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【展覧会レポ】ルーブル美術館展 愛を描く @ 国立新美術館

こんにちは、whipです。

先日、国立新美術館で開催中の『ルーブル美術館展』に行って来ましたのでレポしていきたいと思います。

◆公式サイト


アモル(キューピッド)の存在

※撮影はすべて著者によるものです。

本展覧会は、ルーブル美術館から愛をテーマにした73店の作品で構成されています。展示構成としては、以下で進行していきます。

①愛(アモル)の描き方
②神話における愛
③キリスト教における愛(親子愛)
④人々の恋愛模様
⑤19世紀フランス絵画

キーワードはもちろん【愛】。別名【アモル】。それは【キューピッド】の名で親しまれています。西洋絵画の中には、寓意(他の意味を含めること)が表現されることが多いのですが、アモルが登場する=愛の物語を示した作品ということになります。

恋に落ちる、それは愛の神の矢で射抜かれることなどとよく言われますが、それはこの西洋絵画の中でも同じ。絵の中にいるたくさんのアモル(キューピッド)たちがそれらを表現しています。もしかすると、絵の中の登場人物にはアモルは見えていないのかも、、、。そんなことを今回感じました。ぜひ皆さんもそんな視点で作品を観てみてください。

愛の変遷

序盤は古代神話における愛の描き方をみていきます。様々な神話や叙事詩になぞらえて描かれる愛にはいくつかの表現的な特徴があります。

男性:身体の強さを利用して手に入れようとする
女性:魔力や妖術で手に入れようとする

という点です。それぞれの性別における特性やイメージを活かした作風が当時から確立していたんですね。古代神話の世界では、愛するものを所有することとして描かれていることがわかります。


時代が進むと、キリスト教の愛として描かれ方が変遷します。キリスト教の世界観では、愛する者のために自分を犠牲にする:親子愛、孝心愛を描いています。そしてそうした愛が描かれた絵画を祈りに用いていました。例えば、殉教をテーマとした作品は犠牲の愛の模範とされ、放浪息子の帰宅は無条件の愛を示すなどで表されました。

さらに時代が進むと、愛は人間模様として描かれるようになります。我々もイメージしやすい日常の恋愛シーンなどです。ここではアモル(キューピッド)などはあまり登場せず、表情や仕草、描かれるアイテムによる寓意が愛の意味合いを物語ります。特にオランダやフランスで風俗画として描かれることが盛んとなり、時代的背景から絵のサイズも小さいものが増えた印象を受けます。

こうして古代から中世、近代に至るまでの様々な愛を観ることができる展覧会。正直、あまり知らなかった画家の名前も多く、また新しい発見に繋がりました。なによりも絵画の見方がより楽しくなる展覧会です。

最後のフロアは撮影が可能ですので、ぜひお気に入りの作品を撮影して、思い出に残してみてはいかがでしょうか。


展覧会は、国立新美術館で6月12日まで開催中です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

※本執筆にあたり解説パネルやチラシ等を参照しています。




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