンボーイコンテストにて上位入賞後、某大手芸能事務所に所属するも挫折。その後、家庭の事情で16歳の頃に高校を一年で中退し、札幌&福岡で光通信系会社の立ち上げ→上京し色々ありカプセルホテル生活→GMOインターネット→ディーエヌエー→Recustomer(旧ANVIE共同創業)→Wunderbar立ち上げと波瀾万丈な経歴。「自らを超越し、世界を沸かせ」という強いミッションを掲げ、「IPの可能性を広げ、人々に衝撃と感動を」という中期ビジョンに向かってIP×テクノロジーという文脈で挑戦。
Wunderbar HP:https://wunderbar.co.jp/
Twitter:https://twitter.com/keitonagao

父親の死が転機に。世の中のためになる仕事を志した理由

ー 15歳で芸能界を目指したきっかけを教えてください。

生まれた時から、「人を笑顔にすること」が人生のバロメーターでした。その中でもテレビの影響は大きかったですね。テレビ全盛期の時代に、出演者が大勢の人達を笑顔にしている姿を見て、自分も芸能の世界に挑戦したいと思いました。

だけど、現実はそんなに甘くなくて。養成所などで必要なステップを踏んでデビューする人が多い中、私はジュノンボーイコンテストに受かったがために、いきなり芸能界の大海原に飛び込んでしまったんですよね。

オーディションに来ているライバル達も、自分とは熱量が全然違う。平然とバク転をするような彼らを見て、「これが芸能界なら、ここでは生きていけない」と直感し、芸能の道を諦めました。

ー その後、高校を中退してまでなぜ働くことを選択したのですか?

きっかけは父の死でした。

当時の私は、交友関係も派手で中学校からクラブに通ったりと、ずいぶん親に迷惑をかけていました。父は父で、早朝出勤し真夜中に帰るような仕事人間だったので、正直、親子関係は希薄だったと思います。

父が体調を崩して入院した時も、私は家出してて。亡くなる直前、夜中の3時頃、母から一本の電話がありました。私はラウンドワンで遊び呆けており、電話に出ましたがなにも音が聞こえず「何?何の用件さ!」と強い口調で言葉を投げたあと、母の声が聞こえ「今お父さんが亡くなるよ。お父さんに電話かわってたんだよ。お父さん頷いてたよ」と言われその言葉にもならない電話が父との最期が一生の後悔を生むことになりました。

数日後に行われた父の葬儀には、全5階建の会場が埋め尽くされるほど多くの人が弔問に訪れていました。その時初めて、父が今や業界トップとなっている大企業の役員だったと知ったんです。父は、生涯を世の中に与え続け、世の中のために費やしていました。

父が社会に残したインパクトの大きさに、「こんなダラけた人生はやめて、世の中のためになること、与える側の人間になろう」と決心し、一年で高校を辞めました。その後、すぐに札幌の光通信系会社に入ってからは、営業として成果を残し、福岡支社の立ち上げにも関わりました。

ー その後、GMOインターネットやDeNAへの転職、Recustomer(旧ANVIE)の共同創業を経て、長尾さんが大切にしてきたことはありますか?

1つは、「言葉」にすることです。光通信会社もGMOインターネットも、得意だった営業を「感覚的」にやっていました。けれど、誰も自分を知らないフィールドで起業するとなった時、自身の経験や思いを理解してもらうために、「言語化」する力が必要になったんです。

言語化できないと、自分を客観視することでの成長も無いし、仲間を巻き込むこともできない。だから、自分のスキルやビジョンをできるだけ言葉にして、発信するよう努めました。

もう1つは、「感情」を大切にすること

優秀な人が集まり、論理的なディスカッションが行われていても、良い結論に至らない場面を目の当たりにした時に「リスクより、自分達が成したい思いが大事なんじゃないの?」と思わず声をあげたことがあります。最終的には、その言葉で皆に火がついて、軌道修正をすることができました。

結局、論理に勝つのは「感情」なんですよね。私はずっと感情で動いてきましたが、AIが台頭している時代だからこそ、人間にしかできない判断や思いが人を動かすと思います。

コロナ禍で蘇った10年越しのエンタメへの思い

ー 共同創業を経て、自身で創業しようと思った理由を教えてください。

10年越しに、エンタメへの思いが蘇ってしまったんです。

ちょうどコロナが流行り始めた頃で、繋がりのあった芸能関係者が仕事が無くなる姿を目の当たりにして。当時、Recustomerで建設業界の企業向けにSaaSを提供していた私は、「自分がやっていること」とコロナ禍で「自分がやりたいこと」のギャップに気づきました

一方で、 16歳で早々に芸能界を諦めたことへの後ろめたさもありました。当時、時間もお金も費やして応援してくれた多くの人に申し訳なくて、エンタメ業界には二度と戻れないって思ってたんですよね。

