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【展覧会レポ】「大英博物館 北斎」展 @ サントリー美術館

皆さん、こんばんは。
whipです。

先日、サントリー美術館で開催している「大英博物館 北斎」展に行ってきましたのでレポをあげたいと思います。

【画号】

「雅号」とも書きます。
ネットでその意味を検索すると、、、

文筆家・画家・学者などが、本名以外につける風雅な名。

goo辞書:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E9%9B%85%E5%8F%B7/

などと出てきます。つまり、今でいうハンドルネーム。SNSでは自分の名前以外で活動する方も多いのではないでしょか。当時の画号は、このハンドルネームに置き換えられると考えられます。

北斎は、その名を知らない人はいないほど有名な浮世絵師です。しかし、実は彼には他の名前(画号)があることを知っていましたか?私は今回の特別展でそのことをはじめて知りました。そして、その時代ごとに付けられた画号には時勢に合わせた意味があり、作品のスタイルも変動しています。

若き時代には「春朗」、そして誰もが知る「北斎」、「為一」、晩年には「画廊狂人卍」と名乗っていたようです。

本展では、大英博物館に収蔵されている葛飾北斎の作品を中心に、そのコレクターたちの物語と共に、画号と合わせた彼の作品を追体験していきます。我々のよく知る『富嶽三十六景』は北斎が60歳の頃の作品だったんですね!凄すぎる!!!


【彼のモチーフは何か?】

私のレポでは、画家たちがどんなモチーフを自己流として表現したのかをピックアップしています。今回、北斎のそれを紐解いていくと、彼が生涯を通じて実に様々なモチーフやテーマを扱っていたことがわかります。先日「ピカソ」の特別展を拝見したばかりだったので、なんとなく重なる点を覚えました。

撮影:著者

ざっくり紹介していくと、『富嶽三十六景』にみられる「富士山」というモチーフは最も有名ですよね。この頃、北斎はいろいろと大変な人生の局面にあったようで、「富士山」に想いを馳せることで何かを癒していたのかもしれませんね。
他にも『諸国瀧廻り』では「滝」を描き、西洋絵画の印象派にみるような「誇張」や「彼なりの咀嚼」の表現を見つけることができます。『諸国名橋奇覧』では「橋」に着目し、橋を前面に押し出すことで画面内の構造を見つめ直したように感じます。『花鳥画』や『馬盡』など、ジャンルに捉われないことが彼の最大の特徴かもしれません。しかも、これらの作品が錦絵や摺り物で作成されているのが驚きです!この時代で既に日本人のクオリティの高さを実感します。だからこそ、浮世絵は海外でも人気があったのだと思います。

撮影:著者

その後は、中国や日本の古典物語、百人一首の姥などに焦点を当てた想像ジャンルに力を入れていきます。そして晩年には肉筆画の領域でも力を発揮し、とてもその年齢とは思えない作品を仕上げます。そこには娘で絵師のお栄:応為の助力もあったようです。

ぜひ、展覧会を通じて、北斎のダイナミックな生涯を作品たちとともに体感してみてください。個人的には、すごくパワーを貰えた展覧会でした。前向きな挑戦に踏み出してみたくなる気持ちになりました。こうして、時代を越えて古のクリエイターから力を貰えるなんてとても素敵ですよね。

◆公式サイト

展覧会は6月12日まで開催中です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

※執筆にあたりサイトやチラシ、解説パネルや動画を参照しています。


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