悩んだ結果、表舞台に立つことはしないけど、「裏方」として表現者をサポートできたら本望だなって思い直して。芸能界を目指した時から10年越しに、エンタメ領域で事業を立ち上げる決意をしました。

「人生終わった」そう確信した瞬間

ー 起業から現在に至るまで、印象に残っていることはありますか。

起業するにあたって、100個位事業を考えたんですよね。その中で、ベストなサービスとして初めてリリースしたのが「VOM(ヴォム)」でした。シード期にVC(ベンチャーキャピタル)から半年間生き延びられるだけの資金をもらい、VOMに全力を注ごうと決めました。

しかし、最初の頃は全く振り向いてもらえず、絶望的に成果が出ませんでした。そんな状態の中、有力なVCから出資をもらえるプレゼンがあったんです。会社が生き延びる最後のチャンスだったので、ボードメンバーも気合を入れてプレゼンに臨み、一定の手応えを得ることができました。

だから、帰りの車の中で一人で「不合格」の結果を見た瞬間は、放心状態でしたね。同じタイミングで車もガス欠を起こして、遠く離れたガソリンスタンドから独りガソリンを抱えて歩きながら「人生終わったな……」って絶望してました。

ー メンバーはどのような反応でしたか?またどうやってその危機を乗り越えたのでしょうか。

家に帰って、Slackで「本当にごめん……。俺の力不足だ」って報告しました。

そしたらボードメンバーの駿ちゃん(伊藤)が、「全然気にしなくていいっす。切り替えて頑張りましょう!」って言ってくれて、号泣しました。後で本人に聞いたら、事の重大さに気づいてなくてとにかくポジティブな言葉をかけたらしいんですけど(笑)ただ、その言葉に本当に救われて……。

CPO伊藤(右)とのツーショット

翌日には、皆気持ちを切り替えていましたね。今まで築いた人脈やノウハウを見直して、最後にもう1回できることはないかって考え出したのが、今のWunderbarを支える「Skettt(スケット)でした。

「エンタメの根幹」を担うIPサービスを作るために

ー Wuderbarは「IPの可能性を広げ、人々に衝撃と感動を」というビジョンを打ち出しています。どうして、「エンタメ×IP」という領域を選んだのでしょうか?

創業当時は、エンタメ領域で起業したいという思いだけで、今のような明確なビジョンはありませんでした。

ただ、「エンターテイメント」を分解すると、根幹にあるものは「IP(知的財産権)」だと私達は考えていて。例えばタレントが出演するドラマも、アーティストのコンサートも全ては人の手で作られた「著作物」です。

あらゆる著作物には、IPが付いてまわるため、エンタメを生む人達が増えた場合には、権利物を守ったり、作り手同士をマッチングさせる人が必要になるんです。そこで私達がこの役割を担い、まず足場をしっかり作った上で、人々を笑顔にするエンタメを普及させたいと思いました。

最近は、個人クリエイターが増えていますが、個人を取り巻くIP環境は未だ脆弱。そこで、Wunderbarがそのエコシステムを作ろうという発想です。手元で推進している事業戦略上、詳細をお伝えすることが難しいのですが、人材や不動産などの成熟したマーケットと比べれば、IP領域の可能性の高さは一目瞭然だと感じています。

ー Wunderbarの今後の展望を教えてください

T2D3で企業を成長させると同時に、「グローバルIPの可能性」を大きく広げるプロダクトを作りたいですね。そのために、私自身もグローバルな視点を持ち、自分に制限をかけることなく挑戦し続けたいと思っています。

フィリピンチームとCEO長尾、CPO伊藤

今後、Wunderbarが世界に挑戦していくためには、新たな仲間が必要です。そのために私達は、組織、協力ネットワークを円滑に回すためのスピリットを言語化していて、「尊重・協調・感謝」を大切にしています。Wunderbarのボードメンバーは、個性的なメンバーが揃っていますが、同時に「チームワーク」も重要視しています。

スキルに関しては後発的に伸ばせると思っているので、根底にある「人間性」や「思い」がWunderbarのカルチャーに合う仲間を集めていきたいですね。

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今回はWunderbar代表として会社を率いる長尾に話を聞きました。

幼い頃に憧れを抱いていたエンタメ業で役に立ちたいと、「感情」を大切に突き進む長尾を支えたのは、Wunderbarの仲間達でした。

Wunderbarでは、「自らを超越し、世界を沸かせ(Going beyond yourself)」というミッションを軸に、IPの力で多くの人に笑ってもらえる、驚いてもらえる世界を一緒に作りたい人を募集しています。

ご興味を持っていただいた方はこちらよりご連絡ください!

次回のnoteでは、Wunderbarの危機を救った「Skettt」の誕生秘話について、引き続き長尾に語ってもらいます!

